木曜 宝

このよう たから と申します。

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コンビニエンス逃避行

本を読んだまま眠れなかった。 午前4時10分過ぎ。 近所のコンビニエンスストアまで歩いた。 明け方。暗い中に、意外と電気が灯っていた。ホテルの窓のうち3つに。床屋の看板の後ろに。連なるマンションの共有部に。 なにかマンホールの付近で制服を着た男性二人が作業をして仲良くかがみ込んでいた。 アラブ系の男性二人が歩いていた。私にはわからない言葉で話していた。 コンビニの前には男女がたむろしてタバコを吸っていた。 駅のバスロータリーの方へ曲がる車と横断歩道上ですれ違った。 店員さん

    • 私とは

      私の健やかさとは ひざに作った大きなカサブタ 新品の教科書の乱丁を探す時間 空を見ていただけで褒めてくれた先生 私の豊かさとは 雪が多く降る山の麓 川が削った縞模様の崖のそば 風に穂を揺らすほんとうに黄色い田んぼ 私の愚かさとは 読まずに返した本 好かれたくて掴んだ猫のしっぽ 写真にしか残っていない一張羅のワンピース 私の拙さとは まだ見えない星 まだ生えない羽 まだ括れない首 (2024年7月10日 深夜)

      • 詩 『南の空に』

        あれは音もなく まどを開けて気づくの ずっと暗かったこと あれは音もなく とびらを開けて気づくの 何日も降り続いたこと あれは音もなく 花をつぶして大きくなったの わたしと同じ思いで 靴を変えなくちゃ (2023年5月26日 絵を描いてもらったお礼に)

      コンビニエンス逃避行