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乗代雄介さん『旅する練習』帯コメント

【告知】
乗代雄介さん『旅する練習』(講談社文庫)の帯に、コメントが使用されております。
単行本刊行時にも使用されたコメントの、改訂バージョンとなります。

「泣いた」ということを、書籍の宣伝に利用することはある種の思考停止であると、別の場で申しあげたことがあります。
何言ってんだよ、これ、もろ「泣いた」コメントじゃねーか!と思う方は、たぶんたくさんいらっしゃるのではないかと思います。

そもそも単行本刊行時に使われたコメントは、公的にお送りしたものではなく、編集ご担当の方に、メールで個人的にお送りした感想でした。あまりにこの作品が素晴らしかったので。

単行本刊行時にここを切りとられたことにも、少しもやっとしたのですが、それがまた文庫にも使われるのかー、とありがたく思う気持ちもありつつ、正直、乗代作品に「泣いた」コメントいらなくないか?と思ったので、ご依頼いただいたご担当者さまに、正直にその旨お伝えしたところ、とても熱のこもった返信をいただきました。

適当に流されるだろうなと、漠然と思いながらお送りしたメールに、とてもきちんとした返信をいただいたことに、感銘を受けました。それで、使用してもかまわないとお返事しました。

なんだよまた「泣いた」かよ、チッ、と思う方は多いと思いますし、わたしも思います。

ただ、この作品を読んで、わたしが声をあげて泣いたことは真実ですし、自分のなかではこの真実は揺るぎませんから、その「真実さ」がどなたかに伝わればいい、と思っております。

講談社のホームページ、書影にちゃんと帯も入ることにびっくりしました。
もし未読の方がいらっしゃいましたら、ぜひこちらの文庫から乗代さんの世界にひたってみてください。



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