見出し画像

SGD

大学受験に失敗した年に
予備校の直前講習会の類に参加した。

とても刺激的なワークショップで
(当時はワークショップという概念が無く、
授業や講義以外の形態があることを知った)

そのときに初めて
(今の高校生は、高校時代に体験するらしいが)
グループディスカッション
というものを経験した。

衝撃が走った。

浪人で塞ぎ込んでいた日々に光が差した。
人と意見をぶつけ合う、交換することが
こんなにも刺激的で楽しいことなのか、と。

もっと、その感動を解析して言語化すると、
グループディスカッションのような
コミュニケーションを通じて
teamworkの質を高め、
対象へのサービスの質を向上させられる
ということに対する可能性を
感じてしまったが故の衝撃だ。

他職種・施設連携で、
一人の住民、一人の患者を
どうにかしようとするアプローチが
自分は好きだということを
医療の現場に出てから改めて気づき、
そして、そのことに対して、
ある程度は言語化できるようになった。

そのワークショップの後に
志望校の後期試験を受けることになるのだが
その面接で、
「医学部に入ってしたいことは?」
みたいななことを聞かれ

「グループディスカッションをしたい!」
と回答した。

面接官には
「それなら医学部以外でも
 出来るんじゃないのかね?」
と返され
チーンってなったことが
鮮明な記憶として残っている。

当時は、
自分が何をしたかったのかも分からず
何に心が躍るかも捉えきれず
当然、それらを表現する能力も無かった。

昨年、書類関係の荷物を整理しているときに
浪人時代の手記が大量に発掘された。
アウトプットのトレーニングは、
当時からしていたらしい。
それでも到底、
自分を表現できなかった弱冠二十歳の当時。

そこからおよそ倍の年月が流れて、
今度はグループディスカッションの場を
提供する側になった。

当時の楽しさ、歯痒さ、苦しさ、
あたらしい世界が切り開けた感覚、
その原体験が原動力になって、
そういった感情を
伝えたいのかもしれないと思った。

昔からチームプレイというのが苦手で
どうにか機能するチームやシステムを
追求している。
その長い過程で手に入れたものを
後輩たちに還元できていることが
何よりの幸せである。

っていう、近況。

一人でも多くの学生たちが
この環境を楽しんでもらえたら僥倖