在日米軍基地病院 fellowship受験(スケジュール編)

2024.6月追記 実際にフェローシップを終え、面接を行なった側の意見も追記しました。後半は私の個人情報が入ってしまうため、受験を考えている方向けに有料とさせていただきましたが実際に面接で気をつけなければいけないこと、私が面接を受けた際に聞かれた質問などを記載しています。

 米軍基地病院のフェローシップとは?

在日米軍基地病院(いわゆる海軍病院、最近は空軍病院もあるためまとめて米軍基地病院というらしいです)のfellowshipは臨床留学を意識している方はよく耳にするかも知れません。fellowshipでどんな1年間を過ごすのかはネット上に落ちていますが、詳しい準備などを書いているサイトはないため自分が準備したことや困ったことをシェアしようと思います。

米軍基地病院は横須賀、沖縄、三沢、横田、岩国、今年から佐世保がフェローシップの募集を開始し、歴史としては横須賀が70年近くと1番古い米軍病院です。英語の勉強だけでなくアメリカの医療や文化を学ぶことができるほか、一応U.S. Crinical Experienceにもなります。

米軍病院のフェローは全国から優秀な先生方ばかりが集まり、その中で毎年競争率がかなり高いです。おそらく留学を考えている方/された方は理解されていると思いますが、全ては情報戦&周りの方に如何に助けてもらえるかがKeyだと思います。自分で切り開ける人はほんの一握りだと思ってますが、私にはそのような力はなく幸いにも周りの環境に恵まれ1年間横須賀でのフェローシップを行うことができました。

準備期間

私は半年間で準備しましたが、自己紹介で述べた通り純ジャパ、留学経験もないので準備すらもかなり大変でした。そのため面接の模擬練習などにあまり時間を割くことができず、面接を終えてから悔しい思いをしました。英語が苦手な人でどうしても在日米軍基地病院のフェローシップにマッチしたいという人であれば、出来れば1年ほど準備に費やしたほうが良いと思います。まだ私自身マッチしただけで実際に働いていないので偉そうなことを言うつもりはありませんが、上記の理由から来年受験を考える人は今からでも準備したほうが良いと思い、情報をシェアすることにしました。

実際にフェローシップを終えてみて:やはりどれほど優秀な人でも、半年は準備に時間を費やしていると思います。そもそも医学生の頃から海外留学を目指していて、、、という先生方も多く、特にPGY3でフェローに来たい人はかなりのアピールが必要になるため準備機関は人それぞれです。

私が受験した際のタイムスケジュール(2022年)

2021年12月:外科の修練が始まり3年が経とうとして、執刀件数も1000近くまでなってきたことからその後のキャリア形成に悩み始める。現在の病院では救急指導医、外傷専門医を取得することはできず、日本で専門医取得のために職場を変えるか検討していました。外傷症例を集約している大学病院やhigh volume centerに異動するか、執刀数も少なく果たしてそれで“自分は外傷外科医です”と自信を持って言えるようになるのだろうか、、と悩みました。

と、悩んでいるところたまたまTwitterでフォローしていた先生に失礼ながらもダイレクトメールを送り、臨床留学について相談してみました。匿名のよくわからない奴からの連絡に対してまともに取り合ってくれるわけがないだろうと思っていましたが、お二人の先生からすぐに返信をいただき、Backgroundが近い先生から「鉄は熱いうちに打てです。すぐにZoomでお話しましょう!」と言ってただき、12月6日にZoomで2時間近くお話を聞かせていただいた。そこから臨床留学の挑戦が始まりました。


〜2022年2月:妻が産休に入り実家で過ごしたため、週末は1-2週に1回遠距離を新幹線で往復、平日は24時間外傷オンコール+消化器外科緊急opeオンコールをしながらUSMLE Step1の勉強を始めました。多いときは週3回ほど緊急があったり、日曜なども立て続けに3件ほど手術+IVRなどがあります。だいたい21時に帰宅、2時くらいまで勉強、7時に出勤の毎日でしたがStepも1〜2問/hでしか進まず。こんなことで本当に受かるのだろうか、、、と思い始めました。

半分諦めムードになっているときに、たまたま指導していた初期研修医の子の知り合いに横須賀米海軍病院でフェローをしている同級生がいると教えてもらい、
藁にもすがる思いでつないでもらいました。その後もう1人の横須賀フェローで外傷外科を目指している先生ともつながり、2月15日にZoomでお話を聞かせていただきました。現在の職場環境からUSMLEの勉強+海軍病院へのApplyを両方するのは難しいと考え、海軍病院のマッチング1本に集中することに。

