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「わた恋」レビュー

皆さん、おはこんばんちは。

スターダストプロモーション(スタダ)所属、九州拠点のアイドルグループ「ばってん少女隊(ばっしょー)」が、2021年11月10日にリリースした通算15曲目のシングル
「わたし、恋始めたってよ!」
そのレビュー行ってみたいと思います!

「わた恋」レビュー


鯛員(=ばっしょーファン ※注)の間では「わた恋」で通じます。

配信Mカードが手元に届いて10日ほどですが、もう毎日モーレツ蛇ロテが続いております😆


スタッフの本気度

作詞・作曲・編曲の渡邊忍さんと制作スタッフの、この曲にかける「本気度」については、↓このブログに書きました。

ここで「レビューは後日」と予告しておりましたので、お約束通りしたためてみたいと思います。

この曲については、
①「曲の構成」と「パート割り」
②「編曲」
③「MV」と「ダンス」
に分けて書いてみます。


公式MV&歌詞


①「曲の構成」と「パート割り」


セオリーにこだわらない

楽曲プロデュースの渡邊さん、バズった「OiSa」のレビューの時にも書きましたが、曲の「構成」が凄く面白いんですね。


曲の「構成」とは普通、起承転結として起のAメロがあって、承のBメロから、サビのCメロで1コーラスが終わり、同じように2コーラス目が繰り返され、ここで違う展開のDメロ(起承転結の転)などを挟んで、結の落ちサビで終わり。
こういう、所謂いわゆる「セオリー」がある訳なんですが、渡邊さんの曲は「OiSa」にしろ、この「わた恋」にしろ、セオリーに当てはまらない構成なんです。


6人絶妙のパート割り

そしてこの「わた恋」は、メンバーのパート割り振りが絶妙で、6人それぞれに聴き処があるんですね。
それを一人ずつ見ていきましょう。

ホントは著作権法があるので歌詞を全コピーして載せるのは法律違反なんですが、感想を間に挟んで途切れ途切れですし、全部書くわけじゃないので許してもらいましょう。
(それでホントに許してもらえるかどうかは知りません(+_+)笑)

Aパート
【瀬田】
想い 抑えれない
この恋 終われない
いつまでも 伝えれない
空回りでまた今日も眠るよ

メンバー中No.1の歌唱力で、ライブでも音を外したのを聞いたことがないパーフェクトピッチの持ち主である、ちゃん瀬田(=愛称、他に「ちゃんちゃん」とも呼びます)は「OiSa」でもメインボーカルを務めていました。

この始まりのAパートも、ちゃんちゃんの声とメロディ・歌詞が絶妙にマッチしています。

A´パート
【上田】
どうしようもない
鼓動止まらない
君が鳴り止まない
夢の中でも出会ってしまうよ

理子ちゃんのこのパートも良いですね~。
「君が鳴り止まない」って歌詞、まるでこの曲を蛇ロテしている私たち鯛員の感情を表しているかのようですw

Bパート
【春乃】
わたし、恋始めたってよ!
浮き足立って One Step Beyond
あこがれハイスペック女子
あれこれ言って! 愛すべき同士

このパート、きーなの唄い方がこれまでの楽曲と明らかに違います。
これは他のメンバーにも言えることで、曲の雰囲気に合わせた歌唱法がほんとに絶妙ですね。

B´パート
【希山】
話聞きたいなって思ったよ
君にとって who's the best girl?
あ、でも、やっぱ、言わなくていいや
イミフすぎるよな ワタシ

この愛ちゃんのパートも、とんでもなくサイコーです!
「あ、でも、やっぱ、言わなくていいや」
この囁くような唄い方、ズッキュンきますね~!
この楽曲での愛ちゃんの唄い方は、あとで出てくるDパートも素晴らしくて、それは後で述べます。

