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ライターとしてクリエイターEXPO 2024に出展します(お金編)

出展費用がヤバい

これは出展を決めた経歴9年の個人事業主が申し込み前も申し込んでからもあまりのコスト感に震える記録です。
今回の「お金編」に続き「事前調査と試算編」「当日出展レポ」「答え合わせ編・お金ぜんぶ明かす収支報告(有料)」でお届け予定。
今回は見出し通り「出展費用やばいよ」という話で、有益情報というよりゆるめの読み物です。少しでも出展を検討する方のお役に立てれば幸いです。

(つまらない前書き)クリエポ、というちょっと変わった催し

クリエイターEXPOとは、コンテンツビジネスの総合商談会「コンテンツTOKYO」内で開催される、個人クリエイター特化の商談展示会です。

主催は (おなじみの)RX Japanです。都市部のいわゆるオフィスワーカーにとっては有名企業だと思います。

同社主催の展示会に出展するのは、基本的には法人です。企業だったり自治体だったり、あとは日本以外の国や自治区単位である程度のスペースをがさっと確保して、小規模なパビリオンみたいな展示をすることもあります。
似たような分野の企業が集合して営業や決裁権を持つちょっと偉い人なんかが挨拶回りしながら新しい情報を集めたり、新しい知己を得たりする場所です。(あと赤ちゃんみたいな新人が勉強しに来たりしてる)
基本的に、個人は出展しません。だって商談は法人と法人でするものだから。
そして、法人と商談したくても個人で出展するのは不可能です。だって出展費用百万とか余裕で行くから。

……という産業界の常識に基づく仕様から少しだけ外れているのが、コンテンツTOKYOです。
コンテンツビジネスの世界では、法人と個人、ユーザーとクリエイターがかなりボーダレスに連携しており、実案件を持つクライアント企業が個人事業主と直接契約を結ぶ形態もまあまあ一般的です(その間にプロダクションが入る場合もありますが)。

とはいえ法人とは資金力がまるで違うぶん、法人並みの出費をしてまでRX Japanの商談会に出展できる個人は基本的には存在しません。
そこで用意されているのが、個人事業主を対象としたクリエイターEXPO。開催期間中、個人クリエイターが幅1.5m×奥行き1.7mの区画を占有して自分の商談スペースを出展できる展示会です。

個人出展者は与信や管理能力、トラブルなど、法人とはレベルの違うリスクがあり、いわゆる「美味しい客」ではないはずです。
そのリスクをもってなお「個人が出展して企業と商談できる」という機会を設けるのって、さすが市場の解像度が高いな……と思います。

個人が参加できるよう、出展小間費用も企業と比べると非常に安価。なんと概算20万円ポッキリ!!!!

ペイウォールの標高が高い

たっっっっか!!!!

企業は1ブース数百万とか余裕で行きますから、安いと言えば安いんですけども。同じ開場で赤ブーの同人イベントに出るときは幅90cmを6500円で確保できると思うとたっっっっっけえなあ!?たっっっっっけえなあオイ!?!?!

小間費用の内訳

1小間17.5万円、2コマ連結で出展すると35万円(税別)。鬼のようなハイプライスですが、これにいわゆる角部屋料金も選べます。
私は毒喰らわば皿の覚悟で角小間にしました。ライター出展が少ないため「埋もれる」懸念はあまり無いと思いますが……イラストレーターの方なんかは埋もれるリスクがまあまああり(後述)、角小間アドバンテージが強そうです。

  • 出展小間費用:175000円

  • 角小間追加費用:15000円

  • 消費税:19000円

というわけで、出展小間費用は209000円です。えっぐ。

この「これぽっち出せない奴が企業と対等に取引できると思うなよ」的な価格設定というか、「出るからには案件もぎとるぞ」的な覚悟の価格というか。
まあこのペイウォールが出展者の篩い分けをしている側面はあると思います。えっぐいけど(2回目)。

なお、クリエポ出展小間料は毎年1万円ずつ値上がりしています。えっぐ(3回目)。

小間装飾費用

当然ながら、上図で用意してもらえる「机と椅子とお名前パネル」だけで当日座っていても、誰も仕事の話なんかしに来てくれません。ブースを装飾して、ターゲットに自分をアピールする必要があります。
私は以下のような什器および消費物を張達しました。

