世界平和を望むならやるべきこと

(読了目安6分)

あなたは「世界平和」を望みますか?


今回は、「世界平和を望むなら、まず自分が平和になりましょう」、という話です。
「お酒」「厨房での作業」を例に書きたいと思います。

・・・

あなたはお酒好きの社会人だとします。
ちょっと飲み過ぎて、ミスをしてしまいました。


そんなとき、

「お酒はトラブルの原因だし、身体に悪いから飲んじゃダメ!」

と、お酒を飲む先輩から言われたらどうです?


素直に受け入れられないばかりか、矛盾を感じませんか?


そしてその助言をしてくれた先輩に対して「ちょっとヘンな人かも・なんで私があんたに言われるわけ?」なんて思ったりしますよね。


さらにあなたが先輩に対して、「そう言う先輩だって飲んでるでしょ?」と反論したとします。


その時、「オレは酒には飲まれないし、トラブルなんか起こさないから大丈夫。だれにも迷惑をかけないから飲んでいいの」、なんて言われたら、「自分のことを棚に上げてこいつアホか?・やってることは私と似たようなもんでしょ」ってなりませんか?


これじゃ人間関係がおかしくなっていきます。


お酒を飲む人が、「お酒を飲むな」と言うと、矛盾・不信・不満などを原因としたトラブルになるんです。
ですから、「お酒を飲むな」というセリフは、お酒を飲まない人が言えるセリフです。


では、「ケンカをするな!」というセリフは、どんな人が言えるセリフでしょうか。


・・・そう、


「ケンカをするな!」というセリフは、ケンカをしない人が言えるセリフです。


世界に向かって「平和」を訴える人、つまり「ケンカをするな!」と言う人は、まずなんと言っても、自分自身が平和である必要があります。
自分の平和を実現できない人が世界平和を願っても、トラブルになりかねません。
平和を望むなら、世界を変えようとするのではなく、まず自分を平和にすることが先なんです。


平和を望むなら、ひとりひとりが自分の幸せに責任を持つだけでいいんです。
自分を幸せにする実力を身につけた後、余力があるなら世界平和のために使う、これが順序です。


次に「厨房の作業」で例えてみますね。
いま厨房で、数人の大人たちが、お客様から注文された料理を作っているとします。


近くには幼い子どもがいて、「ボクも役に立つんだ、ボクだってできるんだ!」と一生懸命なにかを手伝おうとしています。
子どもは自分が信じる方法でなにかをしようとしますが、コップを手にとっては落として割り、水を汲んではこぼしてしまい、刃物を握ってはケガをし・・・大人が付きっ切りでその子の面倒を見ることになってしまいました。
作業スピードは遅くなり、目標時間に遅れる可能性が出てきました。
もしあなたがその現場の責任者なら、きっとその子に向かって言うはずです。


「いいからそこでじっとしてて!」


その子どもがいくらでしゃばっても、いまの実力でできる最善のことは、そこでじっとしていることだけなんです。
子どもは悔しいと思います、しかしそれが現実であり彼の実力です。
厨房で役に立ちたいと望むなら、最低でも自分のことは自分でできるようになる必要があります。
そして、自分のことが自分でできるようになったら、余力を使って厨房の役に立てるようになります。


子どもの願いは「ボクも役に立ちたい!」、大人からの要求は「そこでじっとしてなさい」です。
実力がない人がムリをすると、全体の足を引っ張ってしまい、料理の完成は遠ざかるばかりです。


これは「平和活動」にも言えることです。


世界平和を望んでいる人はとても多くいます。
「戦争反対!」、つまり「争うな」と声を上げている人もたくさんいます。
でもそんな人たちが私生活で争っていたら、説得力ゼロですよね。
もしみなさんが世界の平和を望むなら、まず自分の平和を実現してください。
自分の平和を実現し、一人前になった後、その余力で世界の平和を願ってください。
実力がない人がムリをすると全体の足を引っ張ってしまい、世界平和は遠ざかるばかりです。


逆に言うと、自分の平和を実現できる人は他人と争いませんから、個人が各々に自分の平和を実現できれば、その場で世界は平和になるんです。
争いごとが起こる度にそれを抑えるのではなく、争いごとが起こらないようになるんです。
つまり、ストレスを発散する生き方ではなく、ストレスを溜めない生き方を、人類そのものができるようになればいいわけです。
それができれば世界平和を願う必要もなくなります。
自分の責任で自分を平和にするということは、平和の「土台」になるもの、そして世界平和に向けた「基本中の基本」です。


実はこの話、以前、平和を願う若い女性の活動に巻き込まれた、マスターの体験からのものなんです。
「世界平和は大切です」とマジメに言うのはいいんです。
そして「平和のためにアレをしろ、これはダメだ、世の中はおかしい」などと熱く言うわけですが、まず本人が彼氏とケンカをしているわけです。
しかも平和活動を優先して、他の約束を破っちゃうわけです。
時間を守らない、約束を破る・・・しかし彼女にとって、それは平和のためであり、仕方ないことなんですって。
この女性、「平和のための戦争」を続けるタイプです。
こんなことになってしまうのは、なにが平和なのかを理解できない「子どもの思考」だからです。


上の「厨房」の話で言えば、大人が集まって仕事をしている現場に入ってきた子どもが、自分の考えで大人に指示を出し、従わない大人を批判するようなものです。
こんな状況だと、大人としては、子どもをどうにか傷つけないようにしつつ、その場から追い出そうするわけです。
(さらに仕事が忙しくなってくると、「小僧いい加減にしろ、でてけ!」となるかもしれません)


ということでみなさん、理想は高くていいですが、張り切りすぎて暴走しないようにしてください。
子ども扱いされている人は、「みんな明るく接してくれるのにどうも居心地が悪い」という状態になります。


みなさんは「本当に必要とされる一人前の大人」になってください。
現場をかき乱してウザがられることがないようにしましょう。
それには、自分の実力をしっかり観察し、どうすれば役に立てるか日々考える作業が欠かせません。
本質に近づき、それを実践する力がある人ほど必要とされます。
なにもできないなら、とにかく笑顔で元気にあいさつや返事をしましょう。
それだけで80%は合格です。
いくら実力があっても、いつも不機嫌そうで元気がない人は、やっぱりウザがられます。
また、平和を実現する実力がない人は、「せめてなにも言わないことが社会貢献になる場合も多い」ということを忘れないでください。


◎まとめ

「人にお酒を飲むなと言うなら、まずは自分が飲まないこと」。
そうしないと説得力がないだけでなく、混乱を生み出します。


「ケンカをするなと言うなら、まずは自分がケンカをしないこと」。

そうしないと説得力がないだけでなく、混乱を生み出します。


「世界平和を望むなら、まずは自分が平和であること」。
そうしないと説得力がないだけでなく、混乱を生み出します。

・・・

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