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バージョン管理の重要性と方法


はじめに

Webディレクターとして働いていると、さまざまなプロジェクトやタスクを管理する機会があります。そして、その分バージョン管理の重要性を実感する機会が多くあります。
多くのデータやファイルを取り扱う中で、効率的かつ安全に作業を進めるためには、適切なバージョン管理が欠かせません。今回の記事では、Webディレクターが知っておくべきバージョン管理の方法と、その利点について解説します🦎

バージョンとは

そもそもバージョンとはどのような意味を持つのでしょう。
学生時代にもレポート、卒論をかくときや、講義で配られたドキュメントを保存して課題として教授に提出するときなどにバージョンが発生していますね。
自分のPCにドキュメントを保存したり、編集して上書き保存したり、既存のものから新しい状態のものへ変更した状態が「バージョン」です。
Webディレクターの仕事でも、お客さんに提出する資料、作業者に提出する資料などに修正で編集を加えながら多くのバージョンを生み出しています。また、Webサイトの作成は、全て同じ人が作業しているわけではありません。下の画像のようにもあるように、誰かが作業したものを誰かに共有して、また誰かが作業して共有して、、、を繰り返し、複数のバージョンを発生させることで、作業の進捗状況を管理し、修正や改善を加えながら最終的な完成形に近づけることができます。

バージョン管理で大切なこと

このような複数のバージョンを扱う時に重要となってくるのが「バージョン管理」です。特にWebディレクションや開発においては、多くの関係者が関与している分、頻繁に更新や修正が行われるため、バージョン管理の重要性はますます高まります。

効率的なバージョン管理のためのファイル整理術

多くのバージョンを作っているうちに過去のバージョンと最新のバージョンがごちゃごちゃになってしまうのは、バージョン管理できていないといえます。このような事態が起きないためには、ファイル名やフォルダ作りにこだわることが大切です。

1. 日付を含めたファイル名

まず、ファイル名に関しては、全てのバージョンに日付を入れることが大切です。ファイル名に日付を入れることで、各バージョンがいつ作成・編集されたかを一目で確認できます。例えば、「原稿_240731.pptx」のように日付を付けることで、ファイルを開かなくても更新日が分かります。これにより、バージョンの順序を簡単に把握でき、混乱を防ぐことができます。

2.フォルダの利用

バージョンが増えるにつれて、日付を確認してファイルを探すのは手間がかかりますよね。この問題を解決するためには、フォルダを活用するのが効果的です。例えば、「old」や「過去バージョン」などのフォルダを作成し、最新バージョンができた際には、一つ前のファイルをそのフォルダに移動します。こうすることで、最新のファイルは常に一目で分かる場所にあり、古いバージョンは整理された状態でフォルダに保存されます。

3.バージョン番号

ファイル名にバージョン番号を付けることも大切です。
例えば、「原稿_v1.0.pptx」「原稿_v1.1.pptx」のようにバージョン番号を記載することで、このファイルが何回目の改訂なのかが明確になり、どのバージョンがどの段階のものであるかが簡単に判別できます。

これらの整理術は私が先輩に教わったものたちですが、これら以外にも効率的なファイル整理の仕方はたくさんあるかと思います。
また、Webディレクターとして気をつけたい注意点として、プロジェクト全体では、ファイル名のルールを統一することがすごく大切です。上記でご紹介した日付の形式やバージョン番号の記載方法などをプロジェクトメンバー全員で統一することで、ファイル名の一貫性を保ち、混乱を避けることができます。

バージョン管理ツールの活用

バージョン管理ツールは、プロジェクトの効率を大幅に向上させる便利なツールです。今回は、バージョン管理ツールの中でも特に人気のある「Git(ギット)」について少しだけご紹介します。

Git「ギット」

Gitは、ファイルの変更を記録し、複数人での作業をスムーズにするための強力なツールとして知られています。私自身もまだ学んでいる途中ですが、その大きなメリットについてご紹介しますね🐎
Git上でバージョン管理するファイル群をリポジトリといいます。
また、バージョンのことをリビジョンといいます。

コミット : 変更の記録と履歴管理

Gitは、プロジェクトのファイルに編集された変更を「コミット」として記録します。このコミットには、誰が、いつ、どのような変更を行ったかが含まれており、履歴として保存されます。
例えば、本日7月31日にファイルを編集したとします。その場合、「2024年7月31日に、文章を追加した」という情報がコミットとして記録され、履歴として残ります。これにより、過去のバージョンに戻したい!となった時に変更の経緯を簡単に追跡でき、過去のバージョンに戻ることができるのです。

ブランチ : 時系列 マージ : 一つにまとめる

Gitでは、「ブランチ」という機能を使って、並行して異なる作業を進めることができます。
例えば、新しい機能を追加する際に「feature01-branch」というブランチを作成し、その中で作業を進めます。作業が完了したら、メインのブランチに統合します。この統合を「マージ」といいます。これにより、異なる作業が混ざることなく、独立して作業を進めることができます。

マージすることで、異なるブランチの変更を効率的に一つのバージョンに統合できます。また、同じ部分が異なる方法で変更されている場合には、差のある部分だけマージすることができます。これにより、複数人での作業をよりスムーズに進めることができます。

おわりに

今回は、バージョン管理の重要性とその活用法についてまとめました。
プロジェクトを進める上で、バージョン管理は欠かせない要素です。
かといって、Webディレクター本人がGitを扱ったり、作業をすることはあまりないです。あくまでディレクターは、進行がスムーズに動くような指示管理をするのが仕事だと思っています。
今後私がWebディレクターとしてバージョン管理をしていく上で意識していきたいことをまとめました。

1. ひとつのファイルをみんなで扱う意識をする
この意識をメンバー全員で共有することが作業の効率化とミスの防止に直結すると思います。

2. バージョンの存在を意識する
ファイルには常に最新のものと過去のバージョンが存在していることを意識して進行していきたいです。そして、これらを管理し、必要に応じて過去の状態に戻ることができるようにしておくことは、プロジェクトの安定性を保つために重要です。

3. Gitをさらに理解する
Gitをさらに深く理解し、効果的に活用することで、作業者への指示出しの効率を大幅に向上させることができると思います。

4. 案件の時系列の状態を把握する
Webディレクターとして、担当する案件の時系列の状態(開始前、進行中、納品、公開)を常に把握しておくことが重要です。各案件がいつ始まり、いつ公開されるのかを理解し、作業者と共有することで、スケジュール管理がスムーズになります。

5. 並行する案件の確認
複数の案件が同時に進行している場合、それぞれの進捗状況を確認し、リソースの分配を適切に行うことも、バージョン管理に関わります。すべてのプロジェクトが順調に進むように調整できるように常に確認していきたいです。

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