うずと海務部と
■うずしおクルーズについて
前回の記事で書いていた、かつてのわたしのふたつめの職場、うずしおクルーズでは咸臨丸と日本丸という大型の観潮船が福良港から出港し、世界最大級のうずしおが発生する鳴門海峡まで運航します。大きなうずが見える時は大迫力の景色を見ることができるので、ゴールデンウィークや夏休みには観光客で連日満席になるほどの人気観光スポットです。最近では日没時間に合わせて出港するサンセットクルーズや、満月・流星群に合わせたナイトクルーズなど、ますます自然の魅力を感じられる企画が増えてきました。
うずしおクルーズ ホームページ
https://www.uzu-shio.com/
■海務部について
私が配属された海務部は、船が安全に運航できるように監理することが役割です。船のこと、船員のこと、乗客のこと、天候によっては運航か欠航かの判断など、監理する内容は多岐に渡っていました。私は窓口でチケット販売や案内を担当しており、お客様の乗船に関することが主な仕事でした。事故を起こさず、より安全な運航のためにも、乗船人数1人の間違いも見逃さないよう気を引き締めていました。
そんな中、忘れられない仕事がふたつあります。ひとつめは新規航路の申請です。うずしおクルーズはうずしおの観潮だけでなくチャーター便として、他港で行われる花火大会や初日の出クルーズなどの特別便を用意することがあります。通常航路と違う航路で運航する場合、新たな航路図を国土交通省の神戸運輸監理部に申請しなければいけません。その申請に必要な海図に、船長が新たな航路を線で引いていくのですが、とにかくそれがかっこいい。しかも航路名までつけられて、一度申請すると、うずしおクルーズが所有する航路としてずっと残っていきます。憧れの仕事でいつかはやってみたいと思い、神戸運輸監理部のホームページに載っている船に関する専門用語をすべて調べていきました。それでもパート1年目の私はなかなか手伝わせてもらえず、上司に「私も申請してみたいです!!」と何度もお願いしていました。ようやく1度だけ申請させてもらった便は「福良港を起、終点とする沼島沖周遊航路」という航路名をつけてもらいました。私が出港を申請した日は日没に合わせたサンセットクルーズでした。それに乗船した同僚のガイドさんから、その日の美しい夕日を動画で送ってもらい「私が申請した便でお客様に喜んでもらえた!」と思いました。とても嬉しく貴重な仕事ができたという達成感がありました。
ふたつめは、うずしおクルーズの時刻表の作成です。実はうずしおは1日中巻いているわけではありません。1日4回、約6時間ごとに干潮と満潮が訪れて、それに合わせてうずが大きくなったり、小さくなったりしています。さらに、1ヶ月の間で日によっても大きさが変化します。 うずしおクルーズでは、お客様がうずしおを見られる可能性を高めるために、うずの発生時間と大きさの予想をしています。うずしおクルーズのホームページの予約画面を見るとその日の時刻表が出てくるのですが、毎日少しずつ出港時間がずれていきます。これが今回製作したてぬぐいの説明に欠かせないので、次のnoteにまとめてみます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?