ここで曲の構成は1コーラス目が終わり、再びちゃん瀬田と理子ちゃんのAパートに戻りますが、歌詞が最初とは少し変わっています。
「想い」「この恋」「いつまでも」「今日も眠るよ」「鼓動」「夢の中」と、同じ言葉がいくつかあるんですが、その前後で微妙に言い回しが変わっていてエモいです。
↑ぜひ、上の歌詞サイトで読み比べてみてください。

2コーラス目では

続いてのパートは、Bパートのきーなと愛ちゃんに代わり、りるあと美舞ちゃんが唄います。

しかし、メロディが1コーラス目とは大きく違っていて、これはもうBのダッシュパートというよりは、Cパートと言った方がよいと思います。

Cパート
【蒼井】
平気だって 片思いくらい
恋はほら 軽いフェスみたい
考えすぎてもいい事ない
てか、そんなに甘くなかったわ

りるあのこのパートも、撃ち抜かれました。
きーなのパートでも書いたように、りるあの唄い方もこれまでとは明らかに変えていますね。
「いい事ない」と「甘くなかったわ」のところで2段階、ポンと上がるメロディは唄うのがとても難しいと思うんですが、うまくこなしています。

C´パート
【柳】
涙こぼすくらいボロボロで
こんなにも苦しいだなんて
イミフすぎるよな ワタシ

ここの美舞ちゃん!
サイコーです!
もともと歌唱力は自己紹介の「心配ないさ~」で「上手いな~」と思っていたんですがw、この大人っぽい唄い方、実にいいですね~。

サビのDパート

続いて、再びAパートがリフレインされた後に、間奏に続いてのDパートがサビとなります。
このDパートでは一人ずつ振り返りながら唄うダンスが最高なんですが、振り付けについては後ほど。

Dパート
【瀬田】きっと君に
【上田】好きと言わず
【春乃】過ぎてく日々
【瀬田・上田・春乃】続いてくよ

D´パート
【希山】きっと君は
【蒼井】透き通るような
【柳】心のまま
【希山・蒼井・柳】居続けるよ

ここを2回リフレインした後、それに続くEパートからの展開が、この楽曲構成でのハイライト部分となってきます!

この曲最大の盛り上がり

Eパート
【春乃】
ねぇ、もっと振り向いて
ワタシだけいつもせつなくて
【希山】
ずるい ねぇ、そっと触れ合って
裸足のままで手をにぎって
【蒼井】
思い出一緒に刻んで
少しでも多く焼き付けて
【柳】
ほどいて 思い切り笑って
ワタシのココロに寄り添って欲しい(です)

このパートも唄い方、グッときますね~。
特に愛ちゃんの「裸足のままで手をにぎって」の「ままで」の唄い方が好きです。

また、「ずるい」「思い出」「ほどいて」「欲しい」(です)の箇所、次のメンバーとの繋げ方もすごくいいです。

2回目のリフレインの時には【ALL】で、「欲しい」の後に「です」が入るのも大サビへの繋がりとして効果的ですね。

そしてそして、このEパートを1回唄った後、2回目のリフレインでの構成が素晴らしすぎます!

↑上のMVで、3分15秒過ぎから
Eパートのきーな、愛ちゃん、りるあ、美舞ちゃんの声の上に、なんとAパートのちゃん瀬田と理子ちゃんの声が重なって、6人での見事なハーモニーが繰り広げられるのです!

この、それぞれ違うパートが重なっている構成は「OiSa」でもありましたよね。
これはもう渡邊さんの得意技と言っていいでしょう!
この部分になると、未だに鳥肌が立つくらい感動してしまいます

そして、この盛り上がるEパートが終わるとDパートのリフレインである大サビが入って、アウトロで曲が終わり、となります。

こうして改めて見てみますと、1コーラスと2コーラス目の間にも間奏が入らないし、Dパートのリフレインで曲が終わるので、Dパートがサビといっていいと思うんですが、あの盛り上がるEパートがもうほとんどサビと言ってもいいくらいです。

