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小牧幸助文学賞|結果発表

ありがとうございます!
冒頭から感謝の気持ちをお伝えいたします。
やさしい文芸・写真の人、小牧幸助です。

2023年11月1日(水)〜11月30日(木) 23:59
に募集しました20字ぴったりで小説を書く
小牧幸助文学賞。

最終的に3,132作品をご応募をいただきました。
重ねて心からお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました!

小牧幸助が審査員として責任をもって
大賞1名、副賞2名を決定いたしました。



大賞(賞金2万円)

そして妹はプレゼントをくれた。母の日に。

小牧幸助選評
拝読してからしばらく頭から離れなくなりました。「なぜ妹が母の日に?」という魅力的な謎について自然と物語を追いかけたくなったのです。たとえば、なんらかの事情で兄妹あるいは姉妹のもとを去った母親代わりに自分を育ててくれた兄または姉へ妹が贈り物をした物語。あるいは、ロマン・ポランスキー監督の名画『チャイナタウン』で描かれる姉と妹のように残酷な関係を描いた物語。そのどちらでもないにしても、わずか20字で人と人のドラマが想像される本当に優れた小説です。



副賞(5千円)

何でも醤油を足す人よ。気づくはずないわ。

小牧幸助選評
ウィットに富んだユーモアとダークなオチが秀逸です。「何でも醤油を足す」のを知っている身近な関係性にあって、まさにその繰り返されてきた日常が、一滴ずつふたりの関係性を醤油のように黒く染めていったようすが、鮮やかに思い浮かびます。この「人」がそのまま醤油を足してしまう物語も興味深いですが、偶然にも医者に塩分を控えるよう強く言われ、醤油をなかなか足してくれないこの「人」を語り手がもどかしく思うようなストーリーも長い小説として読んでみたいものです。



副賞(5千円)

夢で妻に怒られる。この幸せが続けと願う。

小牧幸助選評
怒られることさえ幸せに感じる語り手の現実に、切なくなります。ところで、カルフォルニア大学のマシュー・ウォーカー教授は著書の中で夢を「心の傷薬」と表現しました。眠っている間に感情を再生することで心を整理するのが夢の機能だという仮説からそう述べました。本作の主人公も繰り返し同じ夢を見ることで、少しずつ夢ではなく現実に目を向けられるようになるのかもしれません。主人公の幸せをつい本当に願ってしまう、心が締めつけられるような優れた小説だと感じました。



以上、受賞者3名です。
おめでとうございます!

賞金は本日中にnoteの
サポート機能にて受賞記事へ
お贈りいたします。

こちらの作品にしぼり切るまで
正直言って途方に暮れるような
お時間をいただいてしまいました。

なにせ3千を超える作品群ですから、
1作品1分で拝読しても
50時間以上かかる計算です。

また、ご応募いただいたどの作品も
心から創作を楽しまれ、
アイデアを惜しみなく出され、
知恵を絞られた傑作ばかりで、
1作品1分で読めるわけもないのです。

全作品、少なくとも3回、
最後まで候補に残った40作品は
10回以上繰り返し読んだと思います。

クリエイターのみなさまの
創造力を身にしみて感じました。
何度も何度も言ってしまいますが
本当にありがとうございました!

そして小牧幸助文学賞は
レギュラー部員のみなさま並び
サポートをくださったみなさまのお力

成り立っております。

あらためまして、
みなさまにお礼を申し上げます。

・20字小説を楽しめた!
・小牧幸助を応援したい!
・文芸活動を盛り上げたい!
という方がいらっしゃいましたら
ぜひレギュラー部員にご参加ください。

みなさまのお力添えで
また資金がたまりましたら、
今後もシロクマ文芸部部長として
新たな文芸企画を催して
いきたいと思っています!

今年も年の瀬ですが
これからもシロクマ文芸部ならび
小牧幸助をよろしくお願いいたします!

ではまた!




いただいたサポートで牛乳を買って金曜夜に一杯やります。