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地域の芽から創る未来−Earth Company 濱川知宏さん

みなさん、こんにちは!国際協力サロンです。寒い日が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。雪の降る日や肌を刺すような寒さが続く中にも、少しずつ日が沈むのが遅くなることを発見して、冬が遠ざかっていくのを微かに感じますね。

そんな挨拶で始まりましたが、今日のゲストは冬とは無縁の国、インドネシアはバリ島に活動拠点を置く一般社団法人Earth Companyの創設者の一人、濱川 知宏さんです!

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濱川 知宏(はまかわ ともひろ)
ハーバード大学卒業後、外資系金融機関で働くスーパーエリートの道を蹴って、NGOスタッフとしてチベット高原で働き、後ハーバード大学ケネディ行政大学院で修士号取得。ユニセフ、セーブ・ザ・チルドレン、英国大手財団CIFFにて、子供の保護・教育に重点を置いたプロジェクトの企画推進・評価等を行った後、現在はNPO法人コペルニクの最高戦略責任者。2014年、ダライ・ラマ14世より「Unsung Heroes of Compassion(謳われることなき英雄)」受賞。体を動かしていないと死んでしまうようなマグロのような体質で、万里の長城や灼熱のムンバイなど、世界各地のフルマラソンを七回完走。バリ生活7年目、4児の父。

ネイティブアメリカンの言葉に、こんなものがあります。

We do not inherit the earth from our ancestors.
We borrow it from our children.
 
この地球は、先祖から継承したのではなく、
私たちの子供たち、子孫から借りているのである。

SDGsが叫ばれるようになり、遠くの未来に生きる子供たちを想うことが増える素敵な世の中になりつつあります。そんな時代で、「次世代につなぐ未来を創出する」Earth Companyの取り組みとは、そして、創設者の一人、濱川さんの想いとは。

Earth Companyとは?

Earth Companyは、「次世代につなぐ未来を創出する」をビジョンとして掲げる団体です。もう1段階噛み砕いたミッションでは「次世代につなぐことができる「人」と「団体」を支援・育成」することを目標とし、活動として、下記の4つを行っています。


①次世代につなぐ未来を創出できるアジア太平洋地域の唯一無二のチェンジメーカーを支援するIMPACT HERO支援事業
②次世代をつなぐ未来を切り拓ける人材の育成を行うIMPACT ACADEMY(研修)事業
③次世代につなぐ未来を創出する組織を増やすためのエコシフト推進事業
④次世代につなぐ未来の一例を具現化した究極のエシカルホテル運営事業

どれも素敵な活動ばかりですが、今回は、活動の①である「IMPACT HERO支援事業」について詳しく書いていきます!その他の事業についてもっと知りたいという方は、下記のEarth Company公式サイトをご覧ください。

IMPACT HERO支援事業

IMPACT HERO支援事業とは、人生をかけてSDGs課題に取り組む地域の人材を支援する活動です。公募を行った上でEarth Companyが選考を行い、支援を行う人物を決定します。

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例えば、2016年にIMPACT HEROに選出されたロビン・リムさんはインドネシアで助産師として活動し、助産活動を行うNGOを立ち上げました。これまで彼女は9,000人もの赤ちゃんを取り上げ、設立したNGOのサービスを受けた人数は30万人にものぼるそうです。

彼女のように、情熱に溢れ、課題に取り組む人物をEarth Companyは支援しています。ロビンさんには、総額3,153万円の資金調達、13件の広報支援、全体的な事業運営のコンサルティングを行いました。Earth Companyにより、新しいクリニック建設や被災地支援などの事業が実行され、Earth CompanyからIMPACT HEROであるロビンさんへ支援が提供されました。

フィジーで見た「豊かさ」

濱川さんがEarth Companyを創設するに至った理由、ひいては、途上国に心を奪われた原体験は、高校生の時に参加したフィジーの農村体験プログラムにありました。

3週間、電気も水道もないフィジーの農村にホームステイ。父親の仕事の都合で東京、ニューヨークなどの大都会で幼少期を過ごした濱川さんにとって、「途上国の農村部」は特別なものでした。それまで感じたことのない人の温かさ、見返りのない愛情。物質的な豊かさを追求していたそれまでの社会とは隔絶されたウェル・ビーイングの世界で濱川さんは、「途上国の現場で、学ぶ生き方がある」ことを感じとります。その後は自己紹介にも先述したように国際協力の世界へ。後にバリに移住し、Earth Companyを設立するに至ります。

本当の豊かさとは?

SDGs時代以前の社会の在り方、言い換えれば豊かさは、誰かを傷つけることによって利益を得る、冷たいものだったのかもしれません。ですが、そんな考え方にも終わりが近づいてきています。

これからの豊かさは、これまでの豊かさによって傷ついてきた人たちに温かい手を差し伸べるものではないでしょうか。IMPACT HEROとして活躍する人たちは、そうした意味で大きな変革をもたらす可能性を秘めています。

Earth Companyがつなぐ次世代の先に、未来の豊かさがある。課題の現場から出た芽に大きな花を咲かせることが、途上国の持続的な発展にもつながります。

外部者としての、私たちの役割

途上国支援の文脈では、持続性が担保されているかどうかがしばしば議論になります。鍵を握るのは、あくまで私たちのような外部者ではなく、途上国のその地域に住む、現地の人たちです。

水不足で日本がカンボジアに建てた井戸がその先日本がいなくなっても管理・維持され使われ続けるか、それとも、また誰かが直しに来てくれるだろうと期待を持つか。

残念ながら、よく聞く話から出てくるのは後者のケースです。しかし、私たちのような外部者ができることは、水不足のカンボジアの地域をなんとかしようとする現地の人の支援をすることではないでしょうか。濱川さんの言葉から、そんなことを感じました。

「僕たちが3年間と支援する期限を設定しているのは、それくらいじゃないと信頼関係を作れないから。信頼がないとためになる支援ができない。Earth Companyを立ち上げた時は数ヶ月の支援で十分だと思っていたけれど、それだけじゃ全然足りない。3年も支援していると、(支援者が)家族みたいになってくるんですよ。ビジネス的な関係を超えて。だから、プロジェクトが終わった後も応援する関係がずっと続いていきますね。短期的な信頼関係だと、淡白でビジネス的なものになってしまうんですが、長期的に、あなたに対してこれだけコミットしますよという姿勢を見せれば信頼関係も深まるし、やれることの幅も広がりますよね。
「僕は、日本人として、ここバリにお邪魔している立場。そういう外部者が現地の人の信頼を得るには何十年と現地で活動して、現地の信頼を獲得しなきゃいけない。ロビンは、もう20年も現地での活動を続けていて、現地の人からの信頼は非常に厚い。そう考えた時に、僕たちが、日本人としてできることは、ガツガツ現場に入っていくことではなくて、彼女のような人を支援することなんです。

現地の人たちとの信頼関係、国際協力の現場に立つみなさんは築けているでしょうか。いつまでも留まることのできない外部者の私たちが、現地の人々にできることは何でしょうか。Earth Companyから私たちが学ぶべきことは、山のようにあります。

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Earth Comapanyが気になった方は公式サイトへ!

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