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工芸品を見て心が震えた事

たまたま寄った、そごう横浜店。たまたま通った8階で、やっていたのは「日本の職人芸展」

見る気はあんまりなくて、目的のお店に向かって歩こうと思ってたんだけど、出会ってしまったのが、千葉県のビーズ細工/柏ビーズさん。

ちょうど通路の通り沿いに出ていて、人混みでなんだか賑わっていた。ちらっと見ると、すごく色鮮やかなデザインのお財布と小銭入れ!綺麗で可愛くて、繊細!なんて素敵な作品なんだろうと、びっくりして、思わず立ち止まった。

店頭で販売されていた私好みなお財布

ブースではおばあちゃんが作りかけの作品を制作しながらお客様との会話をしているのを横目に、もっとじっくりと、どうやって出来ているのか見てみたいと思い、手近にあった小銭入れを手に取った。
ビーズはキラキラしていて、とても綺麗。糸の縫い目なんかは見えていない。触ってみても、簡単にビーズが動かない。ただ単にビーズを布に縫い付けるだけなのか、何か接着剤でくっつけているのかしらと疑問に思いつつ、反対側の横に移動。

今度はお財布を手に取ってみると、意外と軽くて財布は開けやすい。こんなに綺麗なのに、実はしっかり実用品なのかと思いつつ、値札を見ると…さすが百貨店ですね!一点物の手作り品はお値段も一級品ですよ。手に取って見たお財布はそっと、大事に箱に戻しましたとも。

ちょうどその時、おばあちゃんが自作のお財布を出して、「私のお財布、もう10年くらい使ってるのよー。開けやすくて良いわよー。」とガバっとお財布の中身を見せている! 目の前にいたお客さんも笑って「小銭も沢山入りますね。」なんて言っていたから、おばあちゃんのお財布には小銭が沢山入っていたんでしょうね。

そのお客様がいなくなったのを見計らって、おばあちゃんの目の前へ。おばあちゃんは私に、今作ってる作品はオーダーで作成されている事、もう数ヶ月ぐらい経過していること、秋に注文をいただいて、撫子の花を淡い色で作っている事なんかを教えてくれた。

それでさらに興味が湧いた私は、どうやって作っているのか、デザインはどうやっているのかなど質問してみる事にした。デザインは自分で考えたオリジナルなこと、ビーズは数粒ずつ針で取って、縫い付けるだけとの事だった。出来上がった見本も置いていて、「裏面はこうなるのよ」と教えてくれた。

オリジナルのデザインだなんて、絵心が無いと出来ないし、その数粒のビーズをずっと縫う作業は根気がいるよね、すごく大変! でもデザインさえ出来れば、もしかしたら私でも出来るのかしら、もしかしたら長く続ければそういう作品も作れるようになれるのかしら、と夢想してしまった。

おばあちゃんお一人で作業されているのか尋ねると、今は13人くらいで作業しているそう。伝統工芸品なのに、とても製作者の人数が少ないように思える。おばあちゃんに色々と教えていただいた事に御礼を言い、用事があったので私はブースを離れた。

オンラインショップの素敵なお財布

これからの少子化時代、伝統工芸品が受け継がれないまま無くなってしまうものもあるのかもしれない。でもこんなに素敵な作品ならずっと受け継がれていってほしいなと思う。

工芸品展はそこかしこの百貨店でやっているはずだから、機会があればぜひ一度見に行ってほしい。いろんな日本の伝統工芸品を見て、知って欲しい。どうか日本の文化が残っていきますように!

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