遠隔ヒーリング1 自分を癒すのは自分

(読了目安10分)

「ヒーリング」という言葉を知っていますか?
日本語だと「癒し」です。
ざっくり書くと、相手に「気」を送って癒す作業を、ヒーリングと呼びます。


このヒーリングを、「対面」ではなく「遠隔」で行うことを「遠隔ヒーリング」と呼ぶんですが、今のように顔を見て気軽に話せなかった10年ほど前までは、実際にあったんです。


ヒーリングを遠くから行う「遠隔ヒーリング」。
離れたところから「気」を送り、相手を癒すことはできるんでしょうか。
答えははっきりしていますが、その前に、まず「こっくりさん」という、占いの一種について書いてみたいと思います。


そもそも「こっくりさん」という言葉、みなさんは知っていますか? 


数人が集まり、50音の文字盤に乗せた10円玉に指を置いて「こっくりさんこっくりさん・・・」と唱え、「こっくりさん」という架空の存在(霊?)に出てきてもらい、いろいろな質問に答えてもらうというものです。


こっくりさんの原型は、19世紀に流行した「テーブルターニング」という「降霊術」の一種で、いまだに「動物の霊が・低級霊が」などと説明する霊能者がいるのも事実だそうです。


現在ではこっくりさんの仕組みは「自己暗示によるもの」とわかっていますが、20世紀終盤に日本で大流行したときは、霊的なものだと信じた人たち、特に、純粋な子供たちが悪影響を受け、当時の文部省が介入した歴史があるようです。


10円玉の移動が「霊」ではなく「自己暗示」によるものという根拠として

1:目を閉じると10円玉が迷走する
2:視線がわかる装置をつけると、10円玉が動く前に次の文字を見ている
3:参加者が知らない情報について質問すると、10円玉が迷走する

などがあるようです。


3の話は、霊能者や超能力者などでもよく聞く話です。
「私は神の声が聞こえる」と公言する人であっても、自分の知識以上のことを尋ねられると困ってしまい、答えが迷走するようです。


参考までに、「こっくりさん」では以下のような事件も起こったようです。


・「悪霊に取り憑かれた」と言って奇行におちいった

・2人の中学生が狐に取り憑かれたと思い込み、校舎の3階から転落した

・こっくりさんの最中、両親に見つかり中断した結果、「こっくりさん」に取り憑かれたと信じ、ノイローゼになった

・3人の中学生が「眠り病」におちいった

・「恋人の霊」に取り憑かれて奇行におちいり、精神分裂病発症を誘発した

※「自殺者が出た」という記事もありました


上記を読むと、こっくりさんによって、精神疾患だけでなく自殺者を生むなど、「自己暗示(信じる力)」の力のすごさを感じます。


ここでとても重要なことに気付いたでしょうか。
人は「信じる力」だけで心に異常をきたし、病気になったり自殺をしてしまったりするんです。
ですから、逆を言えば、「信じる力」だけで健やかに、そして幸せになれるということです。
「信じる力」というのは、人を幸せにも不幸にもすることができるんです。


では本題の「遠隔ヒーリング」の話にしましょう。
現在、「遠隔ヒーリング」の効果の有無について、人類共通の認識はありません。
「皆既日食」の話で言えば、「神の怒り」と「天体現象」の2つの意見がある時代と同じで、人類はそれぞれ信じたい方を信じています。


マスターは遠隔ヒーリングの効果について、どちらかというと否定的な立場ですが、信じる人に対しては効くこともあると思っています。


それは、

「ヒーラーの力を信じて身をゆだねること」
「お金を払っていること」
「安静状態を作ること」


などの複合的な理由で、遠隔ヒーリング中の時間、実際にヒーラーがなにもしなくても、受ける側は「ヒーリング効果」を感じることができる可能性があるからです。


その証拠に、みなさんは、「好きな人を想うことで癒される」という体験をしたことはありますよね。
自分が「想う」ことで自分を癒すことができるわけです。


その意味からすると、「いまこの時間、私は癒されている」と信じることで、心の状態に変化が出るのは当然です。


マスターも、妻や子供たちを想うだけで、気持ちが落ち着くのは事実です。


現在はライブカメラを使ったヒーリングが増えていますが、以前はただお互いに時間を決め、「ヒーラーは気を送る、顧客は気を受け取る」ということをやっていました。


つまり、信頼関係の上に遠隔ヒーリングが成り立っていたわけです。


では、ライブカメラを使わない「遠隔ヒーリング」について、みなさんは、以下のような実験や疑問をどう思いますか。
気を送る側を「送信者」、気を受ける側を「受信者」とします。



 
<実験>

・気の送信を予告しない場合、送信者が気を送信した時間と、受信者が「気を感じた」という時間は一致するか

・「送信する」と予告して本当に送信した場合と、「送信する」と予告して実際は送信しなかった場合、受信者は判別できるのか

・プロの送信者が気を送信した場合と、素人が送信した場合、受信する側に感覚の違いはあるのか
※上記に違いがあるなら、プロと素人ではなにが違うのか

・送信者が、良い気と悪い気を送った場合、受信者はそれを判別できるか



<疑問>

・送信者は、同時に何人に対して気を送信できるか

・複数に気を送れるなら、一人当たりに届くパワーは人数に応じて減るのか

・送信者は、どの程度離れたところまで気を送信できるか

・送信可能距離が無限なら、一人当たりに届くパワーは距離に応じて減るか

・同時に何人にでも送信でき、送信可能距離が無限なら、なぜ人を選び有料で癒すのか

・全人類に向けて気を送信し、全人類を同時に癒すことはできるか

・気を受信する側は、受信するときになぜ安静にしている必要があるか

・なぜ遠隔ヒーリングはどこも似たような料金設定なのか



「遠隔ヒーリング」は、スピリチュアル系の世界で流行していたもので、「効果は怪しい」と言われることもありますが、上記のような実験をし、疑問の答えが見つかれば、遠隔ヒーリングの効果の有無について議論がなくなるはずです。
スピリチュアル系の世界の信用を確立するためにも、実験は大切かもしれません。
議論の結論が出ない状態がどれだけ人類の負担になっているか考えれば、やはり実験をしてしまうことが「知恵」と言えます。


しかし、ここで問題が・・・


スピリチュアル系の世界の人たちだけでは、実験はなかなか行われないと予想されます。


その理由・・・わかりますか?


