春の雨はバス釣りにプラスかマイナスか?②

早春の時期、雨の日に釣行するとしたら…その攻略法ですが、まず底が見えるか見えないかのような浅場が広い場合は広範囲を探るバイブレーションなどが有効でしょう。上がってきたばかりのバスはとてもナーバスです。これまで水深のある少し暗いところにいたわけですが、今度は視界が明るく、水面を行きかうボートや、あるいは外敵である鳥などが水面を飛ぶと視界に入るわけですから、それは当然のことと思います。しかし、フィッシングプレッシャーなどがなければ産卵に備えてエサを食べている時期でもあるため、けっこうルアーを追ってくれます。雨の日のようなローライトでは、与えるフィッシングプレッシャーなども下がり、ロングキャストで広範囲を探れるバイブレーションプラグはとても効率のいいサーチベイトになります。
次に挙げるのはキャロライナリグです。こちらも遠投が効いて広範囲を探れます。広大なエリアならシンカーの重たいヘビキャロ、狭いスポットなら軽いライトキャロやスプリットショットをズル引きで使います。オープンエリアにいるバスを効率よく狙える釣り方です。早春の雨はよほど温かい雨で増水をともなうようでなければ、カバーまでバスが入りにくく、ローライトが手伝ってオープンエリアが釣りやすくもなってくるのです。
それからミノーやシャッドなどのジャークベイトも有効です。春はまだ水生昆虫などが少ないため、バスのエサになるのは小魚が多く、ジャークベイトはそういった意味でもこの時期にチョイスされやすいルアーです。ジャークベイトは中層で大きくジャークなどを入れてバスの反応を促すことができます。シャッドはリップが大きく、ミノーより深く潜り、ミノーよりさらに大きな水流を起こします。ジャークベイトは雨による水温低下などでルアーを追い難くなっているバスに反応を促すことができる攻め方です。この時期のバスはとにかく横の動きに反応がよくあります。バイブレーション、キャロライナリグ、ミノー、シャッド、どれも横方向へ誘うルアーです。これは私の感想ですが、これらのルアーは止めずに横へ動かし続ける方がよい反応が得られると思っています。キャロも止めずにズル引いてください。そしてミスバイトがあった時にサスペンドさせたり、ステイをいれたり、食べ直すタイミングを与えます。ステイで誘うのではなく、横方向へ誘って追わせ、ミスバイトのフォローでステイを入れる、そんなイメージで私は使っています。雨の性質を気にしなければ、ローライトという状況を生かし、このような攻略法を考えます。

ジャークベイトを代表するルアー ONETEN

ジグヘッドの中層スイミング、いわゆるミッドストローリング=ミドストも横方向への誘いです。ボトスト、も同じ横方向のボトムアクションで、ともにこの時期に有効な攻め方です。もし降った雨が少し冷たく、インレットと本湖に水温の差があるときは、水温の境目となっているスポットを見逃さないで下さい。そういったところでミドストはとくに効果的でしょう。上流から入ってくる冷たい雨によって、上流へ上がってきた魚が本湖側へ押し戻され、そういった境目に溜まっていることがあります。インレットが濁りをともなったときも、同様の理由でその境目がポイントとなります。
昆虫などの少ない春でも、雨によって上流からバスのエサとなるものが流されてくる場合があります。とくにこの時期に多いのはカエルです。早春に産卵する種類は多く、とくにアカガエルなどは有名です。リザーバーでは小さなインレット回りでカエルパターンが炸裂することがあります。雨が降ってカエルが鳴いていたら試してみたい釣り方ですね。

房総ガエルと霞の蛙

そして降る雨がもしとても温かい大雨だったら….私は真迷わず上流へ向かい、そしてバスに反応させやすいルアーをチョイスします。これはもう春の鉄則ですね。デカいバスが釣りやすくなるのはこんな日です。スイムベイトやビッグベイト、大きめのシャロークランク、スピナーベイト、などロケーションに合わせ好きなものを投げていきます。ビッグミノーなども効果的です。その温かい雨が一気に湖を増水させるようなことがあれば、そのときはカバーを狙うのもありですが、やはり上流が攻略のカギになると思います。

春の雨はプラスかマイナスか?釣り方から見れば、冷たい雨も温かい雨も、晴れた日にはない体験ができ、釣果にかかわらずプラスな面も大きいでしょう。花粉症の私にとっては症状が軽くなるためこの時期の雨はプラスの部分がある意味大きいように思えています。しかし、この時期に季節を進めるのはやはり晴れて水温が上がるような日です。以前JBTOP50の開幕戦、早明浦ダムでの試合で、私はカバーをネコリグで攻略し優勝したのですが、2日目までは晴れていて15本以上キャッチできていたのに、3日目朝に少し天気が崩れただけでカバーからはバスの反応が消えてしまいました。雨により発生した流れ、日差しを遮るローライト、冷えた気温…すべてがマイナスでした。それでも昼前に僅かに日が射した瞬間にバスがカバーに入ってくれたおかげで優勝できましたが、この日ばかりは雨がこれほどまでにもマイナスなのかと感じました。超クリアウオーターの早明浦ダムということもありますし、季節的にバスがカバーに入ってしまってからのトーナメントだったというのもあります。カバーネコがストロングパターンで、この釣り方以外、このとき私の頭になかったこともあります。ぶっちぎりで予選を通過した3日目の決勝ですから、そんなに切り替えて違うことはなかなかできない状況でした。あのままカバーにバスが入ってこなかったら、その後に雨の日の釣りだと違うことに切り替えできていたかは疑問です。前回も書きましたが、結局のところ、春の雨がバス釣りに良いか悪いかは、釣り方から見ても、その雨の性質やバスのコンディション、そして釣り人側が何をしているのか、何をしたいのかに大きく左右され、攻略法としてはやはり現場の状況に臨機応変に合わせていくしかないとは思います。しかし様々なことをはじめから知っておき、準備しておくことはとても重要なことだと思います。こうして結論をまとめた今なら、早明浦ダムの3日目は天気が回復するまでカバー沖の少し深いところをDeep-X200で攻めると思います。

実績抜群のDEEP-X200

春の雨、花粉症の方は救いの雨になるかもしれませんが、この時期の雨は思った以上の大雨になったり、同時に強風をともなったりしますので、釣行にはじゅうぶん注意してください。天気予報に注意を払って、まずは安全に楽しむことが重要です。気温の変化も大きく、温かい雨だと油断をしていたら、濡れた体が凍えるような冷え込みがあったこともあります。防寒や雨具をしっかりとしてお出かけください。

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