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ジュース狂の詩

狛江スリムでは、旬の時期にはフレッシュな果物やトマトなどのジュース、もしくはそれらから作ったカクテルなどをお出ししていました。

ジューサーも、一般的なブレンダーではなく専用のスロージューサーを使って絞ります。泡立たないのでよりはっきりと素材の味がわかり、体に染み込むような感じになるのですが、狭い店内のわりには大きな機材なのでその点は少し苦労しました。

このジュースを使うと、飲み物がものすごく美味しくなります。もちろんそのためには素材となる果物の質も重要なのですが、「時期を迎えて頃合い」「まだ試したことのないブランド」「水平比較が面白そう」などの要素が揃うと、ついうっかり手を出してしまうのが店主連の悪い癖(よいところ、と読みます)。かなりコストがかさむのですが、楽しいのでほぼ利益度外視でした。

また、一時期は瓶売りのトマトジュースにハマり、目につくものは全て買い揃えて比較をしていた時期もあります。スーパーに一般的に並ぶものは高いもので1リットルあたり1000円代あたりかと思いますが、使うトマトの品種や品質がグッと上がるのはその辺りから。店では3000円前後のものを使っていました。

さすがにこのクラスのものを使うとわかりやすく美味しいのですが、やはりここでもネックになるのは値段。とあるお客様がノンアルコールで一杯だけ、ということでこのトマトジュースをお出ししたのですが、お会計で500円頂戴したところ「高い」と怒られてしまいました。

トマトジュースは自作も試しましたが、仕入れや仕込みを考えるとあまり現実的ではないため、最終的には妥当な範囲での缶入りジュースに落ち着きました。ですが、カウンターの奥にはひっそりとスロージューサーが、今でも旬を待ち続けています。

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