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時はいつの日にも 親切な友達

あるファミリーさんがりななんについて綴られた記事を読んで、心が震えました。
その方はりななん推しのファミリーさんで、りななんが急逝したあとはそれまで通りエビ中を応援出来なくなっている、という想いをたびたび記事にされていました。


私は、私が書いた最初のブログ記事にある通り、松野莉奈さんのことがきっかけでファミリーになった者です。
ファミリー歴3カ月ちょっとの私でさえ、りななんが唄う「できるかな?」の動画を観ると、哀しくて、切なくて、悔しくて、ボロボロと涙をこぼしてしまうのですから、以前からのファミリーで、しかもりななん推しであれば、そんな心境に陥っても仕方のないことだと思います。
ですが、そのファミリーさんが今回、以前予約していた福岡ライブに参戦して、少しだけ心境の変化があったことを綴られたのです。

確かにステージに立ってるのは7人でしたが
不思議と松野さんの匂いを感じ取ることが出来たので春ツアー福岡に行って良かったなって今では思います
みんな可愛くて面白くて優しくて全員が横一列なエビ中どこまでもカッコよかったです
自分のオタ人生の中で私立恵比寿中学というアイドルグループに出会えてほんとに誇らしいです
是非とも大晦日に8人でNHKホールに立ってもらいたいです
あの子の御両親に素敵な景色を見せて欲しいものです、エビ中ならきっと実現してくれるだろうと確信したツアーでもありました

LINEブログ もってぃさん


これを読んで、私の心にもぐっと込み上げてくるものがありました。
ファミリー歴3カ月の私ですから、「あなたの気持ちはよーく分かる」(by藤巻先輩)なんて、簡単に言っては失礼かも知れません。

ですが私も青春期に、大好きだった「岡田有希子」さんという一人のアイドルが急死するという経験をしました。
岡田有希子さんはファンの間では「ユッコ」の相性で親しまれ、当時絶大な人気アイドルだった松田聖子さんの5つ年下(私の7つ年下で、私の家内と同い年です)ということもあって、「ポスト聖子」の最有力候補として将来を嘱望されている逸材でした。
抜群の容姿と歌唱力。さらに、親に内緒で応募した「スター誕生」で決勝大会出場を猛反対され、出場の条件として学年トップの成績を取るという約束を見事に果たすほどの賢さと根性を持っている、希に見る少女でした。
それはそれはもう、可愛いかったんですよ。ご存じない方のために、彼女のデビュー曲「ファーストデイト」の動画を貼っておきます。


Dreaming Girl- 恋、はじめまして


↑このPVも可愛いです!中盤の「素敵なレディに変わる日を夢見てる」のところで衣装が変わった後のカワユサは、ため息が出そうです。

追記:1980年代前半、プロモーションビデオ(PV)やミュージックビデオ(MV)はまだ一般的ではありませんでした。
例えば松田聖子さんにしても、YouTubeで検索すると出て来るのはテレビの歌番組ばかりで、MVは全くありません。
ですからこの当時、新人のデビュー曲でPVが制作された(クオリティの高低は別として…(笑))というのは極めて異例で、事務所の期待の表れが感じられます。


 しかし…。1986年4月8日。ユッコは自らその短い命を絶ち、私たちの前から突然いなくなってしまいました。
その後は、その娘の歌を聴くことはもちろん、テレビの歌番組を観るのも辛くて遠ざけていました。

亡くなる直前に発売されていたレコードのジャケットを見て「どことなく笑顔がぎこちないな」と感じていたことが「悪い予感」だったと気付いた時にも、何も出来なかった遠くの一ファンであった自分が悔しくて仕方なかった。

でも、時がたつにつれて次第にその気持ちも薄れて行き、最初はその娘のことでいっぱいだった頭の中にも、仕事、家庭、リアルな彼女のことなどなど、雑多な他のことが入り込んできて、その娘のことを忘れることの方が多くなってきました。

そして30数年たった今年の2月7日までは、その娘のことはもうほとんど忘れてしまっていました。
そこに、娘がファンだったエビ中のメンバーが急死したというニュースが入り、改めて昔ファンだったいまは亡きアイドル歌手が私の目の前に蘇って来たのです。

りななんのことがあってからこの3カ月ちょっとの間で、分かったことが一つあります。

それは、31年前に亡くなったアイドル歌手も、私の心の中で確実に生き続けていたということです。
辛かったあの時期のことも、心がそうしようと働いて忘れていたのかも知れませんが、今は私の中で、切なくて哀しい出来事ですがどこか甘酸っぱくもある、キラキラとした思い出に変わっていたのです。

唐突ですが、松任谷由実さんの「12月の雨」という曲の歌詞を引用させて下さい。


「時はいつの日にも 親切な友達 過ぎて行く昨日を 物語に変える」

今度の春ツアーが、ファミリーさんの心の中で、松野莉奈さんのことが辛く苦しい思い出から「物語」に変わって行く第一章になることを祈っています。

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