バレンタインの思い出

バレンタインデーにチョコレートをもらった、というのは学生時代では殆どなかった。
学校側がもらえない子に気を利かせたのか「チョコレート受け渡し禁止令」が出ていたため、学校での贈与(?)が出来なかったからだ。
基本的に2月のチョコレートに縁のない人だったのだが、唯一の例外がある。
中学3年のバレンタインデーのこと。
中3の2月と言えば高校受験直前のいちばん大変な時期。
そんな時期にチョコレートなんて浮ついたこと…やってるわけですよ、女子は。
何しろ一大イベントですから。
それまでバレンタインと無縁の人生を送ってきたワタクシ、今年も平穏無事な一日になると思って(この頃にはもうバレンタイン無縁の人生だと悟っていた)帰りの挨拶を終え、下駄箱に行くと…

下駄箱の自分の場所にギッシリと詰められた「ごえんがあるよ」のチョコレート。



チョコレートに埋もれて靴が見えない。

その前に校則違反じゃないか。教師に見つかったら半殺しだぞ。

慌てて通学バッグに「ごえんがあるよ」を詰め込む。

下駄箱だけでなく、靴の中にもギッシリと「ごえんがあるよ」が。


近くを見ると仲の良い友人も必死になって「ごえんがあるよ」を回収していた。

お互い「これ、おそらくあいつだよな?」とアイコンタクト。


犯人はわかっていた。

日頃から「日の目を浴びない男子が好き」という褒め言葉なのかなんだかわからないことを公言していた女子がいたのだ。

おそらくその女子だ。なぜなら「ごえんがあるよ」被害者と帰る途中、その女子がこちらを見て「にやり」としたから…


いまだに開催されない中3の同窓会。

もし開催され、その女子が来るのなら「ごえんがあるよ事件」の真意を問いただしたい。

どうでもいいことだけど、聞いてみたい。

だってそれまで好きだった「ごえんがあるよ」がそれ以来嫌いになってしまったのだから。


最後に。

「ごえんがあるよ」は現在も販売されています。

チロルチョコから発売されています。

味もグーです。おいしいよ!


http://www.tirol-choco.com/secret_003.html



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