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最近、冬の匂いがした。


時刻は早朝4時半、東洋一の歓楽街、歌舞伎町。

僕は欲望が目まぐるしく回るこの街で、御縁がありBARのオーナーをしている。

というのも元々BARの店長だったところを仕事を評価してもらい、先月から経営権を貰ったので、新米経営者だけど。

BARから最寄りの西武新宿駅までの200mほどの一本道、平均1.2人が毎日倒れてるようなカオスなこの道を歩いている時にふと、冬の匂いがした。

言語化能力が著しく無いので説明はできないけど、物心ついた時からずっと嗅いでる匂い。

この匂いを嗅ぐと失われてた記憶の断片をふと思いだす。

親友と一緒に登校してた朝

日が昇ってないのにチャリンコ漕いで部活に向かった朝

告白して振られて夜ねれなくて1人ふらふらしてた時

毎日バイトと学校に明け暮れて半分寝ながらも駅に向かってた時

社会人になって、先輩の接待でクラブにいって気づけば先輩がいなくなってて、お金がなくて、タクシー乗れないから2時間かけて歩いて帰ってた時、、


なんだか色んな思い出が蘇る。

この現象を世界一長い小説と称される「失われた時を求めて」から語源とするプルースト効果というらしい。僕もこの小説はとても好きだ。



ふと思い出したその記憶の断片達を客観視すると、ああ、昔の俺頑張ってたなあ、、など思う。

早朝で眠いなか、でもどこかこの冬の匂いにドキドキしながら、目先の何かに向かって頑張ってた。


今はどうだろう、最近では自営業者となり、考えることも増え、死生観について考えるようになり、時折、希死念慮に苛まれてる時が多い気がする。

1年前、親も親戚も職場も全部裏切って、みんなの言う「普通」を打ち破った。

ニーチェ先生の言葉を借りるとするなら「超人」になった瞬間だったんだろうな。

でもやっぱり今でも、親や親族の描いてたエリートソムリエルートから投げ出したことをひたすら色んな人から怒られる夢をみる、先日も見た。

最近は深い眠りをした記憶があまりない、気づけば数字とか倫理とか死生観とかを考えてる気がする。まあ、先月の収益50000円くらいだったしね、笑




そんなことを考えてて気づけば駅の前についていた。

一瞬、はっとしたあと、また冬の匂いがした。


その時、さっきまでの重苦しい考えからあるポジティブな考えに変わった。

僕の頑張ってた過去の自分はその当時、俺頑張ってるなーとは思ってなかった。

その後に結果や自力に変わったのを今の僕が知ってるからあの時頑張ってよかった昔の自分偉いとなっていたのだと。

現状、考えことが沢山あって辛い時もある、いやむしろフルタイム病んでる気がする。

でもいつか、何年か先の、またこの時期に、

このような冬の匂いがして、22歳の時の俺大変だったけど頑張れて偉いなと思えるように、頑張ろうと思った。

過去は変えられる。

西野さんのこの言葉、俺は好きだ。

今月は過去歴代最高の売り上げペースで来ている。

明日もやっていこう。

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