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発問から見えてくる自分のポジション

スレッドが盛り上がっている!

オンライン臨床実習、第2日目。
バーチャル回診が開始し、カルテ記載の課題が始まりました。
そこで、せっかく参加者も多いことだし
憩いの場として「意見交換用スレッド」を設置したら、
たくさんのコメントが!

その活発な意見のやり取りを見て、
それぞれが様々な思いや考えを抱いたかと思います。

言い出しっぺの企画者としても、
「質問が大事だ!」と一言主張しただけなのに、
これだけの盛り上がりが来るとは想像さえしていなかったので
この反響は驚きであり、そして皆さんのポテンシャルを感じました。

個々の質問に対応することが難しいという前提で
このような状況をファシリテートするのは
途方に暮れそうな感じなのですが(嬉しい悩みではあります)、
ある程度、軌道修正が必要な部分もあるので
少しだけお付き合いいただけますと嬉しいです。


発言力について少し考察

実臨床においても、
声の大きい医師が、まるで中心人物であるかのように見えることが
施設を問わず起こり得ます。

特に緊急性の高い場面や重大な決断に迫られた場面では
声の大きい人間が場を支配しやすい傾向があるのかもしれません。
そういった意味で、奥手で静かな人間であっても
時には腹から声を張らなければならないことだってあります。

物理的に声が大きく、饒舌な人が
現実世界において発言権を握りがちだということのように、
インターネットの世界でも同じような現象が見受けられます。

・語調が強い(断定表現が多い)
・主張を曲げない
・発言頻度が多い
・なんか根拠の真実味がありそう
 
このような発言をしている方ほど
まるで場を支配しているかのように思えることがあります。


→ ここで注意が必要

発言が多いということは「良い」「悪い」どちらでもありません。
 発言が多いのは、積極的という点で評価に値します。
 しかも、お互い見知らぬ関係の集団の中で
 自身の意見を発言できるのは、それだけで素晴らしいことです。
 これまで発言できた参加者には、その積極性に対して褒め称えたいです。

 その一方で、一部の積極的な参加者が「我こそは!」と前に出ることで
 性格的に控えめな参加者が遠慮がちになることもあります。
 参加者がどのくらいいるか不確かで、
 しかも、その表情が読めないという点で
 発言しにくい雰囲気が存在しているということは共通認識としたいです。
 したがって、出来ることとすれば、
 発言してくれた人を快く受け入れる姿勢なのかなと思います。
 コメントをくれたことを認め、歓迎的な雰囲気を作れたら
 より良い集団にステップアップできるのかなと思いました。

発言をしないということは「悪い」「良い」どちらでもありません。
 繰り返しになりますが、この実習の評価は「参加」に重きを置いています。
 Googleクラスルームの意見交換用スレッドは
 あくまで補助的なものに過ぎません。
 本質は、YouTube教材を中心とした自身の診察能力upにあります。
 最高の評価は「参加したこと」ということを一貫して強調したいです。

 じゃあ、発言をしなくて良いのか、というと
 それはそれで話が変わると思っています。
 最低限のノルマとしては、個人として参加して
 課題(カルテ記載)を提出(フォーム記入)すれば十分なのですが、
 せっかく色々な人が集まっているので、
 一石投じてみるのも面白いかと思います。
 さきに述べたように、話しやすい雰囲気というのはとても大事で
 一部のメンバーでワイワイガヤガヤしていても
 疎外感を感じる参加者がいるのなら、あまり良いteamとは言えないでしょう。

 私は個人的に、「素朴な質問」であっても良いと思っています。
 学術的な話題や実習に直結した話題も大事だと思いますが、
 「そもそも〜〜って何だろう?」というような発想も
 今の時点でたとえnobody knowsだったとしても、
 いつか誰かを救うような、ダイヤモンドの原石的な質問になるかもしれません。


立ち位置ごとのアドバイス

まだ2日分の意見交流のスレッドですが、
自分の現在の立ち位置が見えたかと思います。
以下の属性に場合分けをして
それぞれに一言ずつ助言しますので
参考にしていただけたら幸いです。

●最重要
本編の参加を継続すること <GOALを見失わないこと!>

●発言しなくても良いと思っている群
それでOKです。最重要のノルマを満たすのが十分です。
発言したいなぁと思ったときには気軽に発言してください。
きっと話の中に入れてくれる優しい輩が必ずいますから。

●他の参加者の発言を拾ってくれた群
インターネットでのコミュニケーションは難しいです。
にもかかわらず、自分以外の声に耳を傾けて
ディスカッションへの「参加」をサポートしてくれて
本当にありがたいです! 
きっと他のスタッフからも尊敬される良い医師になることでしょう。

●発言をしてみたもののセリフが冗長になりモヤモヤしている群
セリフを短くコンパクトにすることが、伝わりやすい文章の本質です。
不特定多数のコミュニティの中、発言した次のステップとしては
読み手が理解しやすいように
コメントを端的にまとめられる能力を課したいと思います。
「読みやすい」「理解されやすい」言語化能力も重要なのです。

●参加者全員へ
コミュニケーションは他者への認識とリスペクトが最重要です。
「いてくれてありがとう」
「話してくれてありがとう」
「その発言いいね」
「鋭い質問だね」
という一言から会話を始める習慣にすると
雰囲気が何だか和むことがあります。
「でも」
「いや」
「それは違うと思う」を冒頭に持ってくると
語調の強い自分の主張だけを通したい残念な人になってしまうので
まずは「yes」から始めてみるというのがオススメです。
(みなさん、それが自然と出来ていて素晴らしいです)

以上、2日目のディスカッションを眺めての所感と
インターネットにおけるコミュニケーションについての
ちょっとして注意点を紹介しました。
次回は、EBMについても、少し触れたいと思います。