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BL・一匙の夢

四、夢の間③

「37,2。微熱ーー」
日が落ちて、今度は篤則が
熱を出した。
ソファーで二回、バスルームで
一回、ベッドで二回。
裸で居た時間が長かったから
なぁ・・・・・・。
因みに僕の熱は下がった。
意地悪してゴメン。
でも、そういう気持ちにさせる
篤則だって悪いーーと
思う。
僕には、とても優しいけど
(悪い事したら平手飛ぶけど)
いや、あの乱交パーティー以降は
此処に住むようになったから
悪い事してないしちゃんと
仕事もしてるし えーとだから
ーーゴメンナサイ。
そういえば以前、篤則に
言われたな『お前は何がきっかけで
裏の顔が出るんだろうな』

裏の顔ーーかぁ。
自分でも分からない間に
そう成っているのだろうか?
なんかコワイ・・・・・・

〈ザザーン ザザー 何オレが
ザザ 波が・・・・・・海音!!〉
《あんな奴に渡す位なら
    死んで!ザザーン》
大丈夫 波で岩に頭 打ち付けたと
  此の波なら遺体を 持っていってくれる

キミが殺したなんて 誰も
     思わない・・・・・・今のキミは
   キミでは無いのだから

ーー此の手は 篤則!?

「おはよう、海音」
「ん、夢ーー見てた」
クスクス
「現実に戻っておいで
    夢は所詮夢でしかないよ」
「そうだね
   おはよう、篤則」

   クスクスクス
     

終幕