編集の仕事をはじめて4年が経ちました

編集の仕事をはじめて4年が経ちました。

4年間で2回転職しました(不本意な転職1回を含む)。
編集歴は4年ですが、散々な目に遭ったので、実質的には2〜3年かもしれません。
「書籍編集以外は『編集』とはいえないよ」という考えに従うと0年です。
事情があって、実績は書きません。

今年から働きはじめた職場のひとたちは好人物です。知ったかぶりをしない、機嫌でひとをふりまわそうとしない、相手を自分より下の立場だと勝手に決め込んで横柄な態度をとるようなことをしない、聞いてもいない編集論を垂れてこない、私の意見を聴いてくれる。こんなひととして至極まっとうなふるまいにいちいち感動している私は惨めだと思います。これまでの職場とそこで働いていた私はなんだったのかと。
給料はこれまでの約2倍に上がりました。しかし、前の職場まで薄給だったので、今やっといわゆる“平均的”な生活が送れるようになってきた感じです。劣悪な処遇に慣れすぎてよくわからなかったのですが、人生で初めてもらったボーナスの額を見て、世のひとびとが車や家を買ったり、海外へ旅行したり、働きながら学校に通ったり、仕事を辞めて無職になっても生活できる理由をようやく理解できました。またしても惨めな気分です。

お金が増えたので、本が買えるようになりました。
「読書」はしますが「読了」はしていません。

編集の仕事をはじめたころ、当時の上司にあきれて、社外の編集者へ会いに行く機会をつくるようになりました。今も続けています。自分もこうありたいと思える編集者のかたがたと出会えました。
一方で「こんなくそでも編集者をやっているのか」とショックを受けるときがあります。そのような編集者が担当した本は買わず読まずにしていることが多いです。反面教師ってやつです。

「もうすぐ35歳になるのに編集歴が4年しかないの? ダサッ」とか「うちの子には絶対こんなふうにだけはなってほしくないね」とか思われるかもしれません。
もしそう思うなら、私はあなたが絶句するような人生を歩んできたので、それなりの覚悟をもってください。
人間、必死に生きているときはしばしばダサくなります。
転んでしまえばいつでも私のようになります。
あなたが自分自身の努力の賜物だと思い込んでいるものは、実はあなたの恵まれた境遇や受けてきた恩によるものだったと、考えを改めることをおすすめします。

これまで私を支えてくれたひとたちへの深い感謝は言葉に尽くせません。
あと、これからもよろしくお願いします。

私は私でしかないですし、今は「私にしかできないこともある」となんとなく信じて、できることをやっていくほかないですね。
もし以前の私のようなひとが声をかけてきてくださるとしたら、時間をかけて向き合いたい、そういうふうに思うんですよ。

編集の仕事をはじめて4年が経ちました。
これからも、続けます。

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