MUETK.JP Nocturne 2反省
2021.12.11
2021年最大の見せ場、TDSWのキュレーションでMasayuki Azegami(以下畔上さん)といよいよMUTEK.JPに出演することになった!
アーカイブの映像はこちら。
出た感想
リハで音の入力の調整が上手くいってなかったところを修正したりしていて、出番が近づくにつれてとにかく緊張した。ステージに上る前に、畔上さんと背中を叩いて気合を入れあったのは部活の大会を思い出してとても良かった。
楽屋が用意されていたり、リハでの調整も、映像の色味・遅延、音の返り、アーカイブ用のカメラの確認とか、初めての体験ばかりで、プロの人達が集まってることを実感した。
MUTEKには見る側で何回か参加したけど、前日の会場を見たり、裏側の通路を通ったり、色んな方が準備してこの場が用意されていることを改めて思い知った。
終わった後に楽屋で書いた日記から抜粋。
❝MUTEK、VJ終わった!!頑張って準備したけど全然準備が足りてなかった。めちゃくちゃ悔しいのと情けないのが率直な感想
CGもVJも、今まで勢いだけで来てて、もしかしたらいつか痛い目見るかもって思ってたのが本当に来た感じ。細かい質感とか、欠陥のないシステムとか、日々の鍛錬しかない。石田くんすごい❞
単純に悔しかったのと、大舞台が終わって気が抜けたのもあったけど、終わった後の打ち上げもけっこうへこみ気味で参加して申し訳なかった…。
数日経って、見に来てくれた人の反応とかメッセージも素直に受け取れるようになって、冷静にアーカイブを見ることができた。
終わった1週間後にサイバー南無南無のVJがあって、その準備で色々とシステムの改善ができたのも大きいかもしれない。
けっこうネガティブな感想になってるけど、リアルの場で、大きなステージで自分の好きな映像を出せて、最後に拍手がもらえたのはめちゃくちゃ楽しかった。もっともっともっとパワーアップしたい。
振り返り
制作
今回はビジュアルのオファーがTDSWから来て、僕から畔上さんにオーディオのオファーをした。
制作に入る前に、畔上さんと一緒にオーディオビジュアルについて比嘉さんに話を聞きに行って、色々とアドバイスをもらった。
制作の流れは
作りたい映像のイメージを軽く共有→畔上さんが徐々に曲制作→全体のストーリー共有→曲制作→映像制作→曲制作→映像制作…
という感じ。
畔上さんからの提案で、Visual Thinking with TouchDesignerという本でBACKSPACEがCHAUSIE02のライブでMiroを使ってタイムラインを作っていたのを参考にして、全体の流れを考えていった。今までのVJではだいたいの流れしか考えていなかったけど、30分間どうするかが明確にできたし、制作の面でもどこが足りないがわかりやすくなった。
今回は畔上さんとイチから一緒に考えて、音と映像の双方から組み上げていけたのがすごい楽しくていい経験になった。
本番2日前にバンドマンが練習するような個室スタジオをレンタルして、一通りの流れを確認し合った。機材のチェック大事。
自分ができること以上のものを作ろうとしてしまうので準備が足りなかったのだと思う。期間内に自分ならどこまで作れるか、作りたいものが自分ならどれくらい時間がかかるのかを見極めるようになりたい。
また、自分が作りたいものを、自分が作れるものに変換するのに時間がかかっていた。作りたいものは頭の中の想像で、それからCGで可能か、そこからリアルタイムで可能か、自分の力量で可能かという工程を経ている。手を動かすまでに時間がかかっているのがネックなのかも。
内容
コンセプトはskyscraper、摩天楼のこのツイートから連想した。
最終的には最初の構想とずれていったけど、高い塔が舞台。前回のVJで出した六面男が、相棒と出会って、敵に挑むというのが大まかな流れ。
ストーリーを細かく決めると、「見せたいカット・構図」が先に来て、それを見せるために色々と加えていくけど、カメラやライトをセットすると映像として間が持たなかったり、思ったようにならない確率が高いことを実感した。
最後のクライマックスのところは、それまでが「わけがわかっていた」ら、その対比として「わけがわからんくらいぐちゃぐちゃ」が活きてくるけど、ずっとよくわからんままやと何を見せられているんだ、となる。
終わった後何人かにストーリーについて聞かれて説明したけど、自分から言葉で説明しないといけないのは全然伝わってなかったってこと。
今回は音楽が8つのパートに分かれていて、それぞれでシーンを作っていたので、全体を通してビジュアルに変化をつけられたのは良かった。
各シーンで音のHI・MID・LOそれぞれに反応するやつを置いとく、もしくはそもそもUI自体をオブジェクトが何に反応するかで分類しておくとか、そういうふうにUIを組んでおくと、プレイ中に意識しやすいなと思った。
