Withコロナ時代の請求書発行業務

1、はじめに

日々の業務の中で、請求書発行は印刷から郵送まで手間がかかり経理担当者にとって大きな負担となっているケースが少なくありません。負担が大きいうえに人為的なミスによる誤配送が起きてしまうと会社の社会的信用を損なうことにもなりかねません。

本稿では取材先企業の業務課題を取り上げ、withコロナ時代の請求書発行業務について解説します。

2、取材対象企業の請求書発行業務における課題

今回取り上げるのはファミリー向け施設の企画開発コンサルティング企業(以下、A社)です。

A社の提供するサービスはファミリー向け施設の企画開発・コンサルティング業務とキャラクター商品とオリジナル商品の企画開発及び製造販売です。A社は現在2つの課題を抱えています。

第一に、請求書発行業務のリモート化が遅れていることです。現在は請求書発行業務のために担当者の出社が必須となっています。社員の新型コロナへの感染リスクを減らすためにも業務のリモートワーク化を推進したいと考えています。

第二に、請求書発行を全て書面の郵送で行っており電子化が遅れていることです。2021年10月から郵便の土曜日配送がなくなるため、請求書発行の電子化を目指しています。

請求書は一枚一枚の郵送料は小さいものの、トータルで考えると大きなコストとなります。コスト減の一環として請求書の電子化は急務の課題でしょう。

3、現在の請求書発行業務の流れ

請求業務の進め方ですが、現状ではエクセルを利用して請求書を作成しています。その後、印刷して三つ折りにし、封入・封かんします。各々の作業は手作業で行わなければならず非常に手間がかかります。しかも、印刷の際に紙詰まりが起きたり、三つ折り機が不調ということもあります。この場合はさらに時間がかかっています。

内部統制上も承認フローが必須です。管理職の押印による承認というフローは前時代的で改善が急務といえます。

月初の1営業日中には必ず投函しなければならないことを考えると、毎月綱渡りのような状態で作業しています。

4、請求書発行業務の課題に対する解決案

第一に、画面上から請求書を送付できるクラウドサービスを利用して請求書発行業務をリモート化することです。クラウドサービスを導入すれば社員は自宅で作業を行えます。

しかも、請求書が電子化されるので郵送費用を削減できます。クライアントの中には大口顧客を中心に紙の請求書が送られてくるのを煩わしく感じていて、メールによる請求書の配信を希望するケースも少なくないはずです。

ただし、システムの切り替えに際してはクライアントのメールアドレスの収集が必須です。クライアントに請求システムの変更を連絡する際には、使用イメージを持ちやすいようにログイン画面のキャプチャーなどを付けるとスムーズでしょう。

第二に、郵送とメール双方に対応した請求書発行システムを利用することです。クライアントの中には会社のルール上、WEB明細書への切り替えが難しいというケースもあり、全ての請求書を電子化するのは難しいかもしれません。

5、最後に

新型コロナウィルスは我々の生活様式を一変させましたが、それと同時にビジネスのあり方も大きく変えました。

請求書発行業務も例外ではなく、業務のリモート化が求められています。リモートワークの推進に際しては「この業務の目的は何か?」と自問自答しつつ変革を進めたいものです。

こうすれば業務の本質的な部分を維持しつつ枝葉の部分をリモート化できるでしょう。請求書発行業務もwithコロナ時代に合わせてアップデートしていきたいものです。

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