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あなたは今幸せですか?

『ハピネスカーブ』人生は50代で必ず好転する

この本の主張をざっくりまとめると、人が幸福に感じるものは人それぞれで個人差要因も大きくて一意にはならない。けれども、人が感じる幸福度を時系列でプロットすると、それはU字カーブを描くことが判明した。なので、人は40代後半から50代前半にかけて幸福を感じる度合いが最低に近づき、それ以降は徐々に幸福感は増加傾向に転じるということらしい。しかもこれは人に限らず類人猿であるチンパンジーでも同様であるというから驚きだ。

このハピネスカーブの理論から言うと、40代の働き盛りは客観的に見ればイケてるはずなのだが、自分の中では理想の自分像とのギャップに悩み、少しも幸福でないと感じ、むしろ鬱などを患う危機的な状況に陥る可能性があるそうだ。筆者はこれを「中年の危機」と呼んで警鐘を鳴らしている。ということで、この現象を知っていれば、無駄に悩むことなく、まあみんな勝手に落ち込むことがあるんだよな。50代になれば、今の状況が好転しなくても幸福の感じ方は上がるんだよなということを知ることで、「中年の危機」を乗り切ることができるようになるそうだ。

で、この手の話は、そんなの言われなくてもそうだと思っていたよ。暇だね〜わかりきったことを一々調べるなんてと言われればそうかもしれないが、なんとなくそうかもと思うこともしっかり調べて理論にまで持っていくという研究行為いわゆる経験的法則を科学的アプローチで実証する研究は尊いものであり、価値があるものである。

まずは、観察から入り、それを統計的に処理し、再度それの結果の確からしさを観察を持って明らかにしていく。帰納と演繹を繰り返すことで理論化していく。本書の中ではこのアプローチと過程が誠実に書かれており、とても好感が持てる。

ただ、日本にいる日本人は、幸福に感じる度合いが他の先進国よりも低いという調査結果もあるので、果たして日本人のハピネスカーブがU字を描くかどうかはちょっと疑問ではある。もしかすると、下がるだけ下がって、そのあとは横に伸びたままの低空飛行かもしれない。

自分はどうかといえば、確かに最近は感謝することが多くなってきていると思う。何事も肯定的に捉えるようなマインドが昔と比べて強くなっているとも感じる。やはり周囲の方々に活かされている自分ということを感じられるようになることは大事だと思うこの頃である。

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#帰納と演繹



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