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どん底から這い上がった塾の思い出

最近、SPIの勉強をするためにペンを持つことが増えた。そこでふと中学時代の塾での出来事を思い出した。もう8年ほど前のことになるのかな。

小学校6年生の時、僕は仲の良い友達が入っているからという理由で地元で有名な集団指導の進学塾に入った。今思うと塾の授業料ってそこそこ高いのに親がオッケーしてくれたことが不思議ではあった。息子が頭良くなる投資だと思って高いお金をわざわざ払ってくれたのかな。感謝しなきゃなぁ。

そこでは、小学生の時は授業中にヌメロンやことわざカルタをやったりと楽しく緩い授業が多かった。しかし、中学生になると授業が難しくなった。遊びの時間などなく、成績を上げさせるために学校の何倍ものスピードでより難しい問題を行なった。ここでは週2回の授業があり、そのうち1回の授業は実力テストで二つのクラスに分けられた。この実力テストでのクラス分けが僕の運命を変えた。

僕は当時、学校でもその塾でもどちらかと言うと頭がいい部類にいた。当然、そのクラス分けテストでも上のクラスに行くだろうと僕も周りも思っていた。しかし、張り出されたクラス分けの紙を見ると僕の名前は下位のクラスの方にあった。正直言ってその場では悔しいというより驚きの感情の方が勝ってしまった。しかし、下位の教室に入ると仲の良い友達はみんな上位クラスの方で、中学から新しく入ってきた初めましての人ばっかりだった。この時、初めて悔しいという感情が溢れ、勝負の世界の厳しさというものを知った。

3ヶ月に一度、定期的にクラス分けテストが行われる。そう先生は言った。多分、僕の顔があまりにも酷かったからフォローのために言ったのだろう。そう感じた。僕はこの悔しさを胸に絶対に次のテストで上位クラスに上がると決め、心の中で1人で宣言した。

そして、2ヶ月半後、クラス分けテストの範囲が発表された。それから、僕は今までの勉強が勉強とは言えないほど死ぬ気で勉強した。全ては上のクラスに行き、僕を落とした先生方、落ちた僕に気を遣ってきた友達を見返すためだ。正直、この時が人生で1番勉強したかもしれない。それほど負けたくなかったのだろう。

その結果、僕は下位クラスながら上位クラスのすべての生徒に勝ち、総合1位の成績で上位クラスに上がった。これは本当に嬉しかった。先生や生徒全員の驚いた顔や褒めの言葉が快感だった。この時、この状況にピッタリな「努力は裏切らない」っていう言葉が好きになった。

この出来事をきっかけに塾の先生から認められたような気がした。たまたまトイレであった先生に「お、クラス分けテスト、トップ成績の○○君ではないか」と褒められたし、塾長に至っては保護者の方に渡すチラシにこの出来事を意気揚々と実名を載せて書いていた。改めてすごいことを成し遂げてしまったと我ながら感じた。

そこからは一度も下位のクラスには落ちなかった。しかし、高校受験には落ちた。お前なら受かるって言ってくれた先生方には申し訳なかった。高校受験の時にこの出来事のようなモチベーションがあればなと今更ながら思ってしまう。

僕はただ自分のために頑張ろうとするとモチベーションが続かないのだと思う。圧倒的な敗北や挫折に陥った時、周りから同情の目線で見られた時、見下された態度で接された時に負けたくないというモチベーションが現れるのだろう。その悔しさを燃料として努力をするタイプの人間なのである。そんな僕に向いている仕事って何なのかな。

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