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夏と冬どちらがお好きですか?

皆さんは夏と冬のどちらがお好きですか?私は圧倒的に夏が好きです。理由はシンプルで、寒いのが嫌いだからです。もちろん真冬も釣りはしていますが、寒さに対しては非常に弱く、どうしても耐えられません。そのため、冬の寒さにはつい文句を言ってしまうのですが、夏はどれだけ暑くなろうとも、暑いことに対しては決して文句を言わないように心がけています。暑いときでも、冬の寒さを思いだせば文句も出ません。ただ、寒いのは服を着るなどの対策ができるのですが、暑いのは対策ができないから嫌いという方もいらっしゃいます。そういう意味ではエアコンがないと想定すると、人間の肉体としては寒さの方が耐性がありそうですが、私はそれでも暑い夏の方が好きなのです。

冬場のバス釣りにも特有の魅力があり、これまでたくさんのバスを釣ってきました。それを楽しむこともまたバス釣りの醍醐味一つです。しかし、私の釣りの思い出を振り返ると、冬以外の季節の方が圧倒的に多いのです。特に学生時代までは夏休みという大イベントがあったので、このときの釣りの思い出が大きな影響を与えています。夏休みは時間がたっぷりあり、自由に釣りに出かけたりすることができましたので、夏の思い出が圧倒的に多いのです。それも夏を好きな理由の一つかもしれません。初めて50アップを釣ったのも夏休みの遠征でした。昨今の夏は毎年、過去最高の気温を更新するかのごとく暑くなっています。それは外で遊ぶことが推奨されないほどの暑さですが、それでも私はその暑さにもめげず、夏が好きだと言い切ります。

私が子供の頃は、部活動でも夏場に水を飲むことが許されない時代でした。今では考えられないでしょうし大きな問題になるでしょうが、それはその時代では常識でした。そのように部活で教えられてきたこともあって、暑いから積極的に涼んで冷たいものを飲む、などは私にとって敗退行為のような嫌悪感を伴うものでした。この頃、ある意味に真面目だったのです。もちろん部活の練習後などは浴びるように水を飲みます。その水で得られる、あの生き返った感は本当は危険なのかもしれませんが、何かをやり遂げた達成感に近いものがありました。

中学生の夏の日、私は加古川という家から1時間ほど電車に乗って行くフィールドによく通っていました。駅からはもちろん歩きながら釣り場を回り、もちろん、といってはいけないのですが水筒や飲み物などは持っていませんでした。帽子だけは日射病にならないように被っていました。日射病という病気は当時よく名前が出ていたのですが、周囲にかかった方も、自分自身がなったこともないので、これがどういう病気かわかりません。今で言う熱中症かもしれません。ただ帽子をかぶっていれば防げる病気だ的に思っていました。

その日は特に暑く、朝5時台の電車に乗り、現地で汗を滝のように流しながら歩き回って釣りをしていました。もちろん飲まず食わずで。当時は行きと帰りの交通費とわずかな小銭しか持っていなかったので、むやみにジュースを飲むこともなかったのです。この日は本当に暑く、お昼過ぎにはもう完全にバテてしまい、さすがに何かを飲まないとやばいと危機感を感じ釣り場を一度離れました。川のほとりから道路に出るだけも炎天下をかなりの距離歩き、道路に出たころにはもう出る汗がなくなってしまいました。道路にでても見渡す限り自販機などありません。今とは違いコンビニもほとんどない時代です。とにかく歩いていれば何処かに自販機くらいあるだろうと思ってさらに進んだのですが、それが甘かったようで、自販機を見つけるまでに川沿いより遥かに暑いアスファルトの上を歩き回って30分ほどかかりました。そしてやっと遠くの方に自販機を見つけたとたん、意識が朦朧としてしまいました。そこから自販機までは這うようにして向かいました。あの自販機まで残った僅かな距離は、今でも夢に出てくることがあります。砂漠の中、いつまで歩いても見えている自販機にたどり着かない夢…。実際には朦朧としてはいましたが何とか自販機にたどり着きました。その自販機で飲んだのが「Fe」という小さな健康ドリンクだったことを30年以上たった今でもはっきりと覚えています。その鉄の味がするそれは僅かな量でしたが、若い私が復活するのに十分な水分でした。

この釣行が過去最も暑さに打ちのめされた釣行だったと思います。他にも暑い夏の思い出はたくさんありますので、また機会がありました紹介したいと思います。最近は万全な暑さ対策も身につけました。それにより快適な夏のフィッシングを満喫しています。この暑さ対策も、ぜひ近日中にご紹介いたします。今回のお話は35年前の私のお話です。皆さんは無理をなさらず、必ず水分を小まめにとって、ときには木陰で休んだりしながら、楽しい釣りのひと時を過ごしてください。私の大好きな夏の思い出が、皆さんの心にも残る素晴らしいものとなることを願っています。

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