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夏への扉

「夏への扉」 鑑賞記


皆さん、おはこんばんちは。

今日は、映画の話題です。
表題の「夏への扉 -キミのいる未来へ -」を観てきました。

ストーリー

この映画は、SF作家の超大御所ロバート・A・ハインラインの小説「夏への扉」(翻訳:福島正実)が原作です。ストーリーはこんな感じです。

「革新的な ロボットを発明した主人公の科学者が、恋人と共同経営者に裏切られ、発明の特許も財産も全て失ってしまう。二人への復讐を試みるも、返り討ちにあってコールドスリープ(冷凍睡眠)させられ、30年後に目覚めた主人公が、恩人の娘だった少女を探すうち、自分の発明したロボットが世の中に広まっていることを知る。しかしそれは、自分を裏切った恋人と共同経営者とは全く違う、謎の会社と謎の人物が発明したことになっていた。探していた少女も別の誰かと家庭を持っていることが分かり、その謎を解き明かすために主人公は、タイムマシン を使って30年前にタイムトラベルするのだった…」

古臭くないSF小説

ロボット、冷凍睡眠、タイムマシンといったSF要素たっぷりの小説で、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー 」を思い起させるような内容です。
っていうか、あの映画は「夏への扉」が元ネタとも言われています😆

が、この作品が書かれたのは、1956年。
なんと今から65年も前なのです!

それなのにこの小説はちっとも古臭くなく、小説レビューサイトを見てみても「一気に引き込まれて面白かった!」という感想が溢れています。

それだけ、SF小説の世界では「不朽の名作」として知られており、かく言う私も10代の頃(今から45年以上前!w)に読んだ時は

「こんな面白い小説は読んだことがない!」

と興奮し、その後も何度読み返したか数え切れません。少なくとも5回は間違いなく、10回近くは読んでいるんじゃないかと思います。

私にとっては、この小説の表紙絵が本当に懐かしいですね。


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日本で人気の理由

タイトルの「夏への扉」とは、小説の冒頭で描かれている主人公が飼っている「猫のピート」の行動が素になっています。

「ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。最愛の恋人に裏切られ、生命から2番目に大切な発明までだましとられたぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ…」

小説冒頭より

この小説は世界的に有名なのですが、特に日本での評価が高いとされています。
それはですね~、この「猫」を筆頭に、ロボット、少女(時をかけるからw)など、日本人が好きな要素がいっぱいだから、と分析する方もいますね。

映画界の七不思議

さて。
この小説、これだけの人気を誇っているわけですが、なんとこれまで65年間で、ただの一度も映画化されたことがありません。

日本だけじゃないです。世界的にです。

こんな面白い、映画映えするストーリーなのになんで? と、これはもう「映画界の七不思議」といって良いレベルじゃないか、と私は密かに思っていたのです。

それが、わが日本で映画化されると聞き、

「あー、やっぱり『夏への扉』は日本につながっていたんだ!」

と思ったのでした😆
(ちゃんちゃんw ←瀬田さくらではありませんw😆)

もうその発表を知った時から「絶対に観に行くぞ!」と誓っていたわけで、本当は2021年2月に公開の予定だったのですが、コロナの影響で公開が延期され、ようやくこの6月25日に公開されました。



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映画版スタッフ・キャスト

映画版「夏への扉 -キミのいる未来へ-」は、監督が三木孝浩。(『ソラニン』『フォルトゥナの瞳』『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』)