ですから、最初に言ったように「渡邊さんの楽曲の構成はセオリーがなくて独特である」と、言えると思うのです。

また、1小節ずつの短いフレーズを繋いでいくのではなく、一つのパートを一人のメンバーがじっくり唄っていく割り振りも、このあとMVのところで説明する、曲の「感情」を表すのに効果的だと思います。

②「編曲」

続いて編曲、つまり楽曲演奏についてです。
演奏は渡邊さんが全て打ち込みで制作しているわけですが、少ない楽器で表現されている音作りが素晴らしくて、文句のつけようがありません。

限られた音源で

イントロでは、時計のネジを巻く音から始まり、その音に似せたようなドラムのハイハットが印象的です。

そのバックにピアノの和音コード音がダーン、ダンダーンと入り、さらにそのバックでシンセサイザーのベース音が響いています。

そしてBパートに入る前に、ハイハットだけだったドラムにバスドラ、タム、スネア音も加わります。このリズムの刻み方も好きです。

そのBパートからは更に、ベース音だけだったシンセに、跳ねるような音階の演奏も加わって厚みを増します。

そして、Dパートに入る前のダン、ダン、ダン、ダンと4回刻むスネアドラムが印象的な間奏では、ここで初めて和音コード音だけだったピアノがメロディを奏でて、音に彩りを添えています。

全曲を通じて、楽器(の音源)はこれだけしか使われていません。

これもこの曲の透明感を作り出している、大きな要素だと思います。


エフェクター「ピッチコレクト」

あと、編曲で書いておきたいのは声のエフェクター「ピッチコレクト」(ケロケロ声)です。

「OiSa」で、ばっしょーちゃんの曲としては初めて渡邊さんが採用したエフェクトですが、この曲でも効果的ですね。

一番好きなのは、C´パート美舞ちゃんの
「イミフすぎるよな ワタシ」
のところです。


③「MV」と「ダンス」

この曲については初めて見た時に、もう声にならないほど素晴らし過ぎた「MV」と「ダンス」について語らずにはいられません。

見どころ満載の振り付け

ダンスの振り付けについては「OiSa」に続いて、「振付稼業 air:man」さんが担当しています。

配信前のティーザー動画でair:manさんが、この曲のダンステーマは「無機質」と「システマティック」だと語っていましたが、時計のイメージで腕をぐるぐる回すところとか、2人一組になってぐるっと回って相手の背中に肘をつくところとか、前半だけでも見どころ満載!

カッコカワイ過ぎるDパート

さらに、パート構成のところでも書いたDパートです!
6人全員が後ろを向いて、一人ずつ振り返りながら唄う振り付けは、めちゃくちゃカッコよく、カワイイです!

また、このパートの大サビ部分では、「わた恋ポーズ」(中指と人差し指を重ねる)で、腕を回しながら一人ずつ前に出て来て、リフレインパートでは一人ずつ後ろに下がっていくところなんて、歌詞の感情表現と振り付けがぴったりとハマっていて素晴らしいですね。

↓この動画、かしいかえんでのリリイベ(2021年11月14日)のアンコールで「OiSa」に続いて「わた恋」を唄うのですが、固定カメラなのでダンスの全編を見ることができます。


好きな振り付けはC´パート、美舞ちゃんの
「涙こぼすくらいボロボロで」
で、膝を内側に折って沈み込むところがエモ過ぎます!

また、イントロとアウトロの部分でステップを踏みながらくる、くると回る振り付けがありますが、イントロではメンバーの向いてる方向がバラバラです。
しかしアウトロでは全員が同じ方向を向いていて、回り方がキレイに揃っています。
これは、↓後で語る「感情表現」に関係していて、揺れていた感情が落ち着き、整ったことを表現しているのだと思います。

とにかく、フォーメーションといい、人差し指と中指を重ねる「わた恋ポーズ」といい、
「きっと君に  好きと言わず」
の部分で、くるっと回った時にふわーっと翻る衣装のスカートといい、何度観ても感動するダンスです!
(音質はイマイチですが、ダンスがよく見れることで何卒ご容赦ください🙏)

スタッフさんにはぜひ、固定カメラで撮影した「ダンスver.」のMVを公開していただきたいと思います!