  • 背面タペストリー
    背面壁を覆って自分をアピールするもの。
    幕No.1で9000円

  • チラシ
    今回のクリエポ用途のみに制作。
    ラクスルで4000円

  • iPadスタンド
    ライターはビジュアル的に華やかな成果物を出しにくいことと、せっかくの角小間を有効に生かしたいと考え、iPadで自作のプロモーション動画を再生することにしました。
    Amazonで4000円ほど

  • パンフレットスタンド
    通りすがりにでも取ってもらうよう、背の高いスタンドを購入しました。
    Amazonで8000円ほど

……合わせて25000円。リッチな印刷物が出せる業態ではないので、装飾費用はずいぶん控えめです。

ただ、ここで忘れちゃいけないのが上記を準備するための私の時給です。フリーランスの営業活動は無給です。一円でもお金が増える方に手を出したくなるのを、必死で堪える必要があります。これがかなり、怖い。
これでご飯食ってる人は恐怖を忘れないことと恐怖に慣れることを両立しているものですが(私もそうですが)、マジで怖いよね。今も怖いです。

デザインは自分で頑張りましたが、この辺も自分の時給とプロに外注する(実費用とコミュニケーションの)コストの天秤ですね。

前述の通り、私はリッチな印刷物を用意する業態ではありません。ただこれがビジュアル勝負の分野になると

  • 追加パネル:1万円

  • カタログ冊子:2〜6万円

  • レンタルサイネージ:6〜20万円

  • オフライン招待状:〜1万円

……みたいな世界になってきます。怖。

TOKYO滞在費用

私は近隣住まいなのでゼロです。マジで東京アドバンテージを感じます。だっていまドミトリーでも1泊1万超えてんだよ!?

格安の違法民泊みたいなものもありますが治安と衛生面でちょっとおすすめしたくありません……あとコスパの良いステキ民泊は団結力のあるインバウンドコミュニティがガッツリ押さえているようです。国力の弱さみたいなものまで感じ取れてかなりこう、悔しい。そのへんの政治の話には色々言いたいことあるけど今は割愛しますチクショー

税金を取り戻そう

ひとつだけ、良い話。
さまざまな自治体で、企業商談会に出展する費用を補助する助成金があります。
私の居住地にも、「ここに住んでる、もしくはここに事業主体がある個人事業主」に向けた制度があり、最大で出展小間費用の半額が助成されます。
当たり前ですが納税や確定申告の証明は必要です。

さまざまに煩雑な準備を求められてまあまあ腹立たしくなりますが、こんなクリーンに納税してんだから当たり前に返せやコノヤロウの精神で取り返しましょう。

私の居住地では、「税抜き出展小間費用の半額(端数切り捨て)」で94000円が助成されます。
まだ申請中。マジで通れ私の税金返せコノヤロウ。

出展費用の総支出額

……というわけで、出展費用の総額は234000円。
助成金が獲得できたとして、総支出額は140000円です。

これかなり低い方です。東京住まいのテキストライターだからこの費用で済んでるだけです。

準備期間の時給や機会損失は換算不可能なので省いています。

クリエポ、ライター少ない!!

このような支出をしたうえで出展を決めた理由は色々ありますが(次回書きます)、ライターの少なさと「埋もれる」リスクの低さはまあまあの決め手になっています。

2024年夏の開催に出展するのは500弱、半数近くがイラストレーターです。
映像・アニメーションと、デザイン(2D/3D)が50くらい、写真や音楽系がその半分くらい……。

そんな中でライターは、なんとびっくり10ブース。少ない!

過去の経緯から作家系クリエイターが集まりやすい場だったのがビジネスニーズ寄りの展示会に合流して、出展者と来場者のアンマッチが起きてしまった……みたいな歴史があるようです(このへんちょっと不確かです)

私は作家志向のないビジネスライターなので、クリエポの方向性は合うんじゃないかと思って申し込みをしました。
このタイプは私以外にも少なからずいます……が、多くが営業活動しなくてもパンパンに忙しいため、出展のモチベーションは上がりにくいのではないかと思います。

私も今回の出展は諸刃のリスクもあるなと感じています。もう本当に怖い。

まとめという名の懇願

この文章も、費用に震える個人の記録に加えて「というわけなので来てください」っていうプロモーションも兼ねます。

そんな小心者が出展するクリエイターEXPO2024、ライティングゾーンA-23にぜひお越しください!
マジでお越しくださいお願いいたします……

招待券発行はこちらから(主催の入場バッジ登録サイトに飛びます)

次回は「事前調査と試算編」。いきなり出展を決める勇気がなかったので、前回の開催にリサーチ参加した時の記録を書きます。

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