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司法の力を悪用した「リーガル・ハラスメント」を無くしたい。現役官僚による「スラップ訴訟」に勝訴した一部始終を公開します


私事になりますが、ご報告させて頂きます。

現役官僚であるW氏から、身に覚えのない名誉毀損の民事裁判を起こされていたのですが、この度東京地裁で名誉毀損にはあたらない、という判決が出て、第一審において勝訴しました。

本件は現役官僚が行った裁判であること。そして後に説明しますが、それが政治的スタンスが違う相手を黙らせるために行われたスラップ訴訟である点から、経緯を示しておくことが公益性に適うと思われたので、以下説明を行います。


【裁判の背景】

さかのぼること2017年1月。

ひとり親支援界隈では有名な、いわゆる松戸裁判の高裁判決が出ました。

松戸裁判とは、別れて約6年間子どもに会ってない父親が、当時小学校2年生の子どもの親権を求めた裁判です。通常は、虐待や子どもへの不利益がなければ、監護の継続を重視して主に子育てしている親(同居親)が親権を持つことが多いと言われています。

しかし、松戸地裁においては、「年間100日に及ぶ面会交流の計画を提示した」父親が、より友好的(フレンドリー)な親である、ということで、父親が親権者であると指定しました。
(これは「フレンドリー・ペアレントルール」等と称されているそうです)

そんなバカな、とひとり親支援業界は震撼しました。100日というと週2回欠かさず別れた父親と面会交流をする、ということを意味します。普通に働いているひとり親が週2回日程調整をして子どもを他県に住む別れた父親に会わせる、というのはおよそ現実的ではありません。これがまかり通ってしまえば、別れたらとりあえず元妻を訴えて、自分は年間100日、いや150日会える計画がある、ということを裁判所に出せば、「フレンドリー」ということで親権が取れてしまうことになります。

同居親の母親は控訴をし、高裁で再び審議されました。結果としては地裁の判決は否定され、小学校2年生の子どもは6年間一緒に暮らした母親と引き離されずに済みました。ほっとひと安心です。

【無理筋の提訴】

そんなニュースを否定的なコメントと共に呟いたツイートを、朝日新聞のTwitterがリツイートしていました。

それに対し僕は、裁判の判決結果が至極妥当だ、ということを朝日新聞への批判とともにツイートしました。

このツイートをとらまえて、現役官僚のW氏(松戸裁判の原告・元夫)は、私に対して名誉毀損の損害賠償請求をしてきたのでした。

当初、非常に驚きました。名誉毀損の要件にまるで該当しないためです。裁判の妥当性について論評しただけで訴えてくるのは無理筋すぎる、と。おかしいことをするな、と思ったものでした。


【離婚後共同親権に慎重な39人を一斉に提訴】

さらに驚いたことにW氏は私を含め、著名憲法学者の木村草太先生、ひとり親支援団体代表、千田有紀 武蔵大学教授、有識者、DV被害者・支援団体等代表者を合計39人を一斉に「名誉毀損」で訴えていました。W氏は、訴状の中で「被告らによる名誉毀損行為は」W氏の元妻「を中心として共謀共同してなされた」と主張し、この名誉毀損は「通常の名誉毀損とは全く異質の組織的・計画的犯行」だとして、全員に連帯責任が発生すると主張しています。

39人の所属も違う、何ならお互い知らない人同士が、W氏の元妻と共謀してW氏の名誉毀損をする?トンデモ過ぎる・・・と感じました。

しかし、39人にはある共通点がありました。

僕と彼らの共通点は、離婚後共同親権運動に慎重な姿勢を示しているところです。離婚後共同親権というのは、離婚後も別れた親(別居親)が、子どもに対する重要事項決定権を持ち続ける制度です。どこに住むか、どの学校に進学するか、手術を受けるのか否か。こうしたことを、別れて一緒に住んでいない元夫(妻)といちいち相談しなくていけなくなります。そして、別れた夫(妻)は拒否権を発動できるので、拒否権を行使して元妻(夫)に対して嫌がらせをし続けることが可能になります。

そうすると離婚後も夫(妻)から逃げられなくなってしまいます。特にDVや強度のモラハラの場合、地獄が続いてしまうことになります。

つまり離婚後共同親権に懸念を持っている人たちが一斉にW氏に訴えられた格好になります。これは、考え方の違う人達を司法の力を使って抑圧するスラップ訴訟であり、リーガルハラスメントであると思いました。


【これから】

幸い、最初から無理筋であったこともあり、一審は私(と他38人)の勝訴で終わることができました。

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勝訴は良いのですが、時間と手間をかけさせられ、ただでさえコロナ禍での緊急支援で忙しい時に、精神的負担が増えたのは事実です。

こうしたスラップ訴訟を行ったW氏と代理人弁護士の杉山程彦に対し、反訴も検討しましたが、その時間と労力は本業の子どもと子育て支援に使っていきたいと思います。

しかし、今後こうしたリーガルハラスメントが繰り返され思想信条の自由が脅かされないよう、杉山氏の所属する弁護士会やW氏の所属省庁等に対して、構成員の職業倫理の徹底を提言していきたいと思います


【加害性・暴力性の証左】

今回のケースは、離婚後共同親権を推進する方々が、如何に加害性、暴力性を有しているかが如実に明らかになったと思います。

加害性・暴力性を有した方々が、離婚後共同親権を行使し、私達に対して行われたように、別れた妻(夫)たちに対しリーガルハラスメントをし続けられるようになってしまえば、それは弱い立場のひとり親たちに本当に苛烈な社会が現実化してしまうことになります。

私は決してそうした社会を望みません。

今回のようなスラップ訴訟にくじけず、これからも声をあげ続けていきたいと思います。

追記:
・現役官僚W氏は控訴しているので、しばらく本案件は続きます。リーガルハラスメントとの闘いは続きます

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NPO法人フローレンス代表理事。慶應SFC卒。05年〜訪問型病児保育を開始。08年Newsweek「世界を変える100人の社会起業家」に選出。10年から待機児童問題解決のため「おうち保育園」開始。後に小規模認可保育所として政策化。14年、障害児保育園ヘレンを開園。