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西遊記〜83日目〜

この日は自由行動の日にした。

午前中にはしょぼい商社で頼まれていた、
チーズやポルチーニ茸を購入。

久々のマルシェはいつも通りでなんか感慨深かった。

行きつけのマルシェがあるのだが、そこは日本人が経営してる店でポルチーニをおまけしてくれるなどした。

午後はウフィツィ美術館へ。

私、こう見えて西洋芸術が大好きなんです。
いくつか好きな絵画をご紹介します。

ボッティチェリのプエマヴェーラ

春をイメージした作画なのだが、
いかんせん自分には夏っぽいニュアンスが強いなという感想。

やはり、ボッティチェリといえばコントラストの表現が素晴らしいなと思う。
中央のヴィーナスがとても美しく映る。

さらに豆知識なのだが、
ヴィーナスの左の3人の女性、
それぞれ左から

「愛欲」「純潔」「愛」
を表現している。

中央上にはキューピッド(エロス)が目隠ししながら矢を放とうとしているが、
その矢の先には純潔に向けられている。

これは愛の不確かさや、負を意味している。

キリストの洗礼
ヴェロッキオ

こちらの作品は
レオナルドダヴィンチの師匠、
ヴェロッキオの作品。

この作品のテーゼは
洗礼者ヨハネがキリストに洗礼している一連を表している。

にもかかわらずだが、
本作の中心は誰なのかと疑いたくなるのがこちらの2人の天使。

全体的に見ても、キリストやヨハネよりも謎めいた魅力や光沢の意味でも一際目立っている。

実はこの天使の部分だけ、レオナルドダヴィンチが筆入れしていたのだ。

この絵を作り終わったあと、ヴェロッキオはレオナルドより才能が劣っていると認め、筆を置いたという。


受胎告知
レオナルドダヴィンチ

私が1番好きな絵画である。
これを語るのをとても長くなるが、
まずはルネサンスの基本中の基本、
遠近法についてだ。

この絵は奥の山に向かって完璧な遠近になっており、
山は男性を表す象徴として、キリストのことを表している。

なお、この作品でレオナルドが発明したのは空気遠近法である。
遠近法だけでは距離の遠近の調整は難しかったのだが、遠くにあるものは空気が霞んで見えるというのを発見し、ここで発揮されている。

この作品では絵画芸術としての禁忌に触れており、
それはなにかというと、天使ガブリエルの羽を白で書いてあるところだ。

これまでの絵画では天使の羽は虹色で描かねばならなかった。
だが、レオナルドはこの目で物理的に見たものしか信じないという断固たる理論があり、
初めて天使の羽がリアルにかかれているのである。

さらに聖母マリアの顔を確認すると、
繊細な顔立ちに、受胎告知に対して驚きの顔を表現している。
だが、モナリザにくらべると何処かまだ表情が硬い。

何故、レオナルドの作品はここまで繊細なのかというと、特徴として筋肉があげられる。

微笑み一つの対する観察力が凄まじく、
それによって人間らしいリアルに繊細な笑みを表現している。

さらにいうとマリアの手の動きも注目したい。
ここまで繊細で滑らか手をしているのは他の作品では見られないだろう。
着ている服だけで下半身を描いているのもとても繊細だ。
布の滑らかさまで綺麗に表現している。

そして、一点注目すべきところがある。

それはマリアの右手だ。
よく見ると異様に長いのだ。

近年までは、レオナルドの処女作ということもあって作画ミスだろうと思われていたのだが、
師は完璧だった。

是非皆さんも見に行った時に
右下の角度からみてほしい。

この絵は元々左上に飾ってあった絵であり、
レオナルドはそれを計算にいれて、右下から見た時に作品が完成するように作られたのではないか?
と近年の研究でわかっている。

なお、この角度からみると遠近法がよりわかりやすくなっており、吸い込まれるように山に向かっている。

とまあ、他にもこの絵について語ることは沢山あるのだがこのへんで。

絵画、素晴らしいので皆さんも是非足を運んでみてください〜!

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