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KokugoNote #40高1国語総合

授業復習ノートです。具体的な内容に入っていきます。まずは現代文。

1.随筆とは何のこと?
   「筆(ふで)に随(したが)」って文章を綴(つづ)ること。

  〔特徴〕
・ 自分の思うことや考えることを皆に納得してもらおうというものではない。
・ 好きなことを語って、共感できる人は共感してほしいというスタイルなので、合う合わないが大きい。
・ 日々の生活の中で感じた疑問や、自分の気付き(発見)に、「いいね!」と共感してくれる人がいれば良いというもの。

例 TwitterやInstagramと似ている。反論を受け止めなくて良い。「僕はそう思いません」「それだけしか知らないの?」という反論は場違い。合わないと思ったら、ブロックしたり、リムーブ(フォローを外す)したりすれば
良いのが「随筆」と考えてもらっても良い。


今回:蜂飼 耳「待つことの形」

 読み取りポイント
・ 筆者が「あれれ?」と思ったことは何?
・ 筆者が「そういうことか!」と発見したのは何?


2.評論文とは何のこと?
   「評し論ず」:評価して、論述すること。

〔特徴〕
・ 社会の出来事(多くの人に影響を与える出来事)について、評価(良い点とダメな点)を明らかにして、その原因・方法・結果を分析して、提案
(どうしたら良いのか?)を主張したもの。
・ 好きなことかどうかは問題にならない。
・ 反論は根拠を持って行うことができる。
・ 共感ではなく、より良い代案を一緒に作り上げるという文章スタイル。
  
例 国会、公平なメディアと似ている。
 反論の場が常にある。ブロックやリムーブはダメ。好きだから賛成したり、嫌いだから反対したりするのはダメ。ダメだししたら、どうしたら良いかを提案するというのがセットになっているのが「評論」と理解してもらって良い。

今回:山崎正和「水の東西」
 読み取りポイント
・ 取り上げられている対象は何?
・ それの良いところとダメなところは?
・ なぜ良い? なぜダメ? どういう時に?どういう場所で?
・ どういうことを目指すべき?

3.段落とは何のこと?
・ 段落はひとつの話題だけを扱っている。
・ 文章が長くなったので改行しようかというものではない。
・ 重要な段落と軽い段落がある。前者は精読(せいどく)が必要だけれども、後者は流し読みで良い。

 〈どうやって見分ければ良いか?〉
・ 読み取りポイントの書かれている段落を探しながら読めばよい。
・ まず、形式段落(ひとマス下がっている段落)に番号を振りましょう!
 


【実践編】
 蜂飼 耳「待つことの形」20頁

 段落①・②・③は、筆者の体験談なので、読み取りポイントはない。だから、思い切って読み飛ばす!

 段落④「待つとはどういう行為だろう?」
 段落⑤「言葉はどこからやって来るのだろう?」
  「あれれ?」段落なので、読み取りポイント。

*Questionがあれば、必ずAnswerがあるので、それを探そう。

 ■ 段落④を抜粋してみた。* 一文一文、書き出すのが重要。
国語の苦手な人は真似してください。共通の箇所や言葉、指示語などが見つけやすくなる。

「 今、ここにはない、先の時間に宿るものをたぐり寄せる。
呼び寄せて、頭の中を巡らせる。
そのことを現在の上にかぶせて、現在を、少し失う。
現在は、待つという状態の中へ、透明な滝のように落下していく。
考えてみると、日常は、待つことばかりでできている。カレンダーを見れば、これから来るはずの日でいっぱいだ。数字はきれいに整列して、何事も帯びない清潔さで浮いている。待っていなくても配られる明日があり、待っても来ない明日もある。 」


  この段落は、前半と後半に分かれている。その線引きの判断は、「考えてみると…」という振り返りの場面。自分の体験と照らし合わせてみるという切り替えのワードなので、憶えておくと良い。
  後半部分は、「待つとは〇〇という行為だ」というAnswerに繋(つな)がらない具体例なので、読み飛ばそう。

+ 前半部を読むときに、まず共通のワードをチェックすることから始める。

+ 次に、指示語(あれ・これ・それ等)をマークする。 
  
+ さらに、キーワード(何度も用いられる言葉)を
 マークする、 

■ 「たぐり寄せる」「呼び寄せる」は、類似した表現なので、「○○を」という共通点を見失わないようにする。そうすると、「待つという行為」とは、「今、ここにはない、先の時間に宿るものをたぐり寄せて、頭の中を巡らせる」という行為だというAnswerが判る。
 


■あとは、「先の時間に宿るもの」とは何か、「現在」の扱いについて、考えてみよう。
 
◇前者については、網掛けになっている後半部分にカレンダーの予定、明日などがあるので、その例を自分の体験と照らし合わると理解できるだろう。
◇後者については「透明な滝のように落下していく」という比喩(ひゆ)を丁寧に見る必要がある。


◇ 「透明」というのは「存在するのに目に見えない」という意味である。「滝に落下する」イメージは、抗(あらが)うことができない、もがいてもどうにもならないというイメージなので、現在をとどめておくことができないという意味だと解釈できる。


 誰しもそうだが、時を止めることができないので、先々のことばかり考えて、今に集中できないことがある。そういう内容を「現在の上にかぶせて、現在を少し失う」という表現にしたのが、蜂飼さんならでは、だと思う。
 

 同様のことを、⑤段落でも展開したのだが、授業で話すことをすべて文字にすると、かなり大変なことを実感した。
 なので、今後も途中まではまとめようと思うが、最後までは、文章化しないので、あとは質問してください。

 欠席していた人は、今まで書いた内容を読み返してみて、読解のヒントにしてみてください。基本的には、休校動画で説明したことの繰り返しなので、そちらを観てもらったら、何とかなると思います。質問があればいつでも受け付けるので、ぜひどうぞ。次の授業で「待つことの形」は終わって、今週の最後の授業で評論文に入ります。こちらも3コマもあれば、確認できる内容なので、今週末に、もう一度、休校動画を観るようにしてください。


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