舞台を日本に、さらに時代も1995年~2025年(原作は1970年~2000年)に移して描いた脚本は、菅野友恵。

人生のすべてを奪われ、30年の時を超えて自身の未来を取り戻そうとする主人公の科学者・高倉宗一郎に 山﨑賢人 。

30年後の未来で宗一郎に力を貸すヒューマノイドロボット 「ピート 」に藤木直人 。

数奇な運命に翻弄されるヒロイン「璃子」役は、朝ドラ「おかえりモネ 」主人公に抜擢された期待の女優、清原果耶。

宗一郎を裏切る憎っくき恋人と共同経営者には、夏菜 と眞島秀和。

未来で宗一郎を助ける、ロボット会社の社長に浜野謙太。

タイムマシンを発明する科学者に田口トモロヲ。

そして、宗一郎の一発逆転に力を貸す夫婦役に、原田泰造(ネプチューン)と高梨臨

などなど、個性あふれるキャストが揃っています。

主題歌は「鬼滅の刃」で国民的歌手となったLiSAが歌っています。

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感想とネタバレ

映画を観てきた感想は…
とてもいい映画だったと思いますね。その訳を書きたいと思いますが、少しネタバレ に触れることになりそうです。

以下、部分ネタバレしていますので、内容を知りたくない方は↑上の目次へ戻り、「ネタバレ終了」までジャンプしてください。

下部には、メイキングなどのほか関連動画のリンクを貼ってありますので、それを観たい方も目次からどうぞ。


==ここからネタバレです==



小説と映画の違う最大の変更点は、藤木直人さん演じるヒューマノイドロボット「ピート」の設定でしょう!

「ピート」とは、主人公・宗一郎が飼っていた猫の名前でもあります。小説では、冷凍睡眠から目覚めた主人公は自分一人で謎を解明していきますが、藤木ピートを登場させる設定によって、小説で詳しく説明してある部分をハショることなく、映画を見ている人に説明する役目を担ってくれています。

もう一つの変更点。
未来から過去へ戻るタイムマシンを発明した科学者は、小説では未来で唐突に現れます。これが、小説を否定する一部の読者からは「ご都合主義」と批判を受けることにもなります。

しかし、この映画では過去でしっかりと伏線が描かれており、未来で主人公と科学者がつながって、宗一郎が未来からタイムマシンの開発資金を持ち帰って過去の科学者に渡す、という設定になっています。
これは見事でしたね!

その資金も、未来では貨幣と共に価値が全くなくなっているという金の延べ棒を持って帰ったもので、それについてもタクシーに乗った時に財布を窓の外に捨てた藤木ピートの言葉でしっかりと伏線が張ってあります。

また、その科学者に資金を渡す食堂にいた子供が、未来ではロボット会社の社長になっていて宗一郎を助けるという設定でした。

小説を映像化する際には、細かく決められた設定をハショることがあってガッカリすることが多いんですが、この映画での設定変更はなかなかのものだったと思います。

タイムパラドックス

ストーリー的に、主人公が未来から戻って過去を変えたので未来も変わった、と勘違いするひとがいるかもしれませんね。

しかし小説でも映画でも、主人公がひどい目に遇っている事実と、未来から戻った主人公が未来を変えようと奔走する事実とは同時平行して起きているのであり、運命は全く変わっていないのです。

映画では、璃子は一度は死んだことになっていて、30年後に宗一郎が墓の前で泣いているシーンがあります。
が、その時も実は璃子は生きていて、ヒューマノイドロボットの開発者として記録が残っていることを、藤木ピートが発見します。

映画ではこれを、タイムマシン科学者が
「事実は変わっていない。それは君(宗一郎)がここへやって来たことで証明された。タイムループしているのだ」
と説明しています。

こういう「タイムパラドックス」の解決法をしっかりと描いてあるSF小説や映画が、面白い作品と言えるでしょうし、そういう設定が私は大好きなのです😉




ネタバレ終了


メイキングほか関連映像

では、メイキングほか関連映像のリンクを貼っておきます。

メイキング 宗一郎編

 

メイキング 璃子編

 

メイキング 藤木ピート編


メイキング 猫ピート編


LiSA 『サプライズ 』 -MUSiC CLiP-

 

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それでは、今日はこのへんで。
最後まで読んでくれてありがとう。
また逢えるから、この言葉が言えるんですよね。
ごきげんよう、さよならdestiny!

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