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井戸尻考古館という地方の縄文博物館に勤務しています。ちょっと違った登山ルートで、縄文人…

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井戸尻考古館という地方の縄文博物館に勤務しています。ちょっと違った登山ルートで、縄文人に迫ってみようと考えています。

最近の記事

住宅地の巨大集落へ~下野谷遺跡

さて今回は、あこがれの場所へ、あの人たちに会いに行ってきたお話を。 ふと東京でできた自由な時間に何をしようかと考えて、西東京市に行くことにしました。以前から行きたかった、国史跡「下野谷遺跡」です。 まずは西武新宿線田無駅からバスに乗り、西東京市の郷土資料室へ。 ここは西東京市西原総合教育施設という建物にあり、どうやらかつての小学校を再利用している様子。心身障碍者の作業施設も同居しているようで、ちょうど昼時でにぎやかく、元気に挨拶をしてもらいました。 2階が資料室で、5つの

    • 先輩方に会いにゆく  ~発掘された日本列島2022 見学記

      現在開催中の文化庁「発掘された日本列島2022」展。例年、新しい発掘成果などを展示する「速報展」の意味があり、全国を巡回して開催されますが、その中に特集企画の展示があります。今年も「我がまちが誇る遺跡」として3つの事例が紹介されています。そのうちのひとつが、わが富士見町の「井戸尻遺跡群」。 記録的な速さの梅雨明けで猛暑に見舞われている7月1日に、埼玉県立歴史と民俗の博物館に見学に行ってきました。せっかくの機会なので何か感想を、と思ったのですが、結構皆さんがあちこち

      • 土偶との生活?

        土偶というのは、縄文時代のほぼ全期間を通じて、列島各所でつくられていた粘土の人形(ひとがた)の総称です。時代や地域で違いはありますが、その多くが女性を象っているとされてきました。土偶が何を表現しているのか、どんな性格を帯びているのかについては正直はっきりとわかっていません。 土偶の多くが壊れた状態で発見されることから、意図的に破壊されたものではないか、という点も古くから指摘されてきました。様々な解釈がありますが、私は少なくとも縄文中期の、井戸尻文化の土偶は「意図的に壊されて

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