開戦!戦法鑑定団

司会「では早速見させていただきましょう。オープン!」(布を取る)

司会「お父さんこれは何ですの?」

依頼人「これは矢倉の将棋ですね」

司会「矢倉?あんま見ない形の矢倉ですねえ」

依頼人「棋譜商の方が言うにはね、藤井矢倉とのことでして」

司会「!?」
スタジオ「ザワザワ」

司会「………………もしこれが本物の藤井矢倉やったら……………………どないします?」

依頼人「借金を……ウォーズで100程負け越しておりまして、その借金を返したいなと思っております」

司会「そらこれがもし本物の藤井矢倉やったら棋譜並べすれば100ぐらいすぐ返せますよ」

依頼人「いやあ、そうですかね(笑)」

司会「では依頼人の希望は藤井矢倉で宜しいですね?」

依頼人「どうでしょうか、まあ、はい(笑)」

司会「さあ、では藤井矢倉でいってみたいと思います。オープン・ザ・キャッスル!」

ドゥルルルルルルルルルル

ジャコーーーーーン

司会「────っ残念〜〜。いやーお父さん残念でしたねえ」

依頼人「……スーッ、いやあ」

司会「えーーー?立派な藤井矢倉に見えますけどね。どないですの?」

鑑定士「6八金7八玉の形が非常に美しくてですね、一見すると藤井矢倉なんですよ。ただですね、我々の業界では戦法の名前が藤井矢倉で囲いの名前が天野矢倉であるとされているんです」

司会「はー、ほなこれはどないですの?」

鑑定士「こちらはですね、手の流れで片矢倉になっただけで残念ながら藤井矢倉と呼ぶ事はできません。ただですね、これだって指し手の思いが篭った立派な矢倉ですよ。鑑賞する分には全く問題ございません。お大事になすってください」

司会「いやー残念でしたね。でもねお父さんね、ウォーズの借金返すだけならええ方法ありまんねん」
(依頼人に耳打ちのジェスチャーをする)
司会「あのね、アカウント作り直して3切れでアヒルばっか指せばええですねん」

依頼人「(苦笑)」
(スタジオ爆笑)

司会「ではまた来週〜〜〜!」

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