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ブレイディみかこさん『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』の書評を書きました


週刊読書人2024年1月19日号より

「週刊読書人」1月19日号に、ブレイディみかこさん『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』(KADOKAWA)の書評を書きました。

ブレイディさんの「小説」です。
6つの作品が収録されています。

推測できると思いますが、タイトルは「私小説」と「労働小説」をかけ合わせた、ブレイディさんの造語になっています。
「お仕事小説」というどこか軽い表現に対するアンチテーゼの意味が含まれていることも、すでにブレイディさんがインタビューで明らかにされています。
「初の自伝的小説」との謳い文句ですが、そこにあまりこだわる必要はないと思っています。

退職したばかりの自分の状況や心情に、どこか重なる部分の多い読書でした。

アーレントやグレーバーについての言及もあり、『人間の条件』や『ブルシット・ジョブ』をひらく機会になったこともよかったです。
おかげであらためて興味がつながって、いまは中山元『労働の思想史』(平凡社)を読んでいます。こちらも面白いです。

以前は比較的すぐに、WEBでも読めるようになっていたと思うのですが、いまのところWEBにはあがっていないようなので、購入リンクを貼っておきます。
現在発行されている書評紙は、こちらの週刊読書人と図書新聞のみとなっております。他にも、興味深い書評が多数掲載されておりますので、ぜひ。

年始にさまざまなことを思いながら、執筆した書評です。読んでいただけたらうれしいです。

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