書評『令和ヒットの方程式』台本
博報堂DYグループコンテンツビジネスラボ
『令和ヒットの方程式』PODCAST
この本を手に取ったきっかけは、令和とヒットというこの2つのキーワード。実感的にもヒットの方程式が時代とともにどんどん変わってきてて、その変化のスピードも上がって方法論も多彩になってきてるなと。こういう本を読んで、今からヒットさせるためにこの方程式に当てはめても絶対ヒットしないと思ってるけど、その歴史を学ぶことでやっと現在っていうスタート地点に立てるのかなと思ってる。
最近、主に演者のほうだけどSNSをバズらせてきた人たちとご飯を食べることが多くてすごく勉強になるし、正直面白い。確実にSNSに特化することで作れる未来があると思う。だからこそSNSの最前線だった情報は定期的に取り入れていきたい。
早速中身を読んでいくと、この本は令和のヒット法を出す前に、過去から現在までの歴史を紹介してくれる。
この3つの視点で語られる本なんだけど、テレビ時代の話とCMタイアップの話とかそのへんはもう知識としては知っておいたほうがよいと思うけど、ここで話すと時間の無駄だと思うので割愛して、一気にYouTubeの誕生まで飛ばします。
そうYouTubeが出てきて、そしてSpotifyなんかのサブスク音楽配信アプリが出てきて、明らかに再生回数が楽曲評価の指標になってきたのは感じる。あと音楽との出会いの場が、音楽だけでなくYouTubeという動画とともに出会うことが増えた。そして企業のCMタイアップは多くあるUGCのひとつになった気がする。UGCっていうのはこの本で語られる令和のヒット法則の最大の重要キーワードで、User Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)の略。代表的なのでいうと、踊ってみた、歌ってみたなどなど。だから大きな枠組みでいうと企業CMタイアップもこういったUGCの一種になったなと僕は思う。そしてそれはたて型動画になるとさらに加速する。
ショート動画の時代、誰しもがクリエイターになれる環境の中で、紹介する動画などのBGMとして使いやすい曲、そのときの感情や雰囲気を表しやすい曲そして、サポーキのアルゴリズム攻略法のひとつとして、人気の音楽や流行りの曲を使用するとおすすめに乗りやすくなる傾向があると言われている。こうして、自らの動画に「みんなが使っている曲」を使うことで、バズるコンテンツが生まれる。つまり、UGCがUGCを呼び、音楽が広がっていくのだ。熱量の高いファンを獲得して、「使いやすい」「遊びやすい」「真似をしやすい」という TikTok のヒット法則を押さえた乃紫というアーティスの事例を見てみよう。
この曲は本当に革命的だなと思っていて、とにかく使いやすいし、TikTokに投稿するユーザーの自己承認欲求を満たしやすい。どっから見ても可愛いでしょというわかりやすいメッセージと、逆に自虐で使える面白さもある。ダイスの『I wonder』とかも近いのかなと思ったり。お次はimase。
確かにこれは合理的なやり方だと思う。伝えたい、やりたい音楽をやるためにアーティストになるというよりも、もはやマーケターのような感覚というか。まあでも売れないと面白いことができない現実もあるなとも思う。さいごはtuki.。
この「1秒キャッチ」的なものが縦型、ショート動画ではすごく大切になる。ショート動画時代は時間との戦いで、プラットフォーム側から最も評価されるのがリスナーの「滞在時間」。だから、この最初の1秒のつかみはめちゃくちゃ大事。
この本を読んでみて一番感じたのは、自分にとっての経営者としての比率が年々上がっていく中、プレイヤーとして絶対になくしてはいけないアイデンティティーが僕にとってはこのSNSからヒットを生む意識、知識。最新のSNSに触れることは絶対になくせない。どんなに大きな企業になったとしても、SNSへの感覚だけは自分のアイデンティティーであり、基本姿勢なので、そこは無くさないようにしようと思った。