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Move on

15年くらい前、私はJリーグの別チームのゆるいサポーターだったのですが、日本代表戦で見るケンゴ選手のプレーに、あっという間に魅了されました。特に香川選手へ送り出されるスルーパスに、私の心は持っていかれました。
それ以来、ケンゴ選手は私の好きな選手で、ブラジルW杯の落選のときは、それだけで本大会を見る意味がなくなるくらいの衝撃を受けました。

あの落選後のブログを覚えています。
サッカーを辞めようと思うくらいの気持ちになったのに、ボールを蹴り出したら、サッカーが好きだという気持ちが満ちてきたって。あー、この人は、こんなに卓越したプレーをするサッカー選手なのに、こんなにサッカー小僧なんだって、サッカーが好きで好きで好きで、その気持ちでボールを蹴る人なんだって。単にものすごくうまいだけでなく、うれしそうにプレーするケンゴ選手がますます好きになりました。

好きな選手のいるフロンターレは、気になるチームになりました。気になるチームがずっとタイトルを取れない時代を、傍目で見ていました。取りたいなあ、今度こそ、あと一歩、あと一勝、、。(他サポなのに)ナビスコ杯のメダルを外した時代も、しっかり見てきました。(他サポなのに)

そしてケンゴ選手を通して見えてきたフロンターレが、Jリーグのチームとして更に気になるチームになり、数年前には好きなチーム、応援するチームはフロンターレと公言するようになり、私はついにはサポーターを乗り換えました。笑。

ケンゴ選手だけでなく、小林悠選手はじめ、個が強いのに、チーム愛に満ちていて、それは選手だけでなく、スタッフも含めたチーム全体としてで、サッカーの外でも楽しくて、地域に、社会に幸せをもたらしてくれるフロンターレというチームに、私はどんどんのめり込むように、好きになりました。(愛にあふれたフロンタのTwitterとカブちゃんのインスタももれなく大好きです)

タイトルが取れたとき、うれしかったなあ。
私なんかよりずっとずっと待ち続けて、挑み続けた人たちの気持ちが報われた、あの気持ちがあふれた瞬間は良かったなあ。キャプテンマークをポッケから出してケンゴ選手に渡す小林選手、念願の初タイトルなのに、シャーレがなくても風呂桶を満面の笑みで掲げる選手のみんな。

昨年怪我した直後から、復帰を本当に心待ちにしていました。キャンプの「#今日のケンゴ」を見ながら、わたしも頑張ろうと励みにしていました。
コロナの影響で、日本中が難しいときも、率先してフロンターレの選手の皆さんが、いろんな手段でサポーターにアプローチしてくれることで笑顔になれました。

復帰した試合のゴールも、バースディーゴールも、ここから新しい章が始まるようにすら感じていたので、引退発表を見て、心にぽっかりと穴が空いてしまいました。だけど5年前から決めていたというこの引退は、中村憲剛のストーリーなのだと思いました。

納得しました、とは正直今も簡単には書けません。でも納得しなきゃなんだよな、と思っています。「もっと一緒にやりたい」というチームメイトの声をしても翻意することはできないのだから。

来年、ケンゴ選手のプレーが見られないことはまだ実感として想像できません。でも、私が来年以降もフロンターレを見続けること、応援し続けることは間違えありません。それはケンゴ選手が残してくれた財産です。そして更にもう一歩踏み込んでみたいので、来期のフロンターレのボランティアに応募しようと思っています。

奇しくも、私の人生のすてきな先輩が「ずっと続けばいいなと思うことがあっても、Move onで」と今年の秋の初め頃にアドバイスをくれました。その言葉を励みに、私も来年から20年ぶりに大学で学ぶことにしました。私もMove onです。ケンゴ選手に負けないように、新しい世界に進んでいこうと思います。来年以降もフロンターレ界隈のみならず、様々なところで活躍されてるケンゴさんの姿にお目にかかれることを信じていますし、楽しみにしています。
18年間、たくさんの人に夢を与えてくださり、どうもありがとうございました。

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