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KokugoNote #4高2現代文・国語表現

見田宗介「幸福について」初読課題について   20200113

第3学期初の授業アンケートで、4,000字で書けるようになりましょう!という提案に、「何を書いたら良いかわからない」という回答が多くありました。他校の事例では高2で5,000字レポートを課題としているようです。皆さんもあと2ヶ月でというのは難しいかもしれませんが、書き方や考え方をマスターすれば、あっという間に書けるようになるので、安心してください。

例えば、Twitterでは、1 ツイート=120字なので、×10 ツイートすれば、1,200字、20 ツィートすれば2,400字です。20 ツィートを目指すというよりは、120字の1 ツィートを何度も繰り返すことでいつの間にか2,400字を超えていたよ、というのがベストです。
Twitterをしている人もいると思うので、毎日、120字 tweetをしてみてください。自分の趣味について熱く語るというので良いと思います。

ある程度したら、自分のツィート内容を分析してみましょう。
次にそれらをテーマで分けてみましょう。
学校のこと、部活動のこと、友達のこと、趣味のことなど、テーマで分けてみて、ひとつに絞ってみることです。

例えば、部活動のことなら、きっと自分の感情が動いたことをツィートしているでしょう。サッカー部の子なら審判にファールを取ってもらえず腹を立てたこと、味方を活かす動きをしてコーチに褒められたことなど、おどけた調子で書き込んでいるあれこれがあると思います。
それらの心の動きを整理して、自分は一体なぜこのスポーツに魅了されているのだろう??と考えてみることです。
自分の心の動きを丁寧に言語化していくのであれば、相対的に自分自身を捉えることになり、自分自身が実は、審判との関係、コーチとの関係、チームメイトとの関係、家族との関係、シューズやウェアとの関係などの交差点にいることに気が付くようになれます。

自分自身という実体ではなく、関係性の中にあることに気が付けば、書くべきことは山ほどあります。文章力は書き続けないと身に付かないので、とにかく書くことです。

前に、滝沢カレンさんのインスタにあった唐揚げレシピが話題になりましたが、
あれで2,400字は超えていると思います。かなりユニークな人で、表現も不可思議でしたが
読ませる内容でした。一度チェックしてみてください。
上手に書けるかどうかではなく、今は多くの分量の文字を書くのが課題です。

続いて、調べた語句を用いての短文作成課題についてです。
今回の文章は、「幸福」「不満」「満足」「承認欲求」など現代社会では大きなテーマとなっている事柄です。この課題は、皆さんの年齢だけの課題ではなく、先生たち大人でも同じ課題になっています。

お金がいくらあってもそれらが手に入らないのなら、幸福ではありません。
働くようになれば解りますが、仕事で忙しすぎて、20代ではお金を使っている暇がほとんどありません。workaholic(ワーカホリック・仕事中毒)とも言われますが、20代前半は仕事を憶えるのに必死で、後半は仕事が面白くなって夢中になってしまうからです。
その時はテンションがハイになっていただけで、「幸福」とは違っていたように思います。
「自分は何をしていれば満足するのか」を知らなかったからです。
振り返って思うに、「忙しさ」を充実感と勘違いしてしまう時期なのかもしれません。

先々の話をされても、、、と思う人もいるので、もうひとつ伝えておきましょう。
お金はもちろん大切ですが、お金がなくてもお金を提供してくれる人がいれば問題ありません。「クラウド・ファンディング」という言葉を知っていますか?
自分が行うことが世の中の役に立つことであれば、多くのスポンサーを募れば良いのです。
個人的な望みが多くの人に希望を与えるものであれば、出資してくれる人が必ずいます。
たとえ、それが、バイクに乗ることであっても、です。(校則違反なのでそこは踏まえてください)
ただ自分ひとりの楽しみにするのではなく、周りの人をハッピーにする方法を考えるのです。お金を得る方法はアルバイトをすることだけではありませんよ。

皆さんがスマホの使い方をよく知らないだけで、手に握るスマホは世界とつながるツールだと認識した方が良いです。
海外に留学へ行かなくても無料で海外の大学の講義(Cousera)を受けることができます。海外の中高生の勉強も「カーンアカデミー」で学べますし、TEDというアイディア・プレゼンの動画も大いに参考にできるでしょう。
日本の大学も「gacco」というサイトで講義を受けることができます。受験勉強なら、スタディサプリと同じように基礎的な動画なら無料で「Try it」というアプリで見ることができます。

学校がつまらない、クラスが面白くないという不満は誰しも通る道ですが、愚痴を100回言っても何も変わらないし、日々の生活が楽しくなる訳でもないので、どうしたら面白くなるだろう?どうしたら本音で話せる友だちができるだろう?とアイディアを模索しなくてはいけません。

先生はそれほど困難なことではないと考えています。学校から進んで変わることはないし、クラスメイトや先生が「君を退屈にさせて申し訳なかった」という訳はないのです。だとしたら、自分がワクワクすることを学校で行えば良いのです。
ワクワクすることというのは、今までしたことのないこと、つまり「初めてすること」です。今まで話しかけたことのない子に話してみたり、食堂で頼んだことのないものを注文したり、違うクラスでお昼休みを過ごしてみたり、です。

先生たちもそうですが、皆に知識だけを与える授業は楽ですが、面白くありません。ただ黒板に書いて説明するのは、時間を費やすためには良いですが、皆の頭の中に残らないことを知っているので、とても空しくなります。
一方で、今しているように、Googleフォームを使ったアンケートだったり、授業まとめメッセージを出したりするのは、自分の考え方を整理する上でも役立つし、新しい試みでもあるので、先生の中でも刺激されるので、新たなアイディアが生まれてくる楽しさが感じられます。

(皆さんもこういう長いメッセージに慣れて、少しずつ長文を読むことが苦ではなくなっていくようになりますよ)

卒業生で、今は東京でお笑いをしている生徒がいましたが、彼はそういう生徒でした。
彼は小テストなどを楽しむために、友だちと得点で競い合っていて、「負けたら水係を務める」をペナルティーにしていました。食堂へ行ったときに、いつでも水を要求できる権利です。
頭がいいなと思ったのは、これはお金がかからないので賭け事としても問題がないこと、
それに1回に5杯も飲む訳ではないので、適度なペナルティーになること、でした。
些細なことですが、楽しむためには何かアイディアが必要で、それは自然と身に付くものではなくて、知恵を絞って、努力して身に付けるものだと思います。
ダメな自分を反省していても、新しいことは生まれないので、自分が、皆が楽しめるために何をしたら良いか、をもっと真剣に考えなくてはいけません。

では、また明日の授業で!

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