見出し画像

高円寺カレーライス

上京して間もないころ、娯楽としての銭湯があることを知った。

有名な温泉施設ならまだしも、地域の銭湯に「楽しむため」に行くという感覚がなかった。しかしこれがなかなか素晴らしく、入れば気持ち良く出れば酒が旨い。値段もお手頃で、ちょうどよい時間つぶしにもなる。

銭湯に細かい良し悪しがあるのを知ったのもこの時だ。

銭湯へ行くきっかけとなった友人二人とは、風呂部と称していろんな銭湯を見つけては情報交換をしていた。我々が思う良い銭湯は「水風呂がある」「アメニティが無料のものが多い」「風呂から出たあとの良さ(“ととのい”という言葉はこの時知らないが、そのようなことを指していたと思う)」等が条件であった。これを適える銭湯は案外少なく、あれから数年経っていろんなところに足を運んでいるものの、いまだに数ヶ所しかない。ただ、これはあくまでもサウナよりも銭湯を重視する場合であって、サウナ施設として良いところはもっとたくさんあると思う。最近この「銭湯を中心にみる場合と、サウナを中心にみる場合で良さの基準がかなり変わる」ということに気付いて、本当にしょうもないことだけ人生積み上げてきたなという気持ちになった。

話を戻して、今も昔もマイベスト銭湯は高円寺「小杉湯」である。

ここの唯一悪いところは人気過ぎて混んでいることだ、と言えるくらい素晴らしい銭湯だ。上記の条件は当然クリアし、日替わり風呂はオリジナリティに溢れ、アメニティのクオリティがおかしいほど高く、銭湯を出れば各地のクラフトビールが取り揃えてある。最近は朝風呂もはじめるわ、休憩所専門施設を隣に建てるわ、バカなの…?と思っている。

あまりに通いすぎて、近くの飲み屋の店主に「これから小杉湯スカ?」「いま小杉湯帰りなん?」などと声をかけられるようになってきて、いよいよ恥ずかしい。だがやめることができない。見かけてもどうかそっとしておいてください。

ところで今日は「銭湯・サウナで漏れ聞こえたババアのヤバイ話2019ランキング」を書こうと思ったのに、すでに小杉湯への愛で長くなってしまった。次回書くとして、飯の話をしたい。

小杉湯と同じくらい長く好きなカレーがある。高円寺「豆くじら」のカレーである。

元々よく通っていた「くじら」というカレー&バルの店主だった方がオープンさせたカレー専門店。その後、オーナーが変わったり間借りカレー形態になったり…と紆余曲折あったのだが、最近元の店主の店に戻った。定期的に内容が変わるカレーはどれもおいしく、オリジナリティに溢れている。特に麻婆キーマカレーは、ちゃんと「麻婆」らしさと「カレー」らしさが両立していて、とっても美味しい。納豆のカレーも大好きで、両方あるときは必ず二種盛りにする。

画像1

カレー専門店でかつ八時閉店ということもあり、夜に頻繁に行くことがこれまでなかなかできないでいた。それがなんと明日から「カレーと酒MARUSUKE」と改め、夜のカレーバー営業を始めるとのこと。美味しいカレーとお酒をまた味わえるかと思うと、本当に待ち遠しい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?