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15年の時を越えた「おでん」

「学生の頃、何をしていましたか?」

「学生のうちにしか出来ないことで
 何をしたらよいかアドバイスください」

という質問やコメントを
いただくことが結構あります。

大抵は
「好きなことに打ち込めれば
 それで十分で勝ちなのでは?」

と回答することが多いです。

私自身の体験談で言えば、
学業以外という条件にすると
塾講師のアルバイトと軽音部での創作活動が
自分の中でパッと思い浮かびます。

塾講師に費やした時間は
今も、医学教育領域で大きなリターンを
もたらしてくれています。

一方、軽音部での活動の方は
やや特殊な時間の過ごし方のようにも思えるので
今日は当時の思い出話も兼ねて
振り返ってみたいと思います。

少々お付き合いください。

まずはこの動画をご覧になった上で、
以下の文章を読んでいただけたらうれしいです。


軽音部というと、
コピーバンドの方が多数派だと思います。

私も最初の頃は
NirvanaやOffspring、
Red Hot Chili Peppersといった
当時の流行ものをコピーしてはいたのですが、
途中で路線変更となりました。

というのも、
他のバンドと選曲が被ってしまい
ちょっとだけ揉めたのがキッカケとなり

「もう自分たちで作ってしまおう」
という流れになったのです。

メンバーは楽器経験こそあれ、
作曲経験はほぼ無い状態でしたので

まぁ、アレです。

「楽しくやれればそれでいい」のノリで
オリジナル曲の制作が始まりました。

一曲目は真面目な曲だったのですが、

二曲目から、どんどん
おかしな方向に進むことになったのです。


二曲目は真夜中に
友人宅でテンションが上がってきたときに
インスピレーションが湧いてきて
某清涼飲料水のラベルの注意書きを
歌詞にして曲を後付けしました。

これが大ウケしたのです。

歌詞の中に
「原材料名:糖類」という箇所があるあたり
ふざけているというか、
まぁ、楽しく曲を作っていたことが
今でもよく分かります。

その曲はLiSAさんの紅蓮華の
アカペラ直後のイントロフレーズと
酷似したイントロだったので
とても個人的な話になりますが、
紅蓮華を聴くと「原材料名:糖類」を思い出します。

ライブ演奏はもちろん楽しかったのですが
新しい曲をどんどん公開するごとに
オーディエンスが喜んでくれたことも
創作意欲を無限ループ的に
湧かせてくれる原動力となりました。

大学生の期間は
そんなに長くはないので
作曲のネタは尽きることはなく、
年間で3-4曲はコンスタントに作って
最終的には15曲くらいになったと記憶しています。

明らかに失敗した曲は
「失敗作」という題名にして
ライブで供養したこともありました。

1コードのみでパワーコード、ゴリ押しで
歌詞は「1, 2, 3,  1, 2, 3,   1,2,3,4,5!」
をひたすら繰り返すだけ。

そして、どんどんテンポを速くして
最後はワシャワシャにして終了させる。
今思えば、かなり酷い曲です。

インパクトが強いので
初回・単発のケースでは盛り上がりますが、

次も同じパターンにすると
ウケないというか
面白くないというか
それじゃダメ!みたいな
謎に変なプロ意識だけは備わっていたようです。

上記の「失敗作」という曲は
次回以降のライブで
その続きにカッコいいパートを付け足すことで
無事、完成作となり、
冒頭の逆部分とのギャップが絶妙となりました。
もはや「成功作」です。笑

観客の驚く顔や
喜んだり笑ってくれたりする顔を見るのが
この上ない喜びでした。

そういう点では
ミュージシャンというよりは
売れ始めの芸人のような姿勢でした。

曲の制作は
主に、ベーシストの仲間と二人で
作曲することが多かったです。

これまで聞いてきた曲のジャンルも好みも
全く異なる二人だったからこそ
生まれる曲は毎度、新鮮でした。

自分で一から作っていたら
たぶん続かなかったと思います。

作ってくれたベースのラインに
ギターで合わせてみたり、

逆に
ギターで作ったラフなフレーズに
ベースで合わせてもらったり、

新しいものが生まれることの楽しさを知り
ライブの時期が近づいては
テスト前の追い込みのように
曲を作っていたのが懐かしいです。

最終年次に作った
「マグロ漁船(仮)」という曲は
自他ともに認める名曲なので

いつかどこかのタイミングで
是非とも再現したいと目論んでいます。


さて、
実は、以前に作った曲を題材にして
一つ動画を作成したので
それを紹介して
このnoteを締め括りたいと思います。

曲名は「おでん」です。
冒頭のYouTube動画は
当時の曲を思い出しながら再現したものです。

寒い夜に雪が降ってきて
体の芯から温まりたいと思った日に
作った曲だということもあり、
今でも大雪の日や寒い夜に
その曲が脳内リフレインされます。

歌詞が残っていないので
覚えている部分のみを採用して
他は完全に作り直しました。

「くどい甘さ」が何を指していたのか
今となっては知る由も無く
大きな謎を残しています。笑

冒頭は寂しげな曲調なのですが、
途中からテンポアップして
ロックベースのシャウト系に変遷していきます。

おでんの具を適当に列挙してみたところ
いい感じに当てはまったので
これはこれで良いと思い、
公開するという結論に至ったのが経緯です。

15年後にリメイクできるくらい
当時の曲ひとつひとつに思い入れがあります。

今回はヴォーカル無しの仕上がりなので
次は誰かに歌ってもらうか
VOCALOIDで吹き込む等、
チャレンジしてみたいと思います。


「学生のうちに 何をすべきか?」
という問いに対しては、
月並みではありますが、

「夢中になれる何かに対して
 真剣に打ち込む体験をすること」

と回答しています。

そこで得られた
・失敗・挫折
・成功体験
・仲間との時間
・副次的に習得される能力
・そして、それらすべての思い出
全部が人生の糧になると思います。

部活でもバイトでも
旅でもボランティアでも
もちろん試験勉強でも

何でも良いので、
充実した時間を過ごしてください!
というメッセージを送るようにしています。


もしよかったら
「おでん」を聴いていただけたら幸いです。

つくっている最中に
何度もコンビニに行きたくなりました。笑

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