見出し画像

1/31(水)毎日新聞夕刊に書評が掲載されています

1/31(水)の毎日新聞夕刊文芸時評欄にて、2ヶ月ぶりの3冊書評が掲載されております。
次の3冊をあげました。

①柴崎友香『続きと始まり』(集英社)
②沼田真佑『幻日/木山の話』(講談社)
③城水めぐみ『甘藍の芽 城水めぐみ川柳句集』(港の人)

①柴崎友香さんという作家は不思議だな、といつも思います。
ベテランの域なのに、どの作品にも新人のような新鮮さがあり、
『きょうのできごと』から、印象はそれほど変わらないのに、変わらない印象のまま、どんどん厚みが増している気がします。
昨年末の刊行ですが、これを読んだのが年明けだったので、わたしにとってはこの作品が早くも2024年のベストではないか、と思うほどに素晴らしかったです。

①があまりに素晴らしかったので、これを1冊目にすることを早くから決めてしまったのですが…

②を読んだら、これも1冊目にしたい!と強く思いました。ギリギリまで翌月にまわすか悩んだのですが、刊行月からしてやっぱり今だろう、と思い、泣く泣く2冊目にしました…
『影裏』の沼田真佑さんの2冊目、おそらく2冊目を出されるのに、苦心されたのではないかと思いますが、ある意味、その苦心がそのまま映し出された作品です。だからといって私小説というわけではまったくなく、作家の苦悩が木山の物語としてきちんと昇華されています。加えてこれはもう唯一無二と言ってもいい、文体の美しさが抜きん出ています。
やっぱり沼田さん、すごいです。

「詩」の現代川柳への表れ方に、わたしは度肝を抜かれています。現代川柳にめちゃくちゃ才能が集まっていると長らく思っています。
城水めぐみさんの川柳は、なめらかで凛としている。読みやすいと思うので、はじめの1冊には最適です。

以上、下記は有料記事で申し訳ありませんが、お読みいただけたらうれしいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?