マガジンのカバー画像

Poem 333

56
ブログ・電子書籍・コンクール入選・・・既発詩から厳選して採取採集。
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

咲いては散りゆく式

見下ろしていた 窓からノスタルジアになる前の   笑み と 涙 眺めていた 改めて見ると、目新しくも見えた   見慣れた すべて   グラウンド 向かいの校舎 職員室 屋上のタンク 雲のない空 伊吹おろし 見惚れていた その存在感   最後の最後まで多くの心に咲き続けていたその雰囲気 呼ばれて降りていく いつもと変わらぬ無邪気     後輩に囲まれる姿が 誰よりも眩しかった いつのまにこんなとこまで来てしまったの あっという間の別れの日 君と逢えたことで    何

かかってこい、桜がすべて散ろうと。

数えきれない夢の中から 数えきれるほどの目標を定めて走る 人波から離れて努力に耽ることも 努力から逃げたくて人波にまぎれることも しかしながら、どこにいてもちらつく努力 近道だと思っていたら回り道だったということ 回り道だと思っていたら近道だったということ 振り返るまでわからない  その失望 この感動  ありとあらゆる感慨 季節が変わろうとも 諦められない夢がある 時代が変わろうとも 捨て去れない目標がある だから 今日も僕はこうして何かしら綴っているんだろう 今日も君

忘れても、忘れても、忘れられない日

忘れることはない。 毎年、この日が近づくと必ず思い出す。 忘れることはない。 忘れても、忘れても、思い出す。 忘れても、忘れても、思い出さざるを得ない。 毎年、毎年、これからもずっとそうだろう。 何をしていたのか、あの日。 どこで何をしていたのか、あの日。 一人一人が思い出す。 何をしてきたのか、あの日から。 どこで何をしてきたのか、あの日から。 一人一人が振り返る。 この日が近づいてくるたびに 忘れていたことを思い出したり 忘れてはならないと、誓いを新たにする。 そ

われわれはどこかへ向い われわれは何者かになり われわれはいつかに応える

あぐねていたんだ   おわらせるタイミングを あぐねていたんだ   おわらせるシーンを あぐねていたんだ   安っぽいありふれた「 孤独 」で あぐねていたんだ   のんきに、実にのんきに あぐねていたんだ   そしたらやってきたんだ あぐねていたんだ   ふいにその日が 何もかもが    流     さ     れ     た 何もかもが    な     く     な     っ     た なんて ことばで括れるほど抒情的でもないし、完結的でもない む ご