ピラフとコーヒー
20年前に勤めていた会社の近くにある、喫茶店に行きたい。
その喫茶店の「ピラフとコーヒー」を食べたい。
そのピラフは冷凍のものを火にかけただけ、コーヒーもチェーン店の味だったのだけど、なぜか記憶に残っている。
その会社のことはあまりいい思い出が無くて、記憶をどうでもいいところに追いやっているけど、その店だけは懐かしめる記憶の中に入っている。
当時はなんとも思わず、普通に利用していた店なんだけどな。何が違うのだろう。
思い出した。
この会社に勤めるということで自分の人生が費やされていっていいのか、とピラフを食べながら真剣に悩んでいたこと。
人間関係に悩み、どうやったら有効な人間関係が気づけるかって珈琲を飲みながら思いをはせていたこと。
調べたらその店はすでに店を畳んでしまっていた。
あの店に行けば、当時の自分に出会えたんだけどな。少し残念。
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