手話の言語化について。

私の母は聴覚障害者で、私の家では会話の中心に『手話』があります。
ある時、「手話は言語として認められていない」と聞いたことがありました。
それはなぜなのか。
新潟県内では、どのくらい「手話の言語化条例」が制定されているのか。
気になったので調べてみることにしました。

①そもそも『手話』とは何なのか?
『手話の言語化条例』について調べるにあたり、まずは、「そもそも『手話』とは何なのか?」ということについて調べてみました。

『日本語や英語が音声言語であるのに対し、手話は、手や指、顔の表情などを使った視覚言語であり、音声言語とは異なる文法体系を持った独自の言語です。
言うまでもありませんが、手話は、ろう者の方々にとって、日常生活に欠かせない情報伝達手段です。』
とあります。(浦安市HPより引用)
私たち健聴者は、音声を耳で聞き、声を発することでコミュニケーションを取りますよね?
でも、聴覚障害者の皆さんは、耳で音声を聞き取ることができません。
ですから、聴覚障害者の方は、手や指の動き、顔の表情で言葉や感情を読み取ります。
手話は、私たち健聴者が話している『言語』なのです。


②『手話は言語として認められていない』という話は本当か。
次に、『手話は言語として認められていない』という話は本当かどうか調べてみました。
調べていくうちに、興味深い記事を見つけました。
2014年5月16日の朝日新聞・ことばマガジンの中には、

『日本では、手話は言語として守られていない現状がある」と全日本ろうあ連盟(東京都新宿区)の久松三二(みつじ)事務局長はいいます。

 かつて、ほとんどのろう学校では手話を使った教育が認められていませんでした。相手の口の動きを見て意味を理解する「口話法」のほうが優れているとされ、「『手まね』なんてみっともない」という偏見が根強かったのです。聴覚障害者である久松さんも、「子どものときは、周りの人に見られないように机の下で、片手で手話を使っていた」そうです。

 手話教育が本格化したのは1990年代に入ってから。現在も手話を教えられる教師は多くありません。手話には日本語とは異なる独自の語彙(ごい)や文法体系がありますが、それを学ぶ必須の授業もないのです。

 全日本ろうあ連盟が中心になって作成した手話言語法案では、「ろう児・者は、(中略)手話で教育を受ける機会が保障される」という文言が盛り込まれました。ろう学校に教科として手話を取り入れるカリキュラム作りや、手話の文法や歴史を学ぶ教科書作りなどが検討されています。』

と書かれています。
10年ほど前の記事なので、当時よりは手話教育についても進んできていると思います。
ですが、まだまだ偏見があるのだろうな…と私は思いました。


③新潟県では、30市町村のうち、どれだけの市町村で『手話言語化条例』が制定されているのか。
長くなりましたが、ここから本題に入っていきたいと思います。
私の住んでいる新潟県では、市町村レベルでどのくらいの数の市町村が条例を制定しているのか見ていきます。

全日本ろうあ連盟・手話言語条例マップ

これは、全日本ろうあ連盟のHPの中にある『手話言語条例マップ』というものです。
新潟県をタップして見られるものになります。
これを見ると、新潟県では県レベルで条例を制定しています。
また、市町村レベルで見ると、新潟県内30市町村のうち、16市町村で条例が制定されています。
しかし、今、私が住んでいる自治体では条例の制定がまだされていません。
少しでも早く、条例が制定されてほしいと、切に願います。

④まとめ
今回は、手話言語条例について、手話とは何なのか?ということ、『手話は言語として認められていない』のは本当か?ということに絡めて、私の思いなどを書いてみました。
先ほども書きましたが、手話は聴覚障害者にとって、大事な言語です。
私たち健聴者が話している言葉と同じです。
手話を使っているのを見た時には、差別をしないでください。
健聴者が言葉で話しているのと同じなんです。
そして、少しでもいいから手話に興味を持ってください。
手話を必要としている人がいることを知ってください。
今、私は議員になることを目指しています。
議員になることができたら、私の住んでいる自治体でも『手話言語条例』制定に尽力したいと思っています。
そして、少しでもいいから、聴覚障害者の皆さんの地位向上に努めていきたいと思います。
手話を使うことに対して躊躇している聴覚障害者の方にも、どんどん手話を使っていただける、そんな街づくりをしていきたい。
『言葉のバリアフリー』、できたらいいな…と思っています。

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