追記:ばっしょースタッフが、またまた粋なことをやってくれました。
9月に行われた「温故知新」ツアーでの「OiSa」と「わた恋」のライブ動画を12月2日に公開してくれました!

Zepp Yokohamaで初めて聴いた時の衝撃と感動が甦って来ます!


見事過ぎる公式MV

そして公式MVでは、前にも書いたパート割の妙と歌詞に出てくる主人公の感情が、実に見事に表現されています。

まずオープニング、女優さんを起用したかと勘違いするほど、大人っぽいお化粧をした美舞ちゃんが登場。

時計のネジを巻く音がして、その時計の針は逆回転します。
映っている時計の針は「8時10分」、つまり「ばっ(8)・てん(10)」に掛けてあります。

逆回転して時間が巻き戻り、タイムスリップした美舞ちゃんの心の中の情景が、MVの世界観になっているんですね。

美し過ぎる壱岐島

その舞台に選ばれたのは、長崎県の壱岐島いきのしま
息をのむような美しい風景で、島全体がパワースポットと言われるほど、神社の鳥居とかがいたるところにあるんですね。
鯛員さんたちの「聖地巡礼」が増えることは間違いありません。

追記:


ラスト大サビの部分では、干潮時の数時間だけ海から参道が現れて参拝することができる小島神社の前で撮影されています。
その時間を計算してロケの手配をしたスタッフ。
素晴らしすぎませんか?

また、ロケの日程は予備日なしの一発撮りだったらしいのですが、それが見事な快晴になるなんて!
やっぱりメンバー、スタッフ、みんな「持って」ますね~。

6つの感情

MVで表現されているのが、
「嫌悪」(きーな)
「恐怖」(理子ちゃん)
「悲しみ」(美舞ちゃん)
「驚き」(愛ちゃん)
「怒り」(ちゃん瀬田)
「喜び」(りるあ)
という、6つの感情です。
配信のアー写↑で、メンバーそれぞれがこの表情をしています。

途中でメンバーが食べてるスプーンに乗ったお菓子が、6つの「感情のカケラ」として表現されています。

皆さん、気が付きましたか?
お菓子は円形の「6分の1」、6Pチーズと同じ形wでしたね!
(追記: ↑と書きましたが、よく見ると、縁の方は弧形でなくて三角形みたいです😆 ごめんなさい)

普段はあまり見ることができないきーなの嫌悪や、ちゃん瀬田の怒りの表情が新鮮でしたし、りるあの喜びの感情については、こんな面白いエピソードが残っています。

りるあの「あ、山~、空~、海~!」の言い方がチョー可愛い!😆
※「わた恋」リリース記念 生配信動画より抜粋↓


振り付けのイントロとアウトロで、向いてる方向がアウトロでは揃っていると書きましたが、MVの最後で振り返った美舞ちゃんが笑顔になるところと合わせて、何かに悩んでいた主人公が6つの感情をうまくコントロール出来て、吹っ切れた様子を表しているのだと思いますね。


それでは。
たった1曲のレビューなのに、こんな長文になるなんて、アンビリバボーですね😆
これだけ書いたのに、まだ何か書き足らない想いが胸の奥に残っている気がしますし、それだけ語りたい何かを秘めている楽曲だ、という証明だろうと思います。
まだまだしばらく蛇ロテが続くと思います。

では、また逢えるから、この言葉が言えるんですよね。
ごきげんよう、さよならdestiny!


※注:文中に出てくるばっしょーファンの総称「鯛員」は、2021年12月より「隊員」に変更となっています。

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