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春の雨はバス釣りにプラスかマイナスか?①

 春の雨はバス釣りに良いか悪いか?という疑問をたまに耳にします。答えから先に言いますと、プラスになることもあれば、マイナスになることもある、と私は感じています。しかしどちらであれ、3月になるとバスアングラーのみなさんは天候の変化に敏感になりますよね?晴れた日が続いて暖かかったり、暖かい雨の予報を聞くと、ワクワク、ソワソワ釣り場へ気持ちが動く人も少なくないと思います。今回はこの時期の天気、特に雨がバス釣りにどのような影響を与えるのかを考えてみます。

 まず春の基本的なバスの動きからお話しします。2月から3月、水温が10度近くになると、バスは冬を過ごしたすこし水深のあるところから、産卵を意識して浅い場所へと動き始めます。暖冬のときほどその時期は早く、厳冬のときほど遅いと感じています。桜の開花と同じように積算温度というものがあるかもしれません。なので年によっては2月上旬の早い時期に水温10℃を越えていても、なかなか浅いところにバスがいないということもあります。この「浅い場所」というのが何mかというと、それは魚が見えるか見えないか、あるいは底が見えるか見えないかといった水深のことです。湖の透明度によっても変わってくるでしょう。私の経験からお話しすると、霞ケ浦では水深50㎝以内、房総のリザーバーでは1mくらい、河口湖のようなところで2mくらい、七色ダムなら4mくらいから上がその浅場です。その水深はバスが産卵をする水深+αで、そのレンジに魚が現れだしたら、浅場へ上がってきた、と判断できます。

 しかし湖中全てのバスがその水深に一気に集まるわけではありません。浅いところにバスが見えだすと、その少し下の水深にも魚が多くなってきて、その後、個体群ごとに何段階かに別れて浅場へ上がってくるように感じています。季節が進行していくと日差しも強くなってきますので、見えるか見えないかのバスが上がってくる水深も若干深くなるでしょう。そして気がつけばほとんどの魚が浅いところにいて、産卵が徐々に始まっているという季節の流れです。

春は産卵に向けてバスは浅場へ動き出す。

 バスがシャローへ上がりだす時期は、インレットなどの流れ込みエリアは絶好のポイントになります。浅いところへ上がってきたバスは、流れがあれば、その上流へ向かうからです。遡上したワカサギなどのベイトフィッシュを追っているなど、バスが上流へ上がっていく理由は諸説ありますが、これまでの体験ではエサがいようがいまいがバスは上流に上がっているように感じます。仮に上流のほうが水温が低くても上がっている個体はいるので、これは本能のようなものかもしれません。しかし上流域の水温が高い方がその動きは顕著です。このように、昔からバスアングラーの間には「春は上流」という決まり文句があるくらいインレットは春の重要なファクターなのです。

 バスが浅い場所へ上がってくるのは、大潮のタイミングと結びつくことが多いと、実際に釣りをしていると感じます。潮の動きのない山間部のリザーバーでさえ、それを感じたことが記憶に多々あります。雨や風の天候もバスが動きやすいタイミングを作り出します。また、水温の上昇もバスが活発になる要因の一つです。 しかし、春の天候は三寒四温と言われるように、安定しないことが特徴です。移動性の低気圧が西から次々とやってくるので、暖かい日が続いたとしても、急に寒い日が戻ってくることもあり、これがバスの活動に影響を与えることがあります。特に菜種梅雨と呼ばれる春の長雨は、日差しが不足し、水温の上昇を妨げるという理由から、あまり好ましくないとされています。一方で、春の温かい雨は水温を一気に上げ、バス釣りには好影響を与えるとも言われています。2月後半に春一番とともに降る雨は、バスの目を覚ますかのように一気に季節を進めるように釣果で感じたこともあります。悪い長雨も、雨による増水でバスを浅場へ押し上げる手助けをしますし、カバーが発生することで、バスがカバーに入り、釣りやすくなることもあります。

 結局のところ、春の雨がバス釣りに良いか悪いかは、その雨の性質や継続期間、そしてその時期の気候条件に大きく依存します。しかし、これはバスの動きのみを前提にしたお話です。実際には天候に合わせた釣り方があり、悪天候と晴天、そのどちらが釣りやすいかは、この段階では一概に言えません。次回に攻略法も踏まえてお話ししたいと思います。

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