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おしチャリ施策の実証実験(後半)をレポート

こまえのデザイン. (狛江市未来戦略室)の田代です。
今回のnoteのテーマは「おしチャリ」です。


狛江市では狛江駅周辺を歩行者専用道路に改変する駅前リニューアルプロジェクトを円滑に進めていくため、8月14日(月)から28日(月)までの2週間、狛江駅前の南北自由通路で、おしチャリ施策の実証実験を行いました。

実際に南北自由通路に出向いて、市民や駅利用者の声を集めたり、また行動を観察することで、おしチャリ促進効果や影響などを把握し、今後の本格的な導入に向けた可能性を探ることが今回の実証実験の目的となります。

前回のnoteでは狛江駅前の南北自由通路でのおしチャリ施策の実証実験の前半の様子をレポートしていますので、そちらも併せてぜひご覧ください。

おしチャリ施策の実証実験(後半)をレポート

おしチャリ施策の実証実験における後半の8月21日~28日には、前半からの間接的な介入施策と併せて、メッセージサインなどの直接的な介入施策も投入して実施しました。
今回のnoteでは、この後半の介入施策の内容や様子について振り返っていきたいと思います。

おしチャリプロジェクトのロゴ&ポスター

チャリプロジェクトを効果的にアピールしていくことを目的に、エメラルドグリーンをシンボルカラーにした、オリジナルのおしチャリロゴとPRポスターを制作しました。

狛江のみんなではじめる、駅前通路の新しいプロジェクト。

駅前空間は、出会いと憩いのみんなの広場。

自転車で忙しなく走り抜けるいつもの狛江の駅前を「おしチャリ」で少しテンポダウン。 ゆっくり歩くと見つかる足元の四葉のクローバーのように、心と時間のゆとりは、出会いやふれあいのきっかけに。

ばったり出会ったご近所さんとの会話、子どもたちの元気なあいさつ、お店から漂う美味しい香り、 風にさざめく竹林の心地よい葉音。

歩くと気がつく、何気ない日常の中の小さな幸せ。 おしチャリは人にも街にも優しい、安心安全で快適な駅前空間をみんなでつくるプロジェクトです。

白線

おしチャリ施策の検討にあたり、行動経済学のナッジ理論を参考にして、自転車利用者の行動分析をした上で、「止まる」ことにフォーカスしてその方法を考えました。
自転車が南北自由通路の前で一旦停止してもらうため、あたかも本物の一時停止線が引かれているように、通路の入口付近の路面に養生テープを直接貼り付けて、擬似的な白線を作り出しました。路面に停止線があると、「止まる」の選択肢が自然と頭に浮かぶことに着目しました。

メッセージサイン付きポール

「止まる、降りる、押し歩き」のメッセージサイン付きポールを入口付近に設置しました。自転車利用者に遠くからも認識できるように大きな文字でわかりやすく表示して、普段はこの通路を通らない自転車の利用者であっても、自然とおしチャリをしていただけることを狙いとしています。
色合いも駅前の雰囲気にマッチするよう、あえて珍しい白色のカラーコーンを用意し、メッセージサインはメインカラーであるエメラルドグリーンの統一したデザインにしました。

丸みを帯びて、かわいらしい形とサイズ感のミニポールも投入しました。

駅前本棚

前の週から設置されていたベンチの脇には、DIYで作った本棚を設置しました。人々がベンチに座る目的を作り出すことで、そこに賑わいと憩いを生み出そうという狙いがあります。
人が多く滞在する場所では、人はルールやモラルを守らなければという意識が働くことで、おしチャリが推進されるであろうという仮説のもと、このような実証実験も併せて行うことにしました。
ベンチと本棚があることで、買い物ついでのちょっとした休憩にも利用していただき、市民からも好評の声をいただきました。また、人がいる場所は防犯上も安心であるとの声も聞かれました。

「おしチャリ」の促進で、自転車も歩行者にも、駅前にゆとりある居心地の良い空間が生まれるでしょう。
ベンチに腰かけて、ちょっとひと息、パラパラと本をめくってみませんか?
この棚にある本は狛江市民が持ち寄った、みんなのお気に入りの本たちです。
狛江に暮らす人たちはどんな本を読んでいるんだろう?
誰かのお気に入りの本との出会いが、あなたの新たな気づきにつながると嬉しいです。
楽しく読み終わったら、次の人のために元の本棚に戻してね。

たまたまベンチの横に座っている知らない同士で何気ない会話が生まれたり、子どもたちに絵本の読み聞かせをする親子などがいたりと、本を通じてさまざまなコミニュケーションが生まれる場所にもなりました。これらは我々が見たかった光景でもありました。

なお、本棚として活用している木箱は、元々はワイン箱でしたが、それらを積み重ねて結束して、オリジナルの本棚として市民の方と一緒にDIYで作りました。

市民からのシール投票&インタビュー

おしチャリ施策のシールアンケートで、市民の皆さんから市職員が直接ご意見をお伺いしました。

また、南北自由通路の壁には、おしチャリ施策の投票シートを貼り付けて、皆さんがこれイイねと思った施策にシールで投票してもらいました。

さらに、その場でメッセージが書けるようなコーナーを設けて、おしチャリについて感じたことや伝えたいことなどを自由に書き込んでもらいました。
こういったおしチャリを通じたコミニュケーションが生まれたことで、市役所と市民、あるいは市民同士での意見の交換と共有ができ、共感の輪が広がったような気がします。我々としてもおしチャリについての皆さんの思いをしっかり受け止めたいと思いました。

狛江市観光大使の近藤春菜さんの等身大パネルが出現

普段は狛江市役所に常設している狛江市観光大使のハリセンボン近藤春菜さんの等身大パネルが南北自由通路に出張し、おしチャリのPRをしてくれました。(※ご本人は来ていません。)

気になるおしチャリ率は?!

おしチャリ実証実験中の平日の10-12時で自転車通行量の計測を行っていましたが、しっかりと数字上でも成果が現れていました。アンケートや観察等を踏まえた細かい分析はまだこれからですが、おしチャリ率は徐々に上昇しており、1週目より2週目の方がさらに上昇していることがわかります。集計最終日の25日には、おしチャリ率は90%以上となり、ほとんどの方がおしチャリをしていたことになります。

自転車通行量(棒グラフ)・おしチャリ率(折れ線グラフ)

自転車及び歩行者の皆様、 おしチャリにご協力いただき、本当にありがとうございます! 
今後も引き続きおしチャリにぜひご協力をよろしくお願いします!

おしチャリ実証実験のダイジェスト写真

今後のおしチャリ施策

南北自由通路での実証実験は8月28日で終了しました。アンケートを集計しながら、今後のおしチャリ施策の参考にしていく予定です。
なお、南北自由通路に設置していたベンチは、狛江市役所前の市民ひろばに設置していますので、どうぞご自由にお座りください。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。よろしければ、「スキ」や「コメント」をいただけると嬉しいです!
※このnoteは、狛江市未来戦略室の職員4人が交代で執筆しています。それぞれの文章のスタイルもあわせてお楽しみください。

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