ふざけていたけど実は本当に修論を捧げたい人がいる話
「修論の謝辞で夫への感謝を綴るには今年中に結婚しなきゃ!」
なんて台詞で、これまで何回ふざけたか分からない。大学院の同期が学生結婚をしたこともあり、独身組の中で幾度となく繰り返されたジョーク。誰かがこの話題を出す度に、けらけら笑う輪の中で私は一人の友人のこと、そして大学院への進学を決めた季節を思い出す。
彼が病でこの世を去った4回生の春。あれからもう3年が経とうとしている。
2019年の4月28日。国家公務員の一次試験を終え、スマホの電源を入れた。LINEのメッセージが表示