手探りで作ったものやデフォルトの環境が自分の中の勝手な基準になっていて、それがベストから遠くなっているかもしれないというのは意識したほうがいいなと思った(適当な並びのUIで、パフォーマンスが制限される)。
色を使うシーンは、一部分がリアルになればなるほど(今回だと空の模様とか)、リアルにできていない他の部分がチープだとよりチープに見えやすい。画面全体のCGが馴染んでいるか気を配る。馴染ませるためにも、映像のクオリティを上げるためにもコンポジットやカラーグレーディングの知識が必要だと感じた。
オブジェクトの表示非表示も、スケールかアルファかスライドインなのか、不自然でないものを選択する。
全体
ステージに出たとき、どうパフォーマンスするかより自分のことでいっぱいいっぱいになった(出る前も、自分の準備ばかりで見せることに意識が向いていなかった)。
見せることに意識が向いていれば、畔上さんとどこをどう詰めるかみたいな会話がもっとできていたはず。
自分で呼んでたくさんの人に来てもらったのに、自分から会いに行かなかったり、ライブも楽しまなかったりだった(めちゃくちゃ疲れたのと、出番終わって気が緩んだのと、出来が悪くて悔しかったから許してください…)。
今まで自分で作って20分くらいVJして終わり、という経験だけで、求められている映像を作る経験がなかった。
アーティストのための映像演出でも、自分がパフォーマーとして前に出る場合でも、見ている人を沸かせるには人が求める映像、人に伝わるものを作らないといけない。今後の課題。
アーカイブを見ての反省
全体的にカメラ切り替えのボタン押すタイミングが雑すぎたけど、アーカイブは編集のおかげであんまりわからなくなってる。
以下は曲ごと
01
・最初のピ…ピ…で何もないの変
・ミゾミゾジジジ…の時もエフェクトほしいけど、せめてビーーーてなった時だけはほしいかも
・最後のピ…ピ…の時、白い玉だけでもあった方が良い
02
・風景からキャラに注目してもらうために、カメラを遠巻きからだんだん近く寄せると良さそう
・岩の影を作るためにも、岩を中心の光に寄せたほうが良い
03
・重そう、カメラが滑らかじゃない…(VJの操作ミス:湖がたくさん映ると重くなることがわかっていた)
・水深が深くなってることをアピールするなら、塔をやめて何本か柱を立てて、変化をわかりやすくしたほうが伝わりやすい
04
・低音に反応する丸を多用しすぎ、良くも悪くも目立つので出すポイントは絞ったほうが良い
・空間的に縦のライトがあることが変なので、球型のライトを作った方が良かった
・岩も流して動かす
・ほぼ1人称視点の、敵に追われてることがわかるカメラがあったほうが良い
05
・グリッドの大きさが足りてなくて空の切れ目が見えている
・ラスボスの形態問題(石田くんに木と間違えられた)
・音楽がノッてきたとこで、音に反応するカメラから、動きが少ない一定移動のカメラに変えてる(VJの操作ミス)
・かっこいいけど絵が変わり映えしていない
06
・六面男が塔から落ちてることがわかりにくい、六面男を塔から離してカメラは六面男に寄る
・塔が画面を占めすぎた
・低音に反応する丸は側面方向から見ると平らになるから周囲を回るカメラと相性が良くない
07
・カクつきすぎた(VJの操作ミス:オレンジのビームがもっと回転するようにセットしておくのを忘れていて、それをどうしても修正しようとPerform Modeを切ってしまった)
・boidsのパーティクルは消して、雨の存在感を出す
・ラスボスの形態が変わっていたり、パーティクルの量が違っていたりして、最初のシーンがここに繋がっていたことがわかりにくかった
08
・極太ビームの予定が、音に反応してなかった(カメラはHI、ビームはLOとMIDで反応するようになってたので、ビートが鳴ってなかったぽい)
・空間を回転しまくるカメラの時間が長いので、六面男が動いたりエフェクトがビカビカしたり、もっと他のことで動きを見せないといけなかった
師の言葉
比嘉さん
伝えたいものを伝える練習が必要。ストーリー重視は修羅の道。
神田さん
EnvLightはめっちゃ暗く、0.01くらいで十分。でも背景が青空の時はそれよりも大きくして虹を反射させていないと変になる。
プロフィールの文言
❝12月11日、渋谷の摩天楼へ向かうkomakinexの運命やいかに?そびえ立つ塔で待ち受ける試練とは?光の槍が降り注ぐ、怒涛のエンディングを見逃すな!❞
リファレンス
以上!!
また出演してリベンジしたい
絶対に呼んでもらえるように頑張るぞ
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