いくら好きが食べる “塩いくら”

~ いくらがそんなに好きでない人は食べないで ~


【まとめ】

・ いくらの卵の水揚げは、“ 北海道 道北がいい ” 

・ “ 塩いくら ” が作られなくなった2つの理由 

・ 鮮度がよくないと作れない、のはなぜか?

・ 自分だけのために作る “ 塩いくら ”

・ 皮がスウーっと消えてなくなる、オレンジで透明なダイヤ


● いくらの卵の水揚げは、“ 北海道 道北がいい ”

鮭の水揚げは、北海道網走。三陸のいくらが主流も、北海道 道東のいくらはおもしろい。その理由とは?

・ その1: 鮭は道北から南下するにつれて、卵は大きくなる。

・ その2: 卵が大きくなるほど、味は薄く、卵の独特の香りがなくなる。


●  “ 塩いくら ” が作られなくなった2つの理由

・ その1: 単純に食べやすさの観点で、しょうゆが増えた

・ その2: 鮮度がよくないと作れない


● 鮮度がよくないと作れない、のはなぜか?

・ いくらは、まず飽和塩水で拡販する。いくらは塩に充てると、水分が外に出る。(昔理科でならったやつ)。いくらが卵がしっかりしていないと、いくらは潰れてしまう。要は、鮮度が圧倒的によくないと、塩いくらは作れない!調味液に漬けると、いくらは調味液を吸い、歩留りが上がる。塩いくらは、歩留まりが悪く、醤油いくらは、歩留まりがよくなる

塩いくらが、作られなくなったことには、↑のような背景がある


● 自分だけのために作る “ 塩いくら ”

・ 今、市場に塩いくらは1%しか出まわていない。そのうえ、鮮度がよくないと塩いくらは作れない。それでも、職人は自分のためだけに塩いくらを作っている。職人は言う、”いくらといえば、塩いくら卵の味を楽しむのは塩しかないんだ。” ちなみに築地でも、彼らのいくらは、寿司屋にしか並ばない。築地の寿司屋はいくら職人に、木箱で作ってほしいと頼むらしい。木箱の方が雰囲気はいいけど、卵の持ちは悪くなるんだけど・・・。


● 皮がスウーっと消えてなくなる、オレンジで透明なダイヤ

・ 水揚げは8月末~11月まで。その期間でも塩いくらが漬け込みできるのは、本当に3-4日しかない。たまごに張りがあって、塩に負けない期間がこの3-4日。水揚げ後のイクラは、オレンジで透明。鮮度のいい、いくらは皮がスウーっと消えてなくる。選別で、筋子のサイズ、過熟、赤子をはじく(これは醤油ではやらない工程)卵の過熟は、いくらにすると皮が残る。赤子(死んじゃった鮭の卵)は血が回って、生臭い。「生臭い」と「卵の味」がするのは別物。漬け込みは、鮭をばらして飽和塩水に。(少しで塩は入る) 最後に、選別で塩水に数秒漬ける。そこで鮮度が悪いものは、下に沈む(これも昔理科でやった奴)ここまでやっているところは、本当にない。

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