遠隔ヒーリングの効果が100%あることを実験で証明できる保証があるなら、スピリチュアル系の世界の人たちも進んで公開実験に踏み切るはずです。
遠隔ヒーリングに効果があることを全世界に宣伝するためなら、多少のお金を使ってでも実験したくなるはずです。


しかし現在、遠隔ヒーリングの効果は、一部の人に対してのみ「ある」と言えるだけで、現時点の人類の知恵では「自己暗示」ということでしか説明がつかないものです。


遠隔ヒーリングについては、まだまだ解明されていないことが多く、ヒーラーたちは、公開実験に踏み切る勇気が出ないのかもしれません。


多くのヒーラーは、人を癒すためでなく、生活のためにヒーラーをしています。
ですから、「効果の証明」より「現在の収入」を優先します。
もし効果がないことが証明されてしまったら、一気に否定ムードが漂い、収入が減る心配があるわけです。


自ら進んで公開実験をしないということは、効果に自信がないことと、ヒーラーが「本質の探究よりお金が大切」と考えているからです。
「収入を確保するために実験をするわけにいかない」というのが本質と言えるかもしれません。


たとえば「結果に関係なく、実験の参加者には1億円あげます」と言えば、多くのヒーラーが実験に参加し、その後仕事を辞めてしまう・・・
こんな状態になることはみなさんも想像できると思います。


ヒーラーの中には、本質を見極めるために公開実験をしたがっている人もいると思います。
しかし、小さな声は無視されるのが「社会の仕組み」です。
※国や科学者たちの多くは遠隔ヒーリングに興味がないので話題にもしません


ということで、遠隔ヒーリングについては、上記のような現状があると考えていいと思います。




◎効く人がいるのは当然



遠隔ヒーリングのとき、受信者は、呼吸を整え、楽な姿勢で安静にして受けるのが基本です。
また、送信者のことを信頼し、お金を払います。
「信じる人から気を送ってもらっている」という安心感と、「払ったお金と同等の効果を得たい」という期待感、これらが、安静を保っている状態の受信者に加味されるわけです。
さらに、遠隔ヒーリングを受けようか検討するときに見るヒーリングサイト内の「お客様の声」の欄には、効いた人の言葉しか掲載されていませんから、一見すると、遠隔ヒーリングが効いた人ばかりのような錯覚におちいります。
「みんな効いているんだから私にも効くはず」という先入観もあるわけです。
ですから、仮に100人が遠隔ヒーリングを受ければ、一定数が必ず「効いた」と感じます。


◎自分を癒すのは自分


遠隔ヒーリングは「自己暗示力」が強い人ほど効く、と言えます。
仮に、遠隔ヒーリングを仕事とするヒーラーが、予告なく全人類に同時に気を送っても、誰もその気を感じることはありません。
たとえばいまこの瞬間、ヒーラーのAさんが全人類に気を送っていたとしても、みなさんは「癒された」と感じないわけです。
理由は、「今私は癒されている」と信じられる状況ではないからです。
ヒーラーと時間を約束し、受信の準備をし、「ヒーラーはいま、私だけのために気を送ってくれている」と信じられるとき、遠隔ヒーリングの効果が出るわけです。
ヒーリング効果は、ヒーラーの力ではなく、受ける側の力にかかっているわけです。


ちなみにマスターは、娘がくれた「お父さん大好き」と書かれた短い手紙を読むたび、本当に「癒し」を感じ、優しい気持ちになることができます。
手紙を読んでいるとき、手紙を書いた娘が、マスターに気を送っているわけではありません。
学校で勉強しているかもしれませんし、ゲームをしているかもしれません。
娘が「お父さんを癒したい」と思って「気」を送っているわけではないんです。


そう、マスターを癒しているのは、マスター自身・・・つまり、

「自分を癒すのは自分」


ということです。


言い換えると、「自分を幸せにするのは自分」ということです。
ここを忘れてしまうと、「幸せは他人からもらえるもの」と誤解してしまい、不幸を感じると「私を幸せにしてよ!」とわめき散らす人になってしまいます。
きっとみなさんは、「私を幸せにしてよ!」とわめき散らす人と関わりたくないはずです。


マスターは「人は人を想うことで、癒される(幸せになれる)」と思っています。
そう考えると、「人は愛をそそぐことで幸せになれる」というのは事実です。
つまり、愛をそそげる人は、すでに癒されているわけです。
ですから、「遠隔ヒーリング」に限らず、ヒーリングを受けなければならない人は、「愛をそそげていない人」ということになります。
愛をそそぐことで癒されるわけですから、自分を癒すのは、結局自分なんです。


次回は、遠隔ヒーリングの概論です。
遠隔ヒーリングに対する考え方のヒントになるだけでなく、社会の仕組み、人の心の仕組みを考えるときのヒントになります。

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