設備保全とは?仕事内容や大変なこと、メリットなど詳しく解説

こんにちは。小松ヒロと申します。今回は、私が5年間経験した工場の設備保全について解説していきます。本記事では、これから、工場で働く新入社員や転職して設備保全の仕事に就く方に向けて設備保全のリアルをわかりやすくお伝えできればと考えております。

1.設備保全の主な仕事内容とは

設備保全とは工場にあるロボットやコンベアなど生産に必要な設備の修理を担当する部署になります。修理といっても大きく下記の3つの項目に分けられます。

・事後保全

・予防保全

・予知保全

順番に解説していきます。

事後保全

事後保全とは、設備が故障し動かなくなってしまったときや、生産能力が低下してしまった場合に原因を究明し対処することです。仕事の5割は事後保全といってもいいでしょう。下記に例をあげると、

・コンベアが急に動かなくなってしまった。

・ホースが切れてしまい、油がもれてしまった。

・ロボットの動作スピードが遅くなってしまった。など

上記のような異常に対し、オペレーターから修理の依頼が入り、

原因調査→処置→試運転を行い、設備を正常に稼働できるようにします。

予防保全

予知保全とは、設備を継続的に稼働させるために、点検、修理、部品交換の計画をたてて定期的にメンテナンスを行うことです。予防保全のメリットは設備が故障する前に修理をするため設備停止のリスクが減り、設備の高寿命にもつながります。

例)

・毎年、バッテリーの交換を実施する。

・チェーンの劣化を点検する。

・以前に発生した故障に対して定期点検を行う。など

予知保全

予知保全とは、設備に設置されているセンサーからデータを集め、リアルタイムの状態を監視します。センサーによって集めたデータを分析することによって設備の劣化の状態などを把握することができ大きな故障を未然に防止することができます。

予防保全との違いは、予防保全では実際に、1年に一回自分たちの目で確認をしなければ状態を把握できませんでした。しかし、予知保全では、離れたところにいてもセンサーがデータを送ってくれるため、設備の状態をつねに把握することができます。

そのため、近年ではIoTを駆使した、予知保全の活躍が期待されています。

例)

・振動計を通してベアリングを状態を監視。

・センサーから油の状態を監視。など


上記3つの保全業務のほかに、予備品の管理や改善業務、QC活動、修理作業の履歴管理など仕事内容は多岐にわたります。ただ壊れた設備を修理するだけと思っていると、仕事の多さにビックリされると思います。

2.設備保全の仕事で大変なこと

設備保全の仕事で大変だと感じることは、主に3つあります。(私の個人的な感想です。)

・覚えることが多い

・作業が危険

・修理中は煽られる

順番に解説していきます。

覚えることが多い

設備保全の仕事はとにかく、覚えることが多いです。設備を修理するうえで、機械的、電気的、油圧空圧、電子などさまざまな知識が必要になります。短期間の研修で全てを習得するのは、ほぼ不可能と言っていいでしょう。

また、新技術の発明により常に勉強をしていかなければなりません。私も、6年目ですが、分からないことが今でもたくさんあります。ベテランの保全マンからも「そうなのか〜」「初めて知った」などの声もよく耳にします。

設備保全に配属が決まっている方は毎日が勉強だと、覚悟しておいてください。

作業が危険

修理中には、さまざまな危険な要因があります。例を下記にあげると

・高所作業をしなければならないが安全帯をかけるところがないため、落下したら怪我をする。

・操作ミスで200キロの重さの鉄の塊が倒れてくる。

・400Vの電圧に感電しそうになる。など

工場に勤めていると業務中の軽い怪我や重大な怪我の労働災害が発生している通知を目にすると思います。設備保全の業務で労働災害が発生した際には、骨折や後遺症が残るもの、死亡災害など重大な災害が多く発生します。

私の同僚にも指が数本切断されている人や、腕を挟まれ複雑骨折をしている同僚がいます。それだけ危険な職場であるということを忘れないでください。

修理中は煽られる

オペレーターから修理依頼があった際は、1分1秒でも早く修理を終わらせなければいけません。工場で製造している商品にもよると思いますが、私の工場では1時間設備を停止させてしまった場合、数億円単位の損失がでると言われています。そのため、設備が稼働できるまで徹夜をして修理を行うことも・・・

さらに急いで修理を行なうため、安全性を無視してしまうことも多々あります。自分の体は自分でしか守れません。安全第一を決して忘れないでください。

また、平日の稼働している日に予防保全ができないため、休日出勤が増えます。ワークライフバランスを大切にしたい方には向いていません。

3.設備保全で働くメリット・やりがい

設備保全では、大変なことも多いです。しかし、反対にやりがいやメリットを感じることも多々あります。

・スキルや知識が身に付く

・感謝される

順番に解説します。

スキルや知識が身に付く

設備保全の大変なことで「覚えることが多い」と記載しましたが、逆に大量のスキルや知識が身につくというメリットでもあります。これからの時代、工場も自動化が進んでいきます。そしてオペレーターの人数も減っていくことでしょう。自動化がすすむと設備が増えるため、自然と設備保全の需要も増えていきます。しかし設備保全のスキルは一朝一夕で身につくものでは、ないため希少性の高いスキルといえます。

また、設備保全をするうえで、たくさんの資格を取得することができます。フォークリフトや高所作業車、クレーンや玉掛けなど、会社が取得させてくれるケースが多いです。

知識やスキルが身につくことは設備保全の大きなメリットといえるでしょう。

感謝される

設備修理の依頼があり、修理を完了すると、「ありがとう!」「助かった!」などオペレーターの方から感謝の言葉をもらいます。感謝をされるともっとスキルや知識を増やすため自然と自己啓発に励めます。仕事をすることによって人から感謝されることに大きなやりがいを感じ、この仕事の好きな部分でもあります。

4.まとめ

いかがでしたか。設備保全は大変なことや、勤務形態が悪いなどのデメリットもありますが、スキルや知識をたくさん身につけることで人から感謝される仕事です。これから設備保全になられる方は大変で苦しいことばかりに目を向けずに自分のレベルアップのため、人のためと思い頑張ってください。

工場は安全第一です。このことを忘れずに日々、励んでください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?