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今夏は確かに「清涼飲料水」
飲み物のラベルを、割とよく見る方だ。そこに記された、原材料・カロリー・糖質・カフェイン含有量などを毎回ではないけど確認する。中学生の頃、血液検査でいくつか正常値から外れた値が出て、再検査を命じられた。それ以降、自分が口にするものに対して多少気を遣うようになり、このラベル確認をいつしか行うようになった。
そんなわけでラベルを見たときに、僕が一番不思議に思うのが「清涼飲料水」という名称。 「清涼」という言葉がピンと来ない。なぜ公式な表記に、「清涼」という人によって感じ方が異なる要素を組み込んでいるのかがよく分からない。例えば、ファンタにも「清涼飲料水」と表記があるけれど、あの甘さや炭酸を清涼と感じる人もいれば、そうとは感じない人もたくさんいるだろうと、考えなくてもいいことを考えたりしていた。
調べてみると「清涼飲料水」には、きちんとした公式の定義があるらしい。
乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料。
出典:食品衛生法
簡単に言うと、牛乳や乳酸菌飲料ではなくて、かつアルコール分1%以内であれば、すべて「清涼飲料水」になる。したがって、ミネラルウォーター・フルーツジュース・炭酸飲料・スポーツドリンク・お茶・コーヒー飲料まで全部、清涼飲料水に含まれる(ミネラルウォーターとコーヒー飲料に関しては、細かい規定が定められている)。
なんと「おしるこ」も定義上、清涼飲料水の枠に収まる。実際、ラベルにそう表記されているおしるこがあるらしい。もはや清涼感など皆無だし、むしろ清らかさや涼しさとは対極に位置する飲み物だと思うのだが。「清涼飲料水」の適用範囲は広すぎやしないだろうか。
けれども今日、この猛暑の中、汗を浮かべながら自動販売機で購入したミネラルウォーター。いざ喉を通ったその水は、まさしく清涼飲料水だった。おそらく、それがミネラルウォーターではなくて、甘めの炭酸飲料でもジュースでも、はたまたお茶であったとしても、清涼感を覚えたに違いない。
「清涼飲料水」という名称は、夏であれば、ほとんどの飲料において腑に落ちる。ここ数日の、「果たして僕は、この暑さにあと2ヶ月間耐えられるんでしょうか」と感じるような酷暑だと、なおのことそう思う。
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