死について考える


昔は死にたくなかった。死ぬことが怖かったからなのだろう。
それは自分の死もそうだけど、他人についての死も同様。
思えば幼少の頃、自分の母親が死ぬということを怖がって夜中布団の中で泣いていた。
誰かがこの世から居なくなる恐怖。そこから来ていたんだと思う。
死という意味自体が受け入れられなかった。

そして今。
死ぬことに対する恐怖はだんだんと薄れてきている。恐怖というより不安の要素の方が上。あちらでの生活?や残された人たちへの想いに対する不安の方が大きい。

恐怖が薄れてきた理由が最近になってうっすらわかってきた。
それは近親者や好きなアーティストたちが『あちらの世界』に旅立っていったから。つまり、あちらの世界に知った顔が増えるたびに、あちらの世界で会えると思い始めたのだ。
幼少の頃はあちらの世界には知り合いが多くない、だから不安なり恐怖を感じていたんだと思う。今は多くの知った顔があちらでの世界にいる。それだけで不安は小さくなる。

いやいや、あの世の世界なんてないんだから…と思うのは簡単だけど、こうやってポジティブに考えれば、あちらの世界に旅立つことは怖くなくなってくるんじゃないのかな。

もちろん、今は『こちらの世界』でやらねばならないこと、やりたいことが沢山ある。
あちらの世界の知人たちに会うのは当面先になるので、気を長くして待っていてくださいね。
あちらの世界の知人たちに『来るの遅えよ』と言われるくらい、こちらで生きていく予定ですので。

死が生の対極にあるのではなく、生のそばに寄り添う感覚なのかなあ。
近頃そんなことを考え始めた。

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