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蟹工船ってそういう話だったのか!

はじめに

中学生のときに、小林多喜二という人が蟹工船という小説を書いたと学びました。
当時の頭の中では、こういうイメージしか湧きませんでした。

中学生がイメージした蟹工船

先生が蟹工船の説明をしていたとは思いますが、まったくピンときませんでした。
だって、当時は労働者じゃなかったから。
ところが、大人になってから蟹工船を読むと、めっちゃ考えさせられる。

蟹工船を一言で説明すると

蟹工船を一言で説明すると、
超絶ブラック企業 V.S. アホな労働者たち
というお話です。

蟹工船の概要

蟹工船に出てくるブラック企業と現代のブラック企業を比べたら、現代のブラック企業なんてホワイト企業です。
蟹工船のブラックっぷりは、絶望しかありません。
蟹工船の舞台は、1920年代のオホーツク海です。
蟹工船では、労働者たちは極寒の環境の中長時間労働を強いられ、低賃金で働かされています。さらに、彼らは過酷な労働条件に加えて、船の監督たちが蹴る、殴る、晒す、殺す、差別するという、パーフェクトブラックを決めてきます。

ブラック蟹工船

労働者たちに、人権なんてない。
資本家は、人権という言葉が大嫌い。
人権なんて、ビジネスの邪魔でしかない。

じゃあ、労働者は純粋な人間なのかというと、これまた、愚者オブ愚者
蟹工船で稼いだ金を酒、女、ギャンブルにつぎ込むイカレっぷり
また、金が無くなったと言って蟹工船に戻ってくるのです。
カイジか、お前は!

そして……、恐ろしいのはここからです。
資本家たちは、安く逆らわない頭の悪い労働者が欲しいわけです。
労働者が下船した後に、労働者が金を使うように風俗や酒、ギャンブルの興行で罠を張っているのです。そこで金を使わせて、また蟹工船のブラック労働に戻す。
ヒッヒッヒッという資本家たちの笑い声が聞こえてきそうです。
さらに、資本家たちは海軍も味方につけます
万一、船でストライキが起きたら海軍が駆けつけて、ストライキを鎮圧します。汚いけど、やっぱり資本家たちは頭が回りますねぇ……。
資本主義に正義などない!

感想

程度の差はあれど、1920年から100年以上たった今も、資本家と労働者の根っこの問題はあまり変わっていないですね。
とはいえ、現代は労働者の権利は強くなっていると思います。
その点において、現代はかなり恵まれています。
法整備してくれた、たくさんの先人達には感謝しかないです。

でも、いまだに資本家たちの汚い部分は現代でも見え隠れしますし、アホな労働者というのもまだまだいます。
何年経っても、人間というのは愚かな生き物です。
蟹工船の時代から暴力はだいぶ消えましたが、かわりに現代は言葉の暴力に変わっています。
SNSで労働者を馬鹿にする人もいれば、吉本のアホな番組を見ながら酒を飲んで社会が悪いと叫ぶ愚かな労働者もいっぱいです。

生きてるってアホらしくなってきますね。頑張って生きる意味って何なんでしょう?




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