(行ったこと)

・医師免許証、卒業証明書などの発行手続き→1ヶ月ほどかかりました。

・TOEIC,CASECの勉強開始

・Camblyを登録


3月:子供爆誕 笑。3/26-4/2にパパ育休というものを取得しました。この間も英語の勉強はしていましたが、妻から「あなたは何休暇とってるの?」と脅される。TOEICの勉強をしていたが、結果発表がExternshipの締切に間に合わないことに気づき、CASECに切り替えました。TOEICは合間を縫ってabceedというアプリで勉強していましたが、この時に確か予想得点が780くらいだったと思います。

4月:4/10にCASECをなんとか乗り切りました。推薦状を大学教授(両方とも救急でお世話になった日本人の先生)にお願いする。英語力は壊滅的であったため、とりあえず横須賀、沖縄、三沢、横田、岩国の全軍攻めをすべく書類を準備しました。


CASECは10回程受けまたが、プライム会員登録を行いtotal 17,000円ほどの出費であったためTOEFLなどを受けるよりは格安で挑戦できます。応募資格としてLPL3以上が求められますが、明らかにTOEICかCASECで狙ったほうが効率がよいです。




書類作成については、はじめから自分の力だけでCV/PSなど作ると鬼のように苦労すると思います。私は前フェローの先生のものを頂けたため、それを自分なりにアレンジする形で作り、最終的にEditageなどで校正をかけました。

4月30日:岩国現フェローの先生とZoomでお話を伺う。

5月1日:横須賀Externshipに申し込み。(提出期限は5/1〜6/15)すぐに埋まると予め聞いていたので、5月1日のAM8:00にメールを送信しました。案の定募集開始当日に50人以上の申込みがあったと聞きました。

5月4日:現フェローの先生から返信をいただく。また詳細後日に送りますとの内容だった。おそらくExternshipは受け入れてくれそう。

5月17日:Externshipの詳細をいただく。

5月19日:沖縄、三沢、横田、岩国に今年のFellowshipの募集要項がいつ開示されるか確認メールを送る。LPLの証明もすべてCASECで問題ないことを確認する。外来の調整もあったため、面接はZOOMなのか、現地なのかを確認する。当日岩国の担当の方より返信あり。

5月20日:沖縄のフェローの先生より詳細をメールで教えていただく。

5月25日:横田からもメールをいただく。


5月31日〜6月18日まで育児休暇取得。面接の準備、Fellowshipアプライ書類準備、Noon Conference用のスライド準備を行う。


6月25日:沖縄のFellowship募集開始日が6月24日開始であったため、全軍の応募用紙をこの日に一斉送付する。


7月18日〜7月22日 横須賀Externship

8月2日 横田interview (ZOOM)

8月5日 沖縄interview(ZOOM+Microsoft teams)

8月10日 三沢interview(現地)

8月12日 横須賀interview(現地)

8月15日 三沢合格通知(来ず 笑)

8月16日 横須賀、沖縄、横田合格通知

AM9:35 横田より補欠リストにいるとメールあり。

PM4時になっても沖縄、横須賀から連絡こず。落ちたと思い次の就職先を探す。笑

PM4時半頃、手術後に病理検体を処理している際に、横須賀PDから電話で合格通知あり!

震えて泣きそうになりました。こんな僕でもチャンスはもらえるんだなぁと感動しました。

8月17日 沖縄より不合格の通知、、三沢は繰り上げ合格だったがお断りさせていただいた。

8/20 横田繰り上げ合格 

9月7日 岩国interview予定だったがお断りさせていただいた。



とりあえずタイムスケジュールとしてはこんな感じで準備しました。子育てのことで妻にもかなり迷惑をかけ、externshipや面接などで外来を他の先生に代わってもらったりなど色々な人に手伝ってもらっての半年間でした。できればオンライン英会話やnativeの人を捕まえて面接練習したほうがよかったですが、まとまった時間も取れず通勤中の車の中、エレベーターの中、オペの導入前や検査待ちの時など時間があれば準備に充てていました。どのように準備していけば良いか想像もつかなかったので、この内容が参考になれば幸いです。

フェローシップを終えてからの追記

下記のことをよく質問いただくので、ここからは実際にフェローを終えてからの目線で再度書いてみようと思います。

  1. 実際に面接前に準備したこと

  2. 面接で聞かれたこと(受験しなかった岩国以外の横須賀、沖縄、三沢、横田で聞かれたこと)

  3. 面接を行なった側として気